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Fender made in Japan limited collection 50’s Stratocaster Reborn② [音楽]

Fender made in Japan limited collection 50’s Stratocaster Reborn②



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ということで、一晩かけて内臓の換装作業を終えた。オリジナルの楽器は本当に美しい仕上がりで、Mary Kayeモデルが50年代のストラトの一つの理想形というのはやはり説得力がある。何度も書いているが、こいつのぶっといネックがしっとりと私の手になじんで何とも素晴らしいので、ついついこいつを手に取ってしまうのだ。スワンプアッシュのボディだって軽くてカンカン響いでなかなかのものだ。この美しい外見をかえてしまうのはいやなのだが、背に腹は代えられない。自分的にはやるしかなかったのでやってしまった。繰り返しはこのくらいにして写真を載せてみようと思う。写真にするとネガがつぶれるので本当にきれいな楽器に見えるでしょう?ね?



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それで、これがオリジナルの楽器の内臓だ。使用されているパーツはすべてブランド品で、文句のつけようもない、CTSのポットなどは古い楽器の修復に使われるようなクラシカルな造りをしており、いい味を出している。Fenderオリジナルのコンデンサも素晴らしいし、配線も伝統の布被覆線だ。PUはFCSの59年モデルがおごられている。これで木部さえよくできていれば、好みはともかくとしていい音がしないわけがない。私も十分これで満足していたのだが、ノイズが我慢できずついに“やって”しまったというわけだ。しかし半田の仕上がりも、配線の引き回しも、美しいレベルにまで仕上がっていないな。写真で見ると粗が目立たないが、実物はちょっと ”寂しい” 感じ。まあ特別高価なカスタム楽器ではないのでそこまで要求しても仕方がないのだろう。要求するのであれば、もっとお金を出すか、私のように自分で汗をかけばいいのだ。それでも、PUからスイッチに行く配線は逆側からつながれることが多いようだし、スイッチからコントロールに向かう配線だってもう少しタイトだ。それから、PUからのグラウンドをポット背面につなぐハンダはお団子みたいになっていて美しくないし、ハンガーからの配線も同様。やり直したいな。でもそれだけでノイズが消えることもないんだろうな。

その後も資料を探しつつ検討を続けているが、元の配線はOriginalを意識したワイヤリングであり、テーピング(接着剤がドロドロになっていて嫌な感じではあったが)などもVintageに倣ったやりかたで巻いてあることなど、頑張っていることは間違いない。これでノイズさえ乗らなければ本当に素晴らしい楽器だったのだが。ダイナ楽器が頑張ってくみ上げている楽器であることは間違いない。返す返すも残念だ。いじりたくはなかった。しかし楽器は弾いてなんぼのものなので今回の作業は必要不可欠であった、と私は思う。






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それで、全て作り変えた内臓がこれだ。そこそこ美しく配線できていると思う。でもPotの裏に太めの配線を何本もきれいにとめるのは結構むずいな。アンプの制作ではあまりやらないので、今後続けるのであれば練習が必要だ。大きめの半田ごてもいるかもしれない。最終的に楽器に乗せる際にリヤPUの下のFinger Groove(指でなぞったような、配線を通すためのL字型の木部の掘り込み)にPUからの配線を通すことができず、もうすこしきれいに仕上がっていた配線を写真のように少しばらしたので完ぺきからは程遠いが悪くはないだろう。だってストラトいじるの久しぶりなので許してほしい。さて。

そしてこいつを組み込んでアンプにつないでPUをドライバでこんこんやってみると何の問題もなく音が出た。当たり前だがやっぱりうれしい。それでいつもの弦を張って弾いてみると、、、、おお、全くノイズが載らないぞ。これならNoiseGateもいらないし、Hum Debuggerも必要ない。勝った。オレはやったぞ!しかし当然ながら音色はやはり変わってしまい、繊細さが減って荒々しさが増えたような感じ、しかしこれはPUを代えたのでまっとうな変化だ。以前にも書いたのだが、PGがうすいプラから厚めのアルミにかわってしまったので、私の感覚では、その影響もあって生音も変われば出音も結構変わったわけだ。こいつが、まあしかたがないことなのかもしれないが、すこし気に入らないな。ノイズを減らすことを優先したので文句を言うべきではないだろうが。

