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USACG Jazzy Telecaster Update [音楽]

USACG Jazzy Telecaster Update


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多忙な毎日が続いているが、時間が許すかぎりこいつを愛でている。素晴らしい楽器に育っているのだが、問題がないわけではない。その一つがブリッジのコマの高さだ。おそらくボディとネックを購入してから数年間、組まずに放置しておいたのが悪いと思われるのだが、ネックポケットの木が僅かに動いてしまったようで、ネックの仕込みの角度が微妙に安定しないのだ。トラスロッドを使って何とか収束させてはいるのだが、本質的な問題の解決には至っていない。とくに高音弦などは、ブリッジのコマをぎりぎりまで下げる必要があるので、理想的な弦高を追求することができないのが悔しい。結局E弦の高さに合わせて他の全ての弦の高さを合わせることになってしまう。解決するためにはネックの仕込みの角度を調整する必要があるのだが、普通に考えればシムを使うことになるだろう。しかしわたしはこれが嫌いで、、、。ルーターでネックポケットを削りなおしてもいいのだが、角度の設定がものすごく難しいし、失敗したらリカバリーが大変だ。


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そこで私が使ったのはこいつだ。おなじみStewMacのネックシム。これは薄いメイプルの板に正確な角度をつけて削ってあり、ネックポケット全体でネックに接触するため、普通のシムを使ったときにはある程度避けられないネックの高音部の変形は理論上生じないし、トーンが損なわれたりすることもないと謳われている。確かに紙などを挟み込むよりは合理的だし、こいつを使えば角度の調整も容易で、何度でもやり直しがきく。そうではあるが、ペラペラのメイプルが1枚800円弱というのはやはりoverpricingと言わざるを得ない。しかし背に腹は代えられないので、高いお金を払って(その他もろもろのお楽しみグッズと一緒に)輸入することにした。

、、、送ってもらうのにずいぶん時間がかかったけれど、ようやく3枚のシムが手に入った。おのおの、0.25、0.5、1度の角度をつけるように調整された、実に薄っぺらいぺらぺらのメイプル板だ。まずは0.5度のものから試してみる。ほとんどの場合これで何とかなる、という記載があったため、最初は0.5度を選んでみたのだ。ネックを外して、ポケットにこいつを挟み込んで、、、慎重にネックをインストール。ネックが僅かにネックポケットから浮いた感じになっているのは気に入らないが、おお、いい感じに角度がついているぞ。喜び勇んで弦を張り直して調弦。しかし角度が大きいためか弦がサチッてしまう。まあこれは想定内なので、コマの高さを少しずつ上げて対応する。しかし結局コマの高さを上げてもあげても、楽器として機能するような状態にはならないことが分かった。面倒くさいが0.25度のものに差し替えるしかなさそうだ。そうかオレの楽器は”ほとんどの場合”ではないのね。つまりネックポケットの角度がそれなりにきちんと出ているということなのだろう。仕方がない。ふたたびネックを外してシムを差し換えて、、、。おお、これでよさそうだ。なんとかなりそうだ。

大体の弦高を出してチューニング。弾いてみた感じは全く別の楽器だ。当たり前だがなんとなくGibson系の楽器を弾いているような感じ。僅かなネックの仕込み角度の違いだけで、こんなに鳴り方が変わるなんて驚きだ。明らかに弦の振動が変わり、振動がよりよくボディに伝わるような印象を受けた。いい悪いというよりは、好みの問題かな。よしよし、ともかく自分的には悪くないぞ。調整したコマの高さは理想的だ。テレキャスの場合、コマの材質や太さは直接的に音質に直結するため、選択は慎重にしなければならない(ベースプレートの厚さ、材質、装着方法についても同様なのだがここでは扱わない)。私が愛用しているGotohのオクターブが大体合うようになっているコマの場合、断面は円なのだが、その径が結構太いので、ネックの仕込みの角度によっては弦高をあまり下げられない仕様となっている。今回私がとった方法とは全く別のアプローチとして、コマを細いものに代える方法もあるのだが、そうすると私の好みではない方向に音が変わってしまうことを確認している。太いコマの二つのE弦の下部を削り込んで弦高を下げられるように工夫してある製品もあるにはあるのだが(この説明でわかっていただけるだろうか?Joe Bardenの製品が代表的)、私はなんだかこのアプローチも気に入らなかった。コマの下部を削ってまでしたコマの高さを下げてしまうと、弦とコマが接触する面積が減り、角度も浅くなって、やはり好ましくない方向に音が変わってしまうのだ。やってみればすぐわかることなのだが。なので私の場合、ネックの仕込み角度を調整することにしたわけだ。そんなこんなでうんちくを一人傾けながら、だらだらと諸々の調整を楽しんだ。

知っている人はアタリマエのように知っていることではあるが、ギターは本当に不安定な楽器で、弦のゲージを代えたり、ネックの仕込み角度を変えたりすれば、ネックがかなり動いてしばらく落ち着かない。なので1週間ほどこの楽器を放置して落ち着くのを待った。それからStewMacのマニュアル本に載っている方法に則って、まずネックを可能な限りまっすぐにし、その後ブリッジのコマの高さを調整、最後にナットの溝をわずかに調整してセットアップを終了とした。今後、この楽器に細めのフラットワウンド弦を張ることができるかどうか、試みるつもりでいる。

今のところ、加工に失敗して木部に修正を加えたこと、購入当初からエボニー指板のサイドにわずかな欠けがあることなど以外は、私から見てほぼ完璧な楽器だ。問題と言えば重さくらいなのだが、こればかりはいまさらいかんともしがたい。自家製のPowerUpしたChamp(をモディファイしたアンプ)を通してGibson57Classic(自分的にはBestなハムバッカー)から紡ぎだされるフロントPUの音は、なんとも言えない甘く深くふくよかな味わいだ。とりあえずエレキに関しては、これ以上何も必要ないな、と、今日も拙宅で幸せをかみしめる私なのだった。

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