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西荻窪 鞍馬 箱盛りそば 大もり 1340円 [日本蕎麦]

西荻窪 鞍馬 箱盛りそば 大もり 1340円kurama.jpg

本日はわざわざ西荻窪へ。目的は鞍馬だ。実は他店にふられて鞍馬にお邪魔した。私はお蕎麦だけは、長い時間待ったり、並んだりするのは嫌なのだ。やっぱりご縁がないと。とにかく初鞍馬だ。幸いにしてさほど待つことなく席に着くことが出来た。

待ちながらしげしげと店内を見回す。和風で居心地が良い。テーブルが4-5個と、あとは大きなお一人様用テーブルが一つ。お店の奥にはそばを挽く機械がデンと構えている。まるでお店の主人のような顔をしている。調理場の中には、確認できる範囲で、割と若い男性が二人。年配のオーナーと思われる方はおられなかった。お店はおかみさんと思われる女性がきっちりしきっておられて気持ちがよかった。

お客さんの中には、まだ明るいのに日本酒を気持ちよさそうに”やって”いるお年寄りが複数おられ、非常にうらやましかった。リストを拝見すると、おいしそうなお酒が目白押しでよだれが出そうだ。しかし私はお蕎麦を食べに来たのだ、、、。

それで自分の中ではすでにして非常に有名な、箱盛り蕎麦の大盛りをお願いした。日本茶が供されたが、濃く淹れられたわりには苦味の少ない、薫りもゆたかな、おいしいお茶だった。お蕎麦への期待が高まる。暫く妄想しながら、周りの人たちや建具の様子なんかを眺めながら、楽しくお蕎麦を待った。

床に並べられた石みたいなのは、傷んでいてあまりきれいじゃあないな、とか、電気は和風でいいけれど、ホコリがたまっていて清潔感が足りないな、、、とか。丁度の雰囲気はとても良いが、個人的にはもっときりきりとお掃除をお願いしたいと思った。そうです私は清潔病なんです、、、、。我ながら困ったものだ。また、てんぷら系の種物をオーダーするお客さんたちも多く、お店の中に油の薫りが充満しているのも正直気になった。しかしそれはまあ仕方がない。都会の人気がある小さなお店なのだから。

程なくお蕎麦が供された。おお、これが有名な鞍馬のお蕎麦なのか。塗の四角いお盆に乗っているのは、長方形の私的には非常に有名な、ふたがついた蕎麦を入れた箱、大根おろし、山葵、ネギの薬味が乗った小皿、さらに蕎麦つゆが入った小さな徳利だ。美しい。

箱のふたをあけると、美しいお蕎麦。やや平べったく、角は過度に立っておらず(シャレではないです)、いかにも手打ち、という顔をしており、お蕎麦の幅が微妙に整わない感じも好ましい。星は目立たず二八のようにも見えるのだが、能書きには十割と書いてある、、、、と、このあたりでお蕎麦の薫りにアタマをやられた。個人的にものすごく好きな薫りだ。私のお蕎麦を評価する一つの軸に“栗のような薫り”というのがあるのだが、ここのお蕎麦は間違いなく“栗”を感じさせる。これまでにであったお蕎麦の中で、私のこの個人的な基準を満たすのはこのお店で僅かに3件目だ。ほかの2店は、、、、まあそれは良しとしよう。それでアタマをやられてしまって、お蕎麦をお鼻にぱったりとつけ、クンクンやって幸せになり、そのままお蕎麦をわしわしとほとんど全て食べてしまった。これはおいしい。

