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広尾 たじま もりそば 大盛り 930エン [日本蕎麦]

広尾 たじま もりそば 大盛り 930エン

広尾は個人的になじみ深い場所なのだが、なかなか自分に合うお蕎麦屋さんが見つけられないでいる。以前は外苑東通り沿いになかなか良いお店があったように記憶していたのだが、先日足を運んでみたところ、別の名前になっていてがっかりした。

それで、偶然見つけたこのお店に伺ってみた。
小さなビルの一階にあるこのお店は、まるでカフェのようなつくりになっており、道沿いにあるにもかかわらず、道行く車や通行人の目が気にならないような工夫がしてある。店内は小ぶりな一つの空間であり、その中に上質な机といすが並べられている。和モダンというやつなのだろうか?清潔感は十分であり、一人当たりの空間も広めに設定されており、居心地は良さそうだ。

腰を落ち着けてみて驚いた。昼時であったのだが、老若男女がそろっており、若い人が多い。私は仕事のついでに寄ったのだが、平日の昼だ。みんな何をして食べているんだろう。それで、若い女性客の全てがかなりのレベルの容貌。みんな裕福に見えた。男性は若いイケメンと、お金持ちそうな二つのグループにはっきりと分かれている。どちらにも属さない私は、少し居心地の悪さを感じざるを得ない。私の隣のおじいさんなんかは同席のおばさんに健康の話を滔々と述べており、時間を持て余したお医者さんなのかな、と思った。しかし蕎麦屋で健康の話なんか聞きたくないな。

感じのいい洋風のしつらえ?の花番さんに、と思ったが、男性の方にもりを大盛りでお願いした。小皿に上品に切った白髪葱(でいいのか?)と生山葵。山葵は小さな富士山のように盛り付けてある。それから傍らに小さめの蕎麦猪口と徳利に入った蕎麦つゆ。さっそく味をみたいのだが、日中でお酒を呑むこともできず、背中に視線を感じたりもしたので待つことにした。供された蕎麦茶を飲み干してしまうと、花番さんがすぐに継ぎ足してくれた。客席に目は行き届いているようだ。なかなかいいぞ。

それでお蕎麦は、ざるに盛られてざるのまま供された。よくあるように、ざるを逆さまに使って銘店盛りを演出することもなく、ざるをざるとして、くぼんでいる形のままに使っているので、そこそこの盛りの大きさとなっており、好感をもった。お蕎麦は細め、短めであり、エッジが鋭くたっているため、手こね手打ちを思わせる仕上がり。これは打ち立て茹でだてなのだろう。星は細かいものがごくわずかであり、お鼻クンクンしてみても、ほのかな蕎麦の香が上品に立ちのぼるのみ。印象として、僅かにつなぎを使っているのだろう、と思われた。歯切れ良し、喉越しは硬めのお蕎麦なので、やや引っかかるような。しかしこういうのは私の好みに合う。蕎麦つゆは、濃い紫でいい薫りが。少量啜ってみると、江戸前のしつらえのようだが、甘さ、カツヲは背景に落ち着いており、醤油が勝って前面に出てしまっている。材料にコストをかけているな、とは思うのだが、まとまりは今一つ、と感じた。お蕎麦は細めだが強いので、半分くらい蕎麦つゆをくぐらせて手繰ることにした。お蕎麦が短めなので時間がかかるのだが、比較的静かな店内で、じっくりとお蕎麦を楽しむことができた。

蕎麦湯をお願いしないと出てこないのは困ったものだが、湯桶にしつらえた別仕立ての蕎麦湯をたっぷりと楽しんで、お店を出た。今日はもうすこし頑張れそうだ、と思った。このお店は知る限りこのあたりでは最良のお蕎麦を出していると思う。値段も場所柄とお蕎麦の質を考えれば望外だ。このお店のことは正直よく知らないのだが、お蕎麦の職人さんは若い方なのかな、と感じた。このお店が今後何年も続き、職人さんの腕が円熟していけば、おそらく銘店の一つになるだろうな、というのが私の感想だ。吞み主体のお店になっていかないことを希望したい。

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