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徒然FD2 2018/2-1 [クルマ]

徒然FD2 2018/2-1

渋滞の最後尾にいるときはいつだって不安になる。自分で自分を守ることができないからだ。ハザードを焚いてみたって何ほどのこともない。寒空に裸で佇んでいるような頼りなさを覚える。自分では何ともできない、という状況は非常にオソロシイ。この時は高速道路上での渋滞であり、隣の車線にも車が数珠つなぎになっており、どこにも逃げ場がない。なんだか嫌な予感がした。バックミラーを見ると、黒っぽいクルマがコーナーの出口からかなりの速度で立ち上がってくるではないか。そいつはみるみるミラーの中で大きくなってくる。ドライバーは渋滞に気付いているのか?大丈夫なのか?危険を感じた私は何とかそいつから逃げようと試みたのだが、上述したように前にも横にも逃げ場がない。しかし大丈夫だろう、止まってくれるだろう、と祈るような気持ちで待つしかない。自分の安全を見ず知らずの他人に任せるしかないなんて。そんなことをほんの数秒の間に考えた。

“いやいやいやいや、、、“と目を見開いてミラーをみていると、急に大きくなったそのクルマが私の真後ろに。“ギャー”というようなスキール音を聞いたような気がした瞬間に、後ろの方から大きな音がした。“バカーン”。“ドカン”、とか“グシャ”、とか、擬音の表現にはいろいろとあるだろうか、あの瞬間、私の耳は確かに“バカーン”と聞いた。追突されたのだ。我知らず私は大声を出していた。“ウワーーーー”。時間の感覚がおかしくなり、自分の声がまるで自分のものではない作り物のようだった。同時に体が前に弾き飛ばされ、ベルトがビヨーンと伸びた。しかし幸いにしてウインドウに衝突するようなことはなく、ベルトで引っ張られた体は、今度は椅子に、派手に叩きつけられた。椅子の背中が鞭のようにしなって私の体を受け止めてくれたようだ。頸も前後に大きくしなり、そのあとRspecのガッシリとしたシートにドカンと押し付けられた。椅子の背中が頸まで届いていたのは幸運だったと思う。そうでなければ間違いなくひどい鞭打ちか何かになっていた筈だ。ものすごく強い力で全身を揺り動かされているので、自分の意志などというものはないも同然で、全てなすがまま、動かされるだった。“ウソだろー”“ウソだろー”と頭の中で繰り返しながら、そのまま私は意識を失ってしまったようだ。

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