SSブログ

USACG Jazzy Telecaster 2 [音楽]

USACG Jazzy Telecaster 2

USACG Tele.jpg

この楽器はだんだんと楽器として仕上がってきた。楽器というものはすべからく、経年変化でその状態が少しずつ変わってゆく。弾きこんでいくと音が良くなる、という人がいるが、私は、ある程度以上のポテンシャルを持った楽器においてのみそういった議論が成立すると思っている。この楽器の場合はどうだろうか?多くの問題を抱えて何度も放り出しそうになったことは事実であるが、アセンブルする私の技術はともかく、素材は全て一級品だ。しかしそうだからと言って、いい音の出る楽器になるとは限らないのだが。個人的にはいい感じに枯れ始めている、と思っている。これはバックからの写真だ。2ピースのスワンプアッシュボディであることがわかるだろう。Back.jpg美しいタイガーまじりのバーズアイネックNeck.jpg、それからヘッドもだHead.jpg

この楽器は、時々取り出してはいじり倒し、そのたびごとに小さな変更を加えたり、手を入れたりしている。今回はブリッジとナットに手を入れて、生音でも楽しく弾くことのできる方向に楽器をもっていった。ブリッジを固定するもくねじのヘッドが少し大きく、駒に当たってしまうため正しく調弦できない。それでこの木ねじ4本を交換。ボディはスワンプアッシュであり、あまり固い木ではないので、ねじくぎを締めこむときは要注意だ。木と会話をする感じで、ゆっくりと、しかも4本をかわるがわる、しかも均等に締めていかないとだめだ。ただ、残念なことに下穴の角度がやや斜めっているため、木の持つあいまいさを利用して、きっちりとブリッジを固定する。垂直はでているかな?よし、大丈夫だ。穴が斜めになる、というのは、CNCルーターで作ったボディの場合考えられないのだが、目の前にある事実なのだから仕方がない。

また、この楽器はボディとネックを作ってもらってからしばらく、実を言うと年単位で倉庫に放置してあったため(温度と湿度はきっちりと管理している)、その間に乾燥が進んで、ネックとネックポケットの組み合わせが完璧ではなくなってしまったらしく、わずかに平面で合わない部分があることも、アセンブルをてこずらせた理由だ。これもやはり紙やすりで時間をかけて平面を出して解決した。


その後ブリッジのオクターブから始めて、17F で弦高を調節し、その後再びナットを微調整して本日のメンテを終了した。低音弦を高めに、高音弦を低めに設定した。アンプを使わなくてもかなりの音量で鳴らすことができるようになった。

ストリングファレルの打ち込み(合わないファレルを力ずくで入れてしまった)、ペグを固定する複数の木ねじの中折れ(ペグを付けたのでもう見えない)、ナットの溝の成型(ルーターやジグを駆使して乗り切った。溝の成形不良、というか初期不良にもっと早く気が付いて、Tommyに直してもらえば良かった)、ネック指板の欠け(自分で埋めてラッカで塗った)、狭くてポットが入らないキャビティ(無理やり押し込んだ)、大きすぎるbridge固定ネジ(木ネジの取り換えだけで何とかなった)、、、、様々な問題が発生して何度も投げてしまおうと思ったのだが、あきらめないでよかった。ネックポケットのあたりをもう少しきっちりと組み合わさるように木部をいじれば、個人的にはほぼ完璧な楽器だ。ナットももう少し成形したいけれど、やりだすときりがない。一度は捨ててしまおうと思った木部だが、素晴らしい音と弾き心地だ。幸せな一日を過ごすことができた。

いいパーツを集めて、きっちりくみ上げて、時間をかけてセッティングを決めれば、やっぱりUSACGのパーツをつかったギターはポテンシャルが高い。半日弾いていたらグワングワン鳴りだして、弦なんか指に吸い付くようだ、、、、。ああ、こいつらをあきらめなくてよかった、とヨダレをたらしてみる。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0