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両国 ほそかわ [日本蕎麦]

両国 ほそかわ  せいろ    1150エン
         せいろ追加   950エン
         磯自慢 1280エン 〆て3380エン


何度かふられたほそかわなのだが、ふらふらと散歩をしたついでにちょこっとのぞいてみたところ、何とお店が空いているではないか。つらいことも多いが、人生たまにはいいこともある。山に行くようないでたちでお店の方には失礼だったかもしれないが、少なくともお風呂に入りたて、洋服は選択したてなので全身清潔だ。おしくも“3たて”ではなかったが、胸を張って店内へ。

店内は壁も天井も土壁のようなしつらえになっており、一人客は大きなテーブルに案内されることになっているらしい。ゴムの木でできたなんだか国籍不明のテーブルであり、こいつはもう少し和風のものに代えていただきたいと思った。まあそれはいいか。さっそく席につく。食べながらお口の中をお蕎麦でいっぱいにしたまま大声で話をするお年寄りの隣の席だったのでひやひやしたが(実際食後に楊枝を派手に使って私のタマタマをチジミ上がらせた)、磯自慢をすすりながらじっくりと待たせていただいた。お酒の状態は悪くないが、封を切ってしばらくたってしまったかのような印象を受けて少し残念。しかし十分おいしかった。このお酒を口にするのは⒑年ぶりくらいだろうか。かつて蔵元の近くで仕事をする機会に恵まれたのだが、その頃はあまり日本酒にのめり込んでいなかったことが悔やまれる。磯自慢を勧めてくれた親切な人もいたのに、だ。吞みまくったり、蔵元を訪ねたりすればよかった。返す返すも残念だ。日頃の行いが良くないのだろうかやはり。

自分を責めていると、四角い盆に乗せられた蕎麦つゆの徳利と薬味の小皿が供された。薄く丹念に切られた輪切りの葱と、新鮮な生山葵。いつもは薬味をお酒のツマにしてしまうのだが、ここはグッと我慢してお蕎麦を待つことにしよう。しばらくしてまーるいざるに乗せられたお蕎麦が登場。店内の照明が意図的に暗めに設定されているため詳細な吟味がむずかしいのだが、逆ぞりした丸いざるに銘店盛りのお蕎麦。しかし失望するほど量が少ないわけではない。お蕎麦は細切りで、手打ちならではの短かさ。エッジはキリリと立っており、切りたて、茹でたてであることは間違いない。蕎麦肌は細かいがのっぺりとはしておらず僅かに穀物を感じさせ、星はほとんど目立たない。数本手繰ってみると、、、いい薫りだ。栗のような穀物の薫りが全身に広がる。噛みしめみると、細い印象を裏切るような骨のある噛みごたえで、しかしなぜか同時にのどこしも大変結構。意外だが強いお蕎麦だ、しかも全体に滑らか。これはいい。質の高いお蕎麦であることは間違いない。蕎麦つゆは小さな徳利に少量だけ入っているが、じっくりと味わってみると、醤油ではなく、味醂でもなく、発酵強めのカツヲだしが強く主張する蕎麦つゆで、全体のバランスは申し分なく、とがったところはどこにもない。どこかでこの蕎麦つゆを味わったことがあるのだが、どこであったか思い出せない、、、。あとで調べてみよう。塩分もさほど強くなく、全体にまろやかだが強めの蕎麦つゆなので、3分の一を目安にお蕎麦をくぐらせることにした。よし、と割り箸をつかみ(割り箸の袋のデザインはちょっと謎)、そのあとはもう夢中の蕎麦時間だ。忘我の境地に身を置いた。おいしかった。もう少し食べたい、、、。

たまらず追加のお蕎麦をお願いした。これが驚くほど素早く供され、私は狂喜乱舞。聞けば一枚目は北海道の新蕎麦であり、二枚目は茨城のものであるという。ナルホド。味わってみると確かに違う。鮮やかな印象を残すのは一枚目なのだが、たくさん食べるのであれば二枚目がいいかな、と思った。こいつもあっという間に手繰り終えてしまい、その後は虚脱して蕎麦湯をすするばかり。ああ、おいしかった。あっというまのほそかわ体験であったが、濃厚な時間を過ごすことができた。ごちそうさまでした。値段はまあこんなもんでしょう。

花板さん?は男性であり、ホテルのフロントで働いているような身なり。何故?清潔感が漂っているのは大変結構なのだが、希望としては和風でお願いしたいと思った。 また伺いたいと思っている。

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