“栗の薫り“がするお蕎麦は間違いなくおいしいのだ。それで例によって糸の様に細く切られた輪切りの葱(白髪ねぎではなく、真っ白い部分の輪切りだと思う)、小さくまとめられた大根おろし、それから薫り高く辛さはあまり感じさせない山葵を、つまみのようにして各々楽しんだ。それでようやく蕎麦つゆだ。順番がおかしいがまあ仕方がない。物事には勢いというものがあるのだ。これを徳利から蕎麦猪口に移して味わってみた。醤油や塩気が背景に引っ込んだ、カツヲが前にでた蕎麦つゆだ。ほのかかつ自然で上品な甘みも感じる。手がかかっているのは間違いない。このままどんどんおいしく飲めてしまいそうだ。すごくおいしい。しかしお蕎麦はそれなりに力のある仕上がりなので、合わないかも、と考えた。それで半分ほど蕎麦つゆに浸して、、、、お蕎麦の勝ち。しかしそれ以上お蕎麦を蕎麦つゆに浸す気になれずに結局全てのお蕎麦を食べきってしまった。魔法の様な早食いをしてしまった。

というわけで、アタマがしびれるようないい薫りにやられてあっという間にお蕎麦を食べ終えてしまった私だったのだが、もう一枚、とも考えた。しかしお蕎麦の順番を待って切なそうな顔をしているお年寄りも複数いたので、早々に席を立った。おいしかったがもっと食べたかった。もっと書きたいような気もするのだが、この先何度か足を運んでからにしようと思う。とりあえず鞍馬とのfirst contactは幸福な体験だった。値段もこれなら高くないかな、と思った。

私が入店した時だけならいいのだが、例えばハワイの高級ホテルにいるような感じの複数のご夫婦がテーブルを独占しており、次々に注文を追加して、待っている人たちを完全に無視して長っちりを決め込んでいる。また、おそらくは常連さんと思われるのだが、やはり外はまだ明るいのに、何度もつまみを頼んで長時間テーブルを独占している。これはどうかと思った。お昼のお蕎麦屋さんは、さっと食べて席を立つのが適切であるように感じた。まあ、人それぞれなので、アタマにきたりはしませんけれど。

お蕎麦の食べ具合を見ながら、蕎麦湯が供されたのだが、これがほぼ1リットルはあろうかというくらい、大量だった。これはもう大喜びで、どんどん飲ませていただいたのだが、時間とおなかの具合を考えて、蕎麦猪口に2杯で終わりにせざるを得なかった。残された蕎麦湯に、女々しい心が残った。

徳利から蕎麦猪口に蕎麦つゆを移すと、徳利の構造上、どうしても多少の蕎麦つゆが垂れてしまうことと、お店がいまいち清潔ピカピカではないこと、また、蕎麦湯を呑みきれなかったことがくれぐれも残念だった。またここに伺いたいと強く強く思った。流れているクラシックもなかなかいいと思った。蕎麦つゆの謎を解くまで、折を見て何度か通いたい。まだ私の中での”初鞍馬”は、終わっていないと思った。

良い;誰でも知っている、西荻の本格派お蕎麦屋さん。泣く子も黙る名店、と個人的には認識している。
もっと良くなる;このままでいいかな?徳利の形も変えていただくとなお良いです。お掃除もうすこしだけお願いします。そうです私は清潔病なのです。
また行く?;Yes!
総評;西荻窪の泣く子も黙る名店。あと何回か通わないと、本当のところを理解できないような気がしている。とりあえず、ここのお蕎麦は“うまい”です。スバラシイ。
トイレ;未使用



2016年2月 再訪 箱盛りそば 大もり  1340エン
        

仕事のついでに幸運にも西荻に足を運ぶことができた。当然のように鞍馬にお邪魔した。比較的早い時間だったためか、並ばずにお蕎麦を楽しむことができた。しかも今日はこのまま家に帰ることができる。となれば、呑まない法はないだろう。ということで、お気に入りの田酒をお願いした。上品なガラスの水差しのなかで涼しげに揺れている田酒、素晴らしい。おちょこもずっしりとしたガラスのものだったが、呑み口が薄いのが良かった。のんびりとなめていると、前回同様の箱盛り蕎麦。お蕎麦だけかわいい女の子が出してくれた。個人的にはおかみさんでも十分うれしいのですけれど。それで前回同様、玄蕎麦は違うのだろうけれど、ブレのないお蕎麦を一心不乱に手繰って、今日の鞍馬体験を終えたのであった。今日も素晴らしかった。ごちそうさまでした。今日はたっぷりと湯桶に満たされた蕎麦湯を根性で全部飲み干して、達成感とともにお店を後にしました。満足しました。しかしこのお店のお客さんの平均年齢は驚くほど高い、、、、。オレなんか小僧っこだ。