最近練習に使っているBlues Juniorはもともとややノイジーなアンプなので(回路を自分で少しだけいじってノイズを減らしてあるが)、多少のホワイトノイズ的な雑音は聞こえてしまうが、楽器由来と思われるハムなどのノイズはまったく気にならなくなった。手元にあるFCSの楽器と比べてもノイズが少ないくらいだ。自分の考えでは、パーツを信頼性の高い新品に代え、配線を注意深く行い、アルミのPGを使ったことが良かったのだろうと思われる。外見は何度も書くけれどもずいぶん変わってしまった。まあ好き好きだと思うが、もうこれでずっと行くしかない。だってノイズやだもん。ペグのボタンも白いプラにするのが定番だと思うのだが、今の楽器についているGotohのSD91がものすっごくいい感じなので、どうしても代える気になれない。同じSD91でも、メッキの色によってもまき心地が違うし、木部の工作精度によっても最終的なペグの調弦機能がかなり変わってくるのではないかと思っているのだが、手元にある楽器のペグはこれまで所有した楽器の中でも最高にいい感じなのだ。というわけで、とりあえずこの楽器はこれで完成として、これでしばらくは楽器のことを考えずに音楽に集中できることを期待している。あとはPUの高さ調整をするくらいか。



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あ、書き忘れたけれど、リヤのPUのトーンは買ったままのオリジナルでは効くようになっていたが、私の回路からは外してある。リヤはいつだってトーン10だ。こういった作業をやればやるほどわかってくるのだが、Leoはマジで天才的なヒトなので、何人たりとも回路に手を加えるべきではないとワタシは深く信じているからだ。まあグランドの引き回しなど、電気的な問題に対する具体的な手法については例外だが。今回はノイズ軽減が目的だからね。

今回手に入れることができた経験値として、怪しくなってきた木部のネジ穴の補修が以外と簡単にアロンでなんとかなること、PUの配線は、Finger Grooveを意識しないとうまくいかないこと、Blade Switchの配線はハトメの穴を使ってもいいこと、などなど、たくさん上げることができるのだが、一晩費やしても惜しくない内容の濃い時間を過ごすことはできた。半田の煙を吸ってちょっとのどが痛いけれどね。

しかし手元に残ったPUなどすべてついているPGはどうしようね。練習がてらはんだをやり直してみようと考えているのだが、出来上がったものをどうしようか。考えどころだ。どこに問題があるんだろう。どのパーツがノイズを出していたんだろう。何とか明らかにしたいなあ。もう後戻りはできないし、そうするつもりもないのだが、配線をいったん外して、すべて自分できれいにやり直せばよかったのかもしれない。そうすれば遊んでいるパーツも出なかっただろうし。

この楽器の問題解決のためにかけたお金は4万エン前後であった。これまで小手先でごまかそうとしていろいろ無駄なことをやってきたのだが、それには5万エン以上のお金を費やしてしまった。勉強にはなったが、しょせん本質的な解決にはつながらない介入であったことを思い知らされた。Originalityを大切にしたかったゆえだったのだが、時間とお金を無駄にする結果となってしまった。問題が起きたら本質的な問題に正面から向き合って逃げないこと、という当たり前の結論を得た、というか再確認した。私の場合、 “人生で大切なことは、全部ギターが教えてくれた” といってもいいのかもしれない。


F30に満足したためか、クルマのことはあまり考えなくなった。ただただ乗り続けるだけだ。楽器についても同じようになるといいなと思っている。結構勉強代を払っているのだが、まだ楽器のことを考えてしまう。


あれからVintageのMary Kayeモデルの内臓を撮った写真を探し回っているのだが、もともとの配線はたしかにある程度はVintageに倣っているらしいことが分かってきた。しかしやはりBladeSwitch周りの配線の取り回しの際限度と洗練度がいまいちなので、介入の余地はある。ああ、やりなおしたいなあ。そうするとまたPGを外すことになるのでネジ穴が、、、。終わりがないねこの趣味は。

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