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70th Anniversary Broadcasterその後 [音楽]

70th Anniversary Broadcasterその後


心が壊れそうになりながら楽器を一本売却し、Broadcasterを購入した。金銭的には多少のプラスが出るくらいなので、家人の機嫌は悪くない。しかしそれでも彼女になにかステキなものを買ってあげないといけないな。届いた楽器も一緒に見てもらった。家人は割といい感じだという。しかしその楽器に問題が。Fender Dealerの対応は大変素晴らしく、信頼できる方に担当していただいたのだが、届いた楽器にはいくつか問題が。品質管理は上々で、かすり傷一つついていない一本が届いたのだが、抱き込んでみてもどうもしっくりこない。上から順に確認してみると、ヘッドはOK、ただしヘッドからネックへとつながる部分の造形が不自然だ。しかしおそらくこのあたりはCNCではなく人の手がある程度入っているだろうから仕方がない。ペグが不自然にピカピカと光っているのも気になる。メッキの質の問題だろう。これはGotohじゃないのか?しかし機能的には問題ないので良しとしよう。問題はナットだ。このギターのネックは着色してからラッカーで塗ってあるのだと思われるが、ナットのあらゆるところにまだらに色がついてしまっている。溝切りも不適切で、ナット部分での弦高は許容範囲を超えて高い。私はFender系の楽器の扱いにはある程度の経験があるし、自慢のナットファイルのセットも持っているので調整は簡単なのだが、これは新しい楽器なので自分でそんなことはしたくない。牛骨のナットは油浸しておらず、それはいいのだが高音弦側が微妙だがいびつに高くなっているのが気に入らない。ことによると、ナットがネックのスリットの底にきちんと座っておらず、多少なりとも浮いているのかもしれない。しかしそれ以外、ネック周りには問題はない。外見はきれいで、タイガーストライプがうっすらと浮きだしている。見かけはいいのだが、虎目のネックは反りやすいという印象があるので、板目のネックの場合は個人的にはきれいな杢が出ていないほうが好みだ。しかしそれもまあ問題ない。ボーナスと考えてもいいだろう。

ボディはきれいに塗られており、何の文句もないのだが、PGの形がボディと合っておらず、しかも微妙に取り付けがずれているようだ。まあ機能的には問題がないのだが、外見上ちょっとみっともないと思う。シンプルな楽器は、こういったあたりが難しい。全ての要素を完璧に近く配置しないと、バランスが崩れていることがすぐにわかってしまうからだ。やっぱりLeoは天才に近いヒトだったのだろう。それでもコントロールプレートはきちんと装着されており、VやTのノブは大きくぎざぎざが刻まれていていい感じだ。ブリッジも当然3Wayで、ブラスの駒もきちんとしたものが使われているようだ。音を出してみると、これと言って特徴はないが無難なTeleの音がする。しかしボディの裏を見てみると、なんと3ピースで作られているではないか。確かにFenderWeb上のSpecを見ると、Ashとは書いてあるが2Pieceとは書かれていない。そこそこのPriceRangeの楽器なので、前提として2Pieceだと思い込んでいた私の方の問題だ。3PieceのBodyであっても、Fenderを責めるのはお門違いというものだ。Piece数が多いと音が悪いということもなく、私の気分的な問題に過ぎない。しかしこれはマジで困った。楽器を触って10分もしないうちに嫌になってしまった。それがかつて30年も人生を共に歩んだTeleなのに、だ。きれいに拭き上げて、ケースに収めて考えた。

自分の人生を豊かにしてくれた、大好きなFenderの楽器の悪口を言うつもりは毛頭ない。全体として評価すると、もちろん悪くないギターなのだが、この特定の個体を個人的に評価すると、自分に残された人生をずっと一緒に過ごしていけるとは思えなかった。相性が悪いというやつだ。ペナルティを覚悟してその旨ディーラーさんにお伝えし、ものすごく恐縮しながら返品をお願いした。休みをつぶして可能な限り丁寧に梱包して返送、ありがたいことに返品を受けていただいた。素晴らしい対応でマジでありがたかった。今後またFenderの楽器を購入して少しでも恩返し?をしたいと思う。楽器会社を下支えするのはなんといってもユーザーだからね。しかしTeleに関して、今後どうすればいいのかわからなくなってしまった。American Origical Teleのボディは下塗りがウレタンという事が気になるし、おそらくほぼ同じ品質で加工がより丁寧と思われるMIJ Heritage Teleは、モノはよいだろうがやはり米国製ではないことが気にかかる。木材もグレードが多少なりとも下がるかもしれない。大切なものを買うときは、生まれた国で作られたものを買うことにしているのだ。エレキは本来米国生まれだから、割高でもやはり米国製を買うのがいいのだろうと思う。

さてどうしようか?Teleを購入するために大切な楽器を一本売却してしまったことが悔やまれるが(あれは本物の楽器だった)、これも人生、心が立ち直ったらまた考えよう。もう楽器は買わないことにしてもいいかな。死ぬまで弾き続けるだけのお気に入りの楽器はすでに十分持っているので。

タグ:Telecaster
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