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徒然FD2 2018/6-1 お隣のセンセイ [クルマ]

徒然FD2 2018/6-1 お隣のセンセイ

私の実家のお隣には、偉いセンセイが住んでいた。なんでも華族の末裔だそうで、上品な印象を与えるヒトだった。センセイは大きな病院に勤めており、伝え聞くところによるとどうも院長センセイであるとのことだった。大柄で背筋の伸びた折り目正しい印象を与える人で、休日などは本の執筆かなんかで疲れた頭を休ませるべく、そのあたりをぐるぐる歩き回りながら怖い顔をして煙草をくゆらせていたものだ。センセイが喫煙することはあまり望ましくはないのだろうが、当時はそんなことを考えもしなかった。

このセンセイは若いころからベージュのブルーバードを所有しておられ、その小さな車に大きな体を詰め込んで出勤していたものだ。歳を経るごとにそのクルマは“やれて”いったのだが、変化していく様子を目にするのが私には大きな楽しみだった。錆でボディに穴が空きそうになった時に、センセイがどうするかドキドキしながら見守っていると、センセイはまた、ベージュのブルーバードを新車で買ったものだ。それはブルーバードであり、シーマでもベンツでもなかった。そしてセンセイの毎日は同じように続いていったのだった。

私が覚えている限り3代目のブルーバード、やはりベージュのクルマに代えてしばらくして、この愛すべきセンセイはあの世に旅立ってしまった。先日所用で久しぶりに実家を訪れたのだが、センセイのブルーバードは恐らく何年もホコリをかぶった姿のままで、いつもの車庫に収まっていた。なんだか感動してしまった。ご家族はセンセイの愛車を乗ることもないし、処分するつもりもないようだ。個人的には大変残念だ。引き取って愛でてみたいような気もするが、やはりこのクルマはセンセイのご家族が乗らなくては、と思いとどまった。

最近11万㌔を後にした私のFD2の跡継ぎのことを考えることが多いのだが、こいつが走れなくなってしまったらセンセイのようにまたCivic TypeRを買えばいいかな?などと考えてみた。なんとなく諸元を眺めてみると、新型は車幅がなんと1875㍉もあるではないか!いくら何でもこれでは大きすぎる。拙宅の立体にも入らない。やはり私は、メカ氏の助けを借りながら、FD2を最後まで乗っていくしかなさそうだ。

タグ:FD2
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