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USACG社製 ギブソンスケールネックを発注⑥ [音楽]

USACG社製 ギブソンスケールネックを発注⑥

TommyがUSACGを止めたらしい!マニアックな相談に乗ってくれる、限りなく優しいUSACGのカスタマーサポートを仕切っていたと思われる人が、だ。Tommyその人がUSACGそのものだ、という意見もあるようだが異論はない。彼がいなくなってしまったとは残念だ。信じられないがどうも本当のことらしい。万物流転す、ということなのだろう。

Kevin Hillというひとが新しいオーナーになって、経営方針が合わなくなったためTommyがUSACGを出て行ったということらしい。しかし今回私のネックの相談に乗ってくれた人はKevinその人であり、応対はPerfectに近いものだった。あとは送ってくれたネックの仕上がりがどうなっているかだ。TommyがいなくなってUSACGがダメになってしまったのかどうか。個人的体験に基づいていえば、少なくともカスタマーサポートは以前のレベルを保っているようだ。

代わりのネックを手にしてから、またいろいろと考えてみたい。

タグ:usacg Tommy Kevin
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私のギター ⑥ Jun Nacano [音楽]

私のギター ⑥ Jun Nacano

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最近私が弾いている楽器はこれだけだ。夜遅くクラギを弾いてご近所に迷惑をかけるわけにはいかないが、できるだけいつも、できるだけ長く、この楽器を弾いていたい。クラギではあるが、ジャズだってフォークだってこの楽器で弾きたい。こだわりが異常に強く、なかなか楽器に満足できない私なのだが、この楽器は私にとって100点満点だ。なので他の楽器は必要ないし、とくにエレキは弾かなくなってしまった。

トーレスをモデルとしたこの楽器は、古風な佇まいをしており、ロゼッタ以外には凝った装飾は施されていない。そのかわりロゼッタの細工は、この世のものとは思えないくらい美しい。ながめていると吸いこまれるようで、時間を忘れてしまいそうだ。それ以外の部分も木工の確かさで目を楽しませてくれる。そしてこの小ぶりな楽器の抱き心地と来たら、、、。ネックは私の手に合わせたように削られており、文字通り指に吸い付くようだ。意外だがこのネックを初めて握った時の感想は、オールドのギブソンだ。丸いが透き通るような高音は予測通りの美音で、楽器の佇まいから判断して驚くようなことではないのだが、その小さなボディからはじき出される弾むような立体的な低音と来たらもう、、、筆舌に尽くしがたいとはこのことだ。高音と低音のバランスを弾き方で調整しさえすれば、爪弾くのは私のアヤシイ腕であるにもかかわらず、ついついうっとりとして弾きながらよだれを垂らしてしまうことも珍しくない。他の楽器はもう私には必要ない。それがブーシェであってもハウザーであってもだ。

さて。

私はTelecasterが好きなのだが、楽器を始めてからずいぶん時間が経つまでFenderのTelecasterを手にすることができなかった。若かりし頃はお金がなくってOriginalを手に入れることができなかっただけなのだが、経済的に余裕ができてからも、気に入ったTeleに出会う運に恵まれなかったのだ。たまたま円が高かったころに、楽器を実際に手にすることなくなんと通販で購入したのが初めてのFenderだったと思う。Tele以外なら何本か我が物にしているのだが。実際にFenderのTeleを手に入れてみると、木材の選択といい、細部の仕上げといい、楽器のことが下手に細かく分かる頭でっかちになっていたために、正直ずいぶんがっかりした。しかしアンプを通して出てくるサウンドはなかなかのもので、やっぱり本物はちがうのかもしれない、などと変に納得したものだ。それになんといっても、やっぱり本家本元、Originalを手にしているという安心感は何物にも代えがたく、手にしているだけでなんとなくうれしくなってしまったというのも偽らざる気持ちだ。だからブランド物と楽器としての機能が優れている物の二つを同時に持っていればサイコウなのだろう。私の場合、幸いにして、自分が好きなもの、自分が必要としているものが歳をとってわかるようになってきたので、できるだけブランド性を排して機能だけに着目して“もの”と付き合うようにしている。楽器についても例外ではなく、残り少ない人生なので、生活全般についてそんな風にしていこうと考えている。

クラシックギターの選択には、これまでにかなりの“勉強代”を払ってきた。ようやく数年前に、この人なら、という制作家(の楽器)に出合うことができ、幸いにして彼への製作依頼が実現し、予想を遥かに超える楽器を作っていただくことができた。幸せだ。その方は、日本の製作家で、中野潤さんという。どんなに弾き込んでもメンテをしてくださると言うし、壊れたら直すのでどんどん弾けとも言っていただいた。彼は私より若いので、これで死ぬまで楽器に関しては頭を悩ませる必要がない。幸せだ。

この楽器は非常に敏感で、弾き方を僅かに変えてもすぐに音に反映されるため、弾くときはちょっと緊張する。しかし同時に弾き甲斐があってすごく楽しい。敏感なだけあって楽器の作りが繊細であるため、やはり扱いには相当気を遣う。塗装は私の好きなセラック仕上なので、特に汗などの水分に気を使う必要があるのだが、製作家本人がメンテは任せろと言ってくださったので、神経質な私にしては多少のことは気にせず、どんどんこの楽器を弾き倒している。困ったら彼に泣きつかせてもらうつもりだ。良質なギターは、少なくとも50年程度の寿命を持っていると言われているようだが、そうであればこの楽器は、私がこの世におさらばしてからも誰かのところできれいな音を奏で続けるということになるのだろう。大事に弾かなくちゃね。

必要なくなったこの人(と呼んでいる)以外の楽器たちを少しずつでも誰かにお譲りして、この楽器だけを弾いていきたいものだ、健康でいてできるだけ長い間弾いていきたいものだ、と強く願っている。私のクラギ遍歴はとりあえずこれでおしまいだ。なかなかのHappy endingだと思う。

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