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徒然F30 2018/10-2 [クルマ]

徒然F30 2018/10-2

クルマに乗り込んでみる。自分で選んだわけではないのだが、手に入れた車には皮のシートがついている。着座位置はかなり低い。シートはかなり大きめにできており、巨人である私の背中をすっぽりと包みこんでくれる。ヘッドレストも伸ばせば私の巨頭と頸をしっかりとサポートしてくれる。ありがたい。事故で頸を痛めているので、首の保護はマジで大切だ。サイドのサポートはフルバケではないのであまり考慮されていないが、座面が意外と深く沈み込むため、通常の運転では問題ない。このシートが電動で微調整できるのだが、実際にやってみると動きが大胆で、ミリ単位の微調整は不可能だということが分かった。ちょっと不満。前後のストロークは十分だが、前後を動かずと高さにも影響が出るようだ。背もたれの角度についても同様。座面の角度の変更はほぼできないが、シートの前端を手動で動かすことができ、太ももの裏側をしっかりと支えてくれる。サイサポートというやつだ。しかし数日クルマに乗っただけで、座面のお尻が当たる部分が私のお尻の形にへこんでしまった。大丈夫なのか?まあ、私以外の人間はこのシートに座ることはないのだからへこんでいたって問題無いか。シートはとりあえず合格だ。流石にドイツ車だ。シートヒーターもついているので、冬は重宝するものと思われる。

ハンドルはレギュラーモデルとは少し違う、大振りで太目、薄くて繊細な皮を巻きつけたものが採用されