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Billがいなくなった-16 やってしまった USACG-Warmoth Tele [音楽]

Billがいなくなった-16 やってしまった USACG-Warmoth Tele

本当はこんな感じ。現時点での問題を全てさらすような写真を故意に撮ってみた。実物はこれよりもずっと美しく見える。
Before.jpgおそらくドレメルで磨いたときの磨きむらのようなものが消し切れていないのだ。その後羊毛バフなどを使って一生懸命磨いたのだが、むらを取り切れていない。光を強く当てれば、見栄えの良い写真は取れるが、事実は変わらず私の中に不全感が残る。一度完全に仕上げてからの傷はむしろ勲章だが、いい加減に作った楽器はやはり大切に扱う気にならない。

最後まで付き合うつもりで800番からやり直しだ。
800.jpgどうだろう、大体すべての傷が消えており、木地が見えることもなく、上手に平面が出せたように見える。満足して次の段階に。


仕上げのために、細かい耐水ペーパーを新たに用意した。今まで使ってきたのは、米国で買った3Mのブランド品で、あちらではDIV用の道具が安いので、大量に買った。それを持って帰ってきたのがまだ残っているというわけだ。大量にペーパーを買ったとき、売り場のおばちゃんがHappy sanding!といってお店から送り出してくれたことを印象的に覚えている。車の修理をする奴だと思われたらしい。まあそれはいい、耐水ペーパーのことだ。国産だと思って安心して1000番から使ってみたのだが、どうも様子がおかしい。800番が終わった面に軽く当てただけなのになんかがりがりいっている。、、、、やられた、、、、これは失敗だ。品質がきちんとコントロールされておらず、おそらく800番より荒い粒子が混ざっているようだ。こんなものは使えない。やはり耐水ペーパーはブランド物を使う必要があるようだ。そうでなければ同じ失敗を繰り返すことになる。どうなったかというと、1000.jpg
こうなった。どうも800番よりも荒い粒子も混ざっていたとしか思えない。表面が一部灰色になったりして、粗悪品をつかまされたことは明らかだ。一般的な目的で使うのであればおそらく問題がないのだろうが、少なくとも楽器の塗装面につかえる品質ではない、、、、残念だ。Amazonに評価を書いておかなければ。



ともかく、800番に少し戻ったりしたのだが、1000番でベストを尽くした結果がこれだ。おそらく600判程度まで一度戻らないといけないのではないか。浅いが荒い傷がどうしても取り切れないのだ。ペグの穴のふちにでも荒い粒がたまっているのでは、と、きれいにしてみたのだがどうもだめだった。


実はこの後、マイクロメッシュを使ってぬらさずに仕上げてみるつもりだったのだが、迷いに迷ったすえに、マイクロメッシュが届く前にとりあえずコンパウンドでどこまでやれるか、試してみることにした。
粗目.jpg車用の粗目で頑張ったところ、ここまで来た。悪くない。けっこう鏡面になってしまうのではないか?機械も使っていないのに?この先の作業に希望の灯が見える、、、。ごしごしと力を入れてコンパウンドでこするのだが、さほど疲れるわけでもない。コンパウンドを大目に使うのがコツ、と聞いたが、ペグ用の穴に入れてしまわないように気を使った。


それでより細かいものにコンパウンドを変えてみると、、、
中目.jpgここまで来た。鏡面への道をゆっくりと進んでいるようだ。











それで、仕上げ用のコンパウンドを使用してみる。細かめ.jpg








むむう、素人のポリ鏡面仕上げだとこんなものだろうか?この辺で妥協するしかないのか?いやいや、あきらめずにクラギ用のコンパウンドを使ってみる。そうすると、、、Finish.jpg






そしてこれで良しとした結果がこれだ。Finish2.jpg羊毛バフも使ってみたのだが、結局使わない方が仕上がりが良いことがわかり、ハンドバフをもう一度やる必要があった。プロの方は笑うだろうが、ラッカーでなくポリのグロスフィニッシュを仕上げることは初めてで、なかなかムズイことがわかった。家人に見せてメーカーが仕上げた部分と見かけで区別がつかないことを確認して作業を終えた。時間は有限なので、このあたりで許してもらうことにしたい。私の心も”これで許す”といったような気がした。マイクロメッシュはこの件に関しては無駄になったがそのうちまた役に立つこともあるだろう。

アメリカの人たちは、問題を解決するために様々な道具を発明するので、我々もその恩恵にあずかることができるのだが、我々日本人は、やはり器用で勤勉で道を極めようとする性質があるためか、根性で大体同じレベルに達することができるようだ。今回の仕上がりがものすごく良い、というわけではないことはわかっている。

今回、塗装の仕上げ作業を通してわかったことは、、、、
ラッカーはきちんと盛り上げてすべての面で水平面より高くなるようにすること。
ラッカーは乾燥が進むと縮むので、それを計算に入れて厚めに塗装すること。
ラッカーは完全に硬化するまでに時間がかかるので、じっくり待つこと。
固いと言われているメイプルでも、爪でアタックすると結構へこむこと。
耐水ペーパーはブランド物を使う方が無難なこと
手で磨く力は意外と強いこと
塗装に手抜きは通用せず、手を抜けば必ず結果に反映されること

などを学ぶことができた。人生何でも勉強だ、と思った。

楽器をくみ上げてみると、今度は明らかに音が少し変わった。エレキもずいぶんと微妙な部分のある楽器で、なかなかバカにできないな、と感じた。

今回の経験で、どうすれば完璧な仕上げができるかなんとなくわかった。課題は、
どこの耐水ペーパーがベストか
何番まで使うか
水とぎするかどうか
ペグに入ってしまったコンパウンドをどうするか
どんな布で磨くのが良いか(今回はティッシュも活躍したが、塗装に対する攻撃性は結構強いので仕上げには望ましくない)
などなど。またばらしてやり直すかもしれないが、ネジ穴がバカになるのが怖いので可能性は低い。
経験値の高い方、いろいろとご教示いただけると幸いだ。


いろいろあったが、このTeleが、私が今一番手にする時間が長い楽器だ。お金はあまりかけていないし、いわゆるパーツキャスターで、ブランド性も全くないのに、これが本当にお気に入りだ。Warmoth Wideneck Telecaster2.jpgこれが全景なのだが、寄ってみるとよくわかる。ネックの幅がものすごく広いので、PUのポールピースぎりぎりに弦が乗る感じだ。それでも音を拾うことには問題はない。Warmoth Superwideneck Tele.jpg

これをいいと思うか悪いと思うか、人によってさまざまなのではないかと思うのだが、ネックのポケットに入る部分を通常のネックと同じ幅に削り込んであり、その外側に指板が僅かに突き出しているという構造だ。つばだしの22Fというのは日本人の発明として有名な構造だが、これを発展させたような構造をとることによって、スタンダードなテレにワイドネックを乗せることに成功している。USACGはワイドネックを作るにあたって異なるアプローチをとっており、ネックは指板からポケットに入る部分まで全て同じ幅である。つまり、ボディのポケットは、ワイドネック用に特別幅広く掘ってあり、ワイドネックを一般的なボディにつけることは不可能だし、また、PGも専用のサイズに加工しなければならない。このWarmothのポケットを見てほしい。一目見れば私が何を言いたいかわかるだろう。Pocket.jpgどちらが良いかは別として、このギターはフィンガープレイ用のエレキとして、本当に秀逸で、フラットワウンドの弦を張らなくってもJazzyな音を出すことができる。毎日スバラシイ時間を過ごさせてもらっている。

また弄り回すようなことがあれば、追記したい。






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