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屋守(おくのかみ) 純米おりがらみ 生原酒 1800ml 3117円 [日本酒]

屋守(おくのかみ) 純米おりがらみ 生原酒 1800ml 3117円

屋守を楽しむ毎日が続く。これはいわゆるおりがらみというやつで、この手のお酒を呑むのは久しぶりだ。“しぼったもろみをタンクで放置しておくことで、おりを沈殿させて透明なお酒をつくるのだが、沈殿した部分をあえて混ぜたものがおりがらみである”、とものの本に書いてあった。さて。

封を切ると、これもやはり屋守特有の流れを汲んだ“いい薫り”だ。しかしフルーティというよりは、“フレッシュ”な印象。まさに生鮮食品?といった感じ。一口軽く含んでみると、ぴりぴりとわずかな発泡感?。ジンワリと沁みてくるようなしっかり感はうすく、すがすがしい味わいだ。甘みも旨みもあるが、全体としてさっぱりサラサラ。後味も爽快。とても上質なお酒だ。若者向き?しかし保存や輸送には気を遣う必要があるだろう。好みの問題だが、やはり純正の日本のオヤジである私には、屋守の中では中取りが合うようだ。

さて、私はこのお酒、封を開けた後に狭い拙宅で一番寒く、日が当たらないところにおいておいた。いままでこのやり方で問題がおきたことがなかったから、冷蔵庫に入れたりはしなかった。中取りだって荒走りだってそれでOKだった。最後までおいしく呑み切った。一升瓶を冷蔵庫に入れたりすれば、それはそれは恐ろしい祟りがあるにちがいない。家には屋守ならぬ怖いコワイ山の神というものがいるのだ。それで冷暗所に大切に安置しておいたわけだ。

開封した翌日、帰宅して、疲れた体をほぐすために一杯やることにしたのだが、、、。お酒が変質している!薫りも味も、ダメダメだ。この残念感をどう表現すればいいのだろう。こんなに頑張って手に入れたお酒なのにダメにしてしまった!!!生酒なので、お酒の中に残存している酵母が、温度の上昇とともに活躍して、甘みやコク、いい薫りのもとになっている様々な物質を自らの養分として消化してしまったようだ。消化すれば、その代謝物、人間でいえば“ンコ”が、お酒の中にばらまかれるわけだ、、、。蔵元のみなさん、本当にごめんなさい。お酒屋さん、申し訳ない。しかし日本男児として、こいつを下水に流すわけにはいかない。返すがえすも残念だ。それで山の神にお願いして、冷蔵庫をきっちりとお掃除することを条件にして、一画を屋守のために空けて“いただいた”。小一時間の労働だ。それでお酒を安置?して数日待ってみた。酵母様はそろそろ落ち着いておられるはずだ。恐る恐るすすってみると、、、、おお、だいたい80%くらいはもとのお酒のポテンシャルが回復されている。これでも十分おいしい。残りのお酒は、反省しながらしっかりと味わっていくつもりである。

やはり日本酒、とくに生酒は、流通や保存が大変重要ということを、身に染みて理解することができた。いつも味わっている“あのお酒”の、あの“納得のいかない部分”は、流通や保存の問題なのかもしれない。これからは、この悲しい経験を活かし、間違いのない、物の道理のわかったお酒屋さんに通って、正しく日本酒を楽しんでいきたいと思っている。生酒は5度以下で保存!と、某お酒屋さんで指導していただいた。数日間10度前後の環境にさらしてしまった屋守荒ばしり(ただし未開封)については、今後その品質の推移を報告していきたい。乞うご期待。コメント歓迎。

いろんな人が日本酒についていろんなことを語る。恥ずかしながら私自身もその一人だ。しかし流通や保存によってお酒の品質が大きくかえられてしまうことはあまり語られていないように思う。味や香りといった官能評価は、様々な要因によって容易に客観性を失うものなのだが、この小さなブログでは、内在する矛盾を無視することなく、むしろそういった部分を大切にして、地味に謙虚に、かつ気長に情報を発信していきたいと思っている。

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