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千葉駅構内  松戸富田麺業  濃厚つけ麺大 980エン [つけ麺]

千葉駅構内  松戸富田麺業  濃厚つけ麺大 980エン


市川の銘店、つけ蕎麦で知られたウズマサは大変悲しいことではあるもうこの世に存在しない。ご亭主が引き続き同じ場所でお店をやっているようではあるが、噂によれば最近は二郎リスペクト系のラーメン屋さんを営業しておられるとのことだが、ああ、オレには無理だそれは。No more fat, please. 自分のおなかの脂肪だけで脂身は十分足りているのだ。オヤジにはオヤジの食い物がある。しかしそれでも捨てる神あれば拾う神あり。ウズマサのルーツとして知られている松戸の富田がなななんと千葉駅の構内で営業しておられるというではないか。本店のように何時間も待たずとも、つけ蕎麦をしっかりと楽しめるという噂だ。マジか?これまでの人生では千葉駅にはほぼ全くご縁のない私なのだが、運よくたまたま千葉まで足を運ぶことができたので、じっくりとそいつを味わってみた。普段の行いがいいのだろう、ウン。ここはひとつそういうことにしておきたい。

比較的早い時間に足を運んだからなのか、信じられないことにお店はかなり空いており、店内のお客さんは僅かに2-3人といったところ。ちょっと嫌な予感がしないわけではなかったが、あえて自分の気持ちに蓋をしてじりじりと券売機に歩み寄った。ウズマサにおけるつけ蕎麦大盛りに相当すると思われる“濃厚つけ麺大”をお願いした。980エンはまあ妥当なお値段なのだろう。券売機なので店員さんからの“多いっすよ食べきれますか?”というプレッシャーは当然ないわけだが、自分的にはそれがちょっと寂しい。店内には調理担当の若い男性二人に加え、接客担当のアジア系の若い女性が二人。大変申し訳ないがまたまたちょっとだけ嫌な予感がした。銀色に塗られたアメリカ的なプラコップ?で氷水が供されたのち、女性から男性に、チケットを介してオーダーが通る。それでは、と、ゆうゆとオレの分の“つけ蕎麦”を待つ、松、マツ。しかしどうしたことかお隣のタクシードライバーと思われるお父さんはつけ蕎麦ではなくラーメンをすすっておられる。嫌な予感その3だ。ここはつけ蕎麦を偏愛する人間が額を寄せあいながらスルドク集う場所ではないのだろうか?違うのか?そんなことをうじうじと思い悩んでいるうちに私のつけ蕎麦が供された。5分も待たなかったよ。

蕎麦つゆ、ならぬ、つけだれが入った小鉢は本店と同じと思われるたこ唐草模様と
であり、つけだれ?は見た目からして豚系に煮干し系をガンガンに加えたものだ。粉状の魚粉と思われるものが葱や柑橘系のもろもろとともに海苔のボートに浮かべられて浮かんでいる。心を落ち着けてから一口すすってみる。ウズマサのものと違って混然一体感が薄く、葱、柑橘系、刻みチャーシューなどが各々外見的にも味的にも原型をとどめてそれぞれに主張しているような感じだ。食べ進んでいけば、一体感が増していくといった計算されたつけだれなのだろう、おそらく。

さてそれでは麺は、麺は、麺はっと。当然私は愛するウズマサの“こころの味食品”謹製、極太ムチョムチョ麺に再会することを心に秘していた。つまり表面に星が散ったムチムチ極太ピカピカの麺が、丁寧に手ぐしでととのえられ、小麦のむせかえるような薫りとともに供されることを、だ。しかるに本日供された麺は、美しく整えられたムチムチ小麦麺ではあるのだが、全体に茶褐色がかっており、Textureはあくまでも均一で、外見的にも星が散っていない。麺の“照り“も少な目で目立たない。そのまま数本手繰ってみたところ、材料も調理も結構で、汁なしでもそのまま食べ進むことができるレベルではあるのだが、むちょむちょ感とむせかえるような薫りが少し足りないかな。正直ちょっと残念だった。麺の上に乗せられたチャーシューは教科書的なプレゼンであり、ウズマサの引きちぎったような厚めのものとは全く違うものであった。まあこれはこれでいいかな、と思った。どちらがいいというべきものでもないし。

それで、運良く手に入った本日の“獲物“の全容を理解した私は、早速麺をどっぷりとつけだれにつけこんで、おつゆを服に飛ばさないように気を使いながら、それでも勢いよく麺を次々と吸い込んだのだった。そんな風にして久しぶりに無念無想のつけ蕎麦時間を楽しんだ私なのだった。すべての麺をもぐもぐと楽しみ終わった後は、お決まりのスープ割りだ。おそらく大丈夫だろうとお願いしてみると、迅速な反応。残ったつけだれの量を調整し、細かく刻んだチャーシューを僅かに加えた後は、詳細不明だが電子レンジを駆使して温かいスープを手渡してくれた。やはりウズマサほどはインパクトがないが、それはそれでおいしいスープだった。

そんなこんなで久しぶりの“富田系つけ蕎麦”を楽しんだ私は、膨らんだお腹をなでなで、ゆったりと電車に乗り込んだのであった。お粗末。

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