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"もの"としての"楽器" ⑬ Fujigen NTL21RAH-WB 夢に出てきた [音楽]

"もの"としての"楽器" ⑬ Fujigen NTL21RAH-WB 夢に出てきた



あまりこんなことを書きたくはないのだが、楽器が夢に出てきてしまった。私はRoben Fordが好きで、むかしLPを結構買い込んだものだが、彼の白いテレキャスがとてもCoolだと思っている。それでなんだか白いTeleみたいな楽器が夢に出てきて、自分を買えと言っているのか、見ろと言っているのかわからないが、とにかく何度も夢に出てきて私に強烈にアピールするのだ。これはもうTeleをもう一本買うしかないのかな?などと思いつつ目を覚ました。でもこれはおそらく手元にあるFujigenのことなのだろうと明け方に理由もなく確信した。そうだ、あいつを何とかしてやらなくてはいけないのだった。

というのは、Fujigenから楽器を直接購入した際、さすがFujigen、楽器は標準的な使いかたに合わせてきちんと調整されていた。しかし私には自分なりの考え方があって、楽器を手に入れると、まずネックを完全にまっすぐにしてから弦高をべたべたに下げて、そこから自分に合わせて調整するようにしているのだが、私の楽器はフレットの仕上げが完ぺきであるため、いくら弦高を下げてもBuzzが出るようなことはなく、なのでそのまま放置してPUの高さもざっと合わせたままにして弾いていたわけた。こういった状態で楽器を弾くと、ネックの強度がたかくとっても安定していることもあって、生音がすこし金属的な感じであまり弾いていて楽しくないのだ。楽器の個性やポテンシャルを最大限に発揮させてあげることがわれわれPlayerのに与えられた使命なので、いくら疲れていても、忙しくしていても、これではいけない、楽器がかわいそうだ。それでついに夢に出てきてしまったのだろう。腹を決めて早朝から楽器と向き合うことにした。

いつもはナットの高さによる弦高調整のあいまいさを避けるために1フレットにカポをして17フレット上で弦高を調整するのだが、この楽器のナット溝の深さはほぼ完ぺきに調整されているので、カポは使わずに12フレットで弦高を調整した。老眼が進んでいるので最近新調したメガネを駆使して弦高をきっちりと測定。すると高音弦側が不自然なほど低くなっている。ネックのねじれなどの可能性も考慮したが、そこはFujigen、チェックしても抜かりはない、というか、ネックはマジでまっすぐだ。なので自分の調整が不適切と判断して時間をかけて弦高を調整した。伝統的な3Wayのテレブリッジの場合、弦の高さを変えると同じテイルピースに乗っているもう一本の弦の高さも変わるため、いろいろ考えながらやらないとだめで、結構手間暇がかかるのだ。経験がものをいう世界だ。結局6弦を1.75mm、1弦を1.0mmに設定して段階的に変化するように設定するのに30分近くかかった。しかも弦高を変えるとわずかではあるがテイルピースと弦が当たる角度が変わるため、オクターブ調整をやりなおさないといけない。これをすると、僅かながら弦高が変化するのでもう一度弦高を調整して、、、というサイクルを何度か繰り返して設定を追い込んでいく必要があるのだ。なのでさらに30分ほど時間がかかった。調整が済んでしばらく楽器を弾いていると、またネックやブリッジの状態がわずかに変わるので、今後もう1回か2回、調整を繰り返す必要がある。木製のパーツが多い楽器はかようにめんどうなものなのだ。まあ10年もすれば木部が安定して狂わなくなるが。気の長い話だが、木製の楽器は手がかかるからこそ愛着が増すというものだ。しかしFujigenの楽器は本当によくできていて、あいまいさが少なく、調整も大変やりやすい。ねじを回して調整しただけリニアに弦高や弦長が変わるので、調整のし甲斐があるというものだ。これだけで、かなり大きく楽器の特性を変えることができる。

ということで、本来の木製の楽器らしい音色を取り戻したFujigenで、一日音楽を楽しむこととしたい。いままできちんと調整しなくって本当に申し訳なかった、と楽器を撫でさすって愛でる私なのだった。

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