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USACG Tele Practice Guitar 6 -Bridge Installation- [音楽]

USACG Tele Practice Guitar 6 -Bridge Installation-

急ぐとすぐに終わってしまうので、ちまちまアップデートして楽しみたい。お急ぎの方はおられないと思うが、いらいらするかも。ブリッジのインストールの小技についてうんちくを垂れてみたい。P6240843.jpgまず、これを見ていただこう。シールド処理は完了していないが、このボディの前面に、Telecasterのやや貧相なブリッジをねじ止めするわけなのだが、よく見るとお分かりのように、4つのねじくぎで横から押し付ける形になっている。その奥に並んでいる6つの穴は、弦をボディの裏側から通すためのものだ。これに弦を張ると、ボディに対してブリッジを押し付ける力がさらに加わって、ボディとブリッジが一体となって弦の振動を伝える、という合理的な造りになっている。構造的な欠陥はないわけではなく、ブリッジのネック側が浮いてしまう現象などは有名だ。ブリッジやサドルの材質にはいろいろな宗教があるようだが、危険なのでここでは触れない。私がこの楽器に選んだのは、日本が世界に誇るGotoh製のもので、品質管理はどう考えても世界一だ。In tune saddle seriesというやつで、サドルの溝に特殊な加工が施してあり、3wayであるにもかかわらず、オクターブをかなり正確に合わせられるというものだ。サドルが斜めになっていないため、弦の間隔がちぐはぐになるようなこともない。長期間使用した際の摩耗が気になるが、その時はまた買えばいいのだ。以前チタンのサドルを購入して気に入っているのだが、あまりに高価であったため今回の楽器への採用を見合わせていたのだが、ブラスのサドルで廉価なものが販売されたため、これに飛びついたというわけだ。チタンのサドルのものと比較すると、おそらくより暖かい音質になるだろう。Gotoh Bridge.jpg

さて、もくねじをぐりぐりとねじ込めばいいと思ったあなた、それは浅はかというものだ。やってみればわかる。そのままブリッジの上からねじねじすると、ボディのねじ穴周囲の木部が僅かに浮き上がるため、周囲の塗装が剥げてしまうのだ。だから、見えないところではあるが、穴の入り口をすこし大きくしてあげる必要がある。また、必要以上に強いトルクをかけてねじを締めこまないことも大切だ。

以前StuMacのDanがやっていたInstruction Videoによれば、すこし大きめのドリルを逆回転させて、穴の周囲を”揉んで”あげるとよい、とのことであった。そうすることでねじ穴の入り口の塗装や木部が少々すり減るため、上記の問題が避けれる、ということだ。私はどうしているかというと、金属加工に使うねじ穴用のリーマーを使うことが多い。柔らかい木の場合は逆回転させて、比較的固い木部の場合は普通に回転させて、電気ドリルではなく、ピンバイスなどでゆっくりと加工する。加工済みの写真がこれだ。低音側の一つの穴以外は、ねじ穴周囲の塗装が僅かにそげていることがわかるだろうか?ねじ穴周囲の塗装を除去しただけなのに、結構な量の塗装が取り除かれていることにも注目してほしい。P6240846.jpg”これならママもオッケーさ”というわけで、ブリッジの受け入れ準備完了である。この工程を注意深く行えば、その過程で塗装の厚さや固さ、また、木部の性質などを身をもって感じることができる。このボディの塗装は見かけよりも厚く固いようだ。傷がついたらガンガン磨いてピカピカにすることができそう。また、木部はSwamp Ashの割には目が詰んでおり、固いということもわかった。だから結構重いのね。

リアのPUには何を選ぼうか、、、これまでにいくつか買い集めた、Billが作ったものを選ぶことにした。BL PU.jpg細目のポールピースがなんともいい味を出している。ポールピースの先端が滑らかに面取りされている。細やかな気遣いにうっとりしてしまう。磁界の形を変えて、音にもいい影響を与えるための処理なのだと理解している。BL Back.jpg確か290TLEという品番で、エスクワイア用の絶版ものだ。これまで何年も死蔵しており、はんだを乗せるのは今回が初めてだ。これはけっこうパワーのある、元気な音のするPUの筈で、基本的にフラットワウンドを張るこの楽器には合わないかもしれない。しかし試してみなければわからない。とにかく最高に気に行っているパーツだけを使ってこの楽器を組みたいのだ。少しでもノイズを減らすためにワイアを丁寧に処理して、Wire.jpgブリッジに装着だ。なんともいい眺めだ。Installed.jpg裏側から見るとこんな風で、Installed Back.jpgPUはスプリングではなく、ゴムチューブと細目の”非磁性体”でできたボルトで固定されている。これをボディに乗せてみると、、、キャビディが浅いのできちんと収まるか心配していたが、配線をきちんと処理してすっきりとおさめることができた。Installed Body.jpgこれから、シールディングの作業を完成させて、少しずつ完成に近づけてゆきたい。Ferruleのことは忘れることにした。

Gotohの製品はとにかく最高だ。世界に誇る日本製品であることは間違いない。しかし非常に残念なことに、この会社は個人の製作家や愛好家を相手にしてくれないのだ。個人相手の商売は、おそらく最初から念頭にないのだろう。会社の方針なので仕方がないが、返すがえすも残念だ。私は自分が必要なハードウェアがあれば、できる限りこの会社の製品で統一したいと思っているのに。それでも実際に私が購入した製品に問題があった時は、親切にかつ迅速に対応してくれたことを明記しておく。(ペグのボタンが1ミリほどはずれかけていた。人から製作を依頼された楽器だったために細かなことだが交換をお願いしたところ、ものすごく迅速に対応していただいてありがたかった)

結局一部の非常に限られた代理店や楽器店から購入せざるを得ないため、無意味に高い値段で製品を買うしかない。Gotoh社にお金を払うのならば喜んで払わせていただくのだが、製品を作っているわけでもない代理店にお金を沢山払うのは、何とも納得がいかない。相場によっては海外から逆輸入した方が安くつくことも多いくらい、割高だと感じている。個人を相手にすると、私のようにおかしなやつも多いので、やはりあまりいい商売にはならないのかもしれない。しかし少なくとの日本在住の愛好家には、もうすこし手に入りやすい形で製品を売っていただけると嬉しいと思う。こんなところでつぶやいても仕方がないかもしれないが、よろしくお願いしたい。
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