2017/9 再訪 箱盛りそば おおもり 1340エン

幸いにして鞍馬を再訪することができた。我ながらなんと運のいいことよ。昼さがりに伺ったのだが、例によって年齢相が高いお客さんたちがいい雰囲気を醸し出している。常連と思われる方々は、のんびりと昼酒を楽しんでおられる。私は残念ながら雑用で忙殺されており、午後の予定が詰まっているためよだれを垂らして我慢するしかない。いつものように角盆に清潔な紙がしかれ、小皿に輪切りの繊細なさらし葱、大根おろし、細かくすりおろされた生山葵。その脇には小さな蕎麦猪口と、おそらく蕎麦つゆを供するためにわざわざ作らせた広口の徳利に少量の蕎麦つゆ。これだけでお酒が呑めるのに、、、いや、今日は我慢だ。冷たいお茶を飲みながらじっくりと待つ。しかしあまり混んでいなかったためか、ほどなく箱盛りそばが供された。蓋を開けてみると、見目麗しいきれいなお蕎麦。しかしお蕎麦の薫りは前回よりも控えめな印象。それ以外はぶれを感じさせない、質の高い完成されたお蕎麦だ。特筆すべきは蕎麦つゆだ。今日の蕎麦つゆは、高いレベルに洗練された端正なつゆであり、そのまま全て飲み干したい衝動に駆られて我慢するのがつらかった。神田まつやより薄め、甘さ控えめ、出汁の方向性が違ってカツヲ小魚系以外のものがすこし加えられているようだ。全体のまとまりは大変結構であり、お蕎麦と一緒でなくてもすでに完成された“料理”になっていると感じた。

なんとか自分を律しきって落ち着きを取り戻し、いつものルーチン通りにお蕎麦を楽しむことにした。まずはお蕎麦にお鼻ペッタリして薫りを全身で味わう。もう一度蕎麦つゆをすすってお蕎麦とのバランスを考える。結局半分弱程度お蕎麦をくぐらせることとした。あとは夢中の蕎麦時間で、あっという間にお蕎麦を手繰り終わってしまった。なんのかんの言ってもとてもおいしいお蕎麦だ。薫りがもうすこしだけ強めで、もりがもっと大きければ、注文の付けようがないスバラシイお蕎麦だ。今日もごちそうさまでした。

終わりに近づくにしたがって濃さをましてどろりとしてくる、別仕立てと思われる湯桶
にみたされた蕎麦湯を、夢中で全て飲み干して、満足してお店を後にした私なのだった。ダメだ今日は頭が回らない、、、



2018/5 再訪 箱盛りそば おおもり 1340エン
四季桜        700エン
本日も大変結構でした。しかしお子さんが騒ぎまわり、親御さんがこれを放置しておられたのには閉口。静かに、しかも無心に蕎麦を食べているお子さんはほほえましいのだが、小体なお店なので走り回る子供はどうしようもない。オジサンは退散するしかない。



2019/7 再訪 箱盛りそば おおもり 1340エン
       四季桜        700エン

本日も大変結構でした。お客さんが奇跡的に少なく、お店を短時間独占できたのも最高でした。四季桜もいつも通り”サラウマ”で、とっても満足。




2023/1 再訪 箱盛りそば おおもり 1430エン(税込み)

思い切って再訪。久しぶりに蕎麦らしい蕎麦を口にすることができて幸せだった。幸いにして比較的リスクの低い環境で食事を楽しむことができた。穀物らしい甘い香りを放つ蕎麦、深みのあるいつもの蕎麦つゆ、透明なさらしネギ、おろしたての生わさび、水分を程よくきった大根おろし、ポタージュ状の蕎麦湯、、、。すべてが大変結構でした。幸せな30分を久々に堪能させていただいた。ありがとうございました。おおもりは箱ではなく縦に割られた竹にのせて供されたが、以前からこうだったっけ?ほんとはお酒欲しかったけれど事情があってお茶のみ。お茶もお代わりさせていただいたのだが、こちらも大変結構でした。



2023/4 再訪 箱盛りそば おおもり 1485エン(税込み)

機会を得て再訪。いつもながらの素晴らしいお蕎麦を口にすることができて幸せだった。穀物らしい甘い香りを放つ蕎麦、透明なさらしネギ、おろしたての生わさび、水分を程よくきった大根おろし、ポタージュ状の蕎麦湯、、、。深みのあるいつもの蕎麦つゆ、、、あれ?そばつゆが少しおかしいかも。なんだか薄く感じられるのだ。私の体調のせいかもしれないが、一応素直に感じた通りを記載しておく。蕎麦湯で薄めて味わってもやはり同じ印象。深みとわずかな発酵的な味わいがいつもと比べるとすくなくて残念。しかしそれ以外はいつもどおり、たいへん結構でした。横綱相撲的お蕎麦?ともあれ、幸せな30分を久々に堪能させていただいた。ありがとうございました。おおもりは本日は以前同様箱に入って供されたのだが、やっぱりこの方が落ち着きがいいかな。ほんとはお酒欲しかったけれど事情があってお茶のみ。こちらも大変結構でした。

お蕎麦屋さんで並ぶことはしない私なのだが、たくさんの人が店の間に並んでいるのに、それを完全に無視して、まったりとたくさんの料理を広げてお酒を飲んでのんびりしている人たちがいたのだが、私にはそれはできないな。そりゃ気に入ったいい店でのんびりしたいよオレだって。でも日本人としてはどうなんだろう。人を待たせてむしろ気分がいいのか?狭い日本なのに自分さえよければいいのか?蕎麦屋に子供を連れてきて好き勝手に騒がせているのも同じだ。今日のドモコは比較的おとなしくしていたので気にならず幸いだった。以前に名人級の蕎麦食いのドモコがいて惚れ惚れしたこともあったよなあ。まあとにかく、お店が混んでいるのなら早めに切り上げて、このお店で食べる幸せを早めにみんなで分け合った方がいいかな、と思ってしまうのだ。赤い顔をして、よーじで大きな音を立てているお金持ちそうなご老人がいたが、私はこういうのは好きではないな。日本人はどうなってしまったんだ。

悲しい気持ちで電車に乗っていたところ、小さなドモコをつれた初老の男性が、空いた席にドモコを座らせた。隣に座っていたインド系とみられる男性は、嫌な顔をしていたのだが、それでも立ち上がって初老の男性、おそらくじいちゃんだと思うのだが、彼にへたな日本語で”ドゾドゾ”といって席を譲った。私はびっくりすると同時に、ものすごく幸せになった。当たり前だが礼儀正しく思いやりのある外国の方はたくさんいるのだ。それにしても初老のじいちゃんが、優しくしてくれた外人さん(この言い方はよくないかな)にきちんとお礼を言わなかった。そのことがたいへん残念であった。

まあ、プラスマイナスゼロの一日だったと言えるのかもしれない。



2023/12 再訪 箱盛りそば おおもり 1485エン

いつもの素晴らしいお蕎麦を久しぶりに堪能した。店内の温度が低かったので、自分の味覚が鈍くなってしまったのが残念だった。お蕎麦は文句なし。いつも通りのクオリティだ。そばつゆをそのまま半分以上ごくごく飲んでしまった。至福の時間だった。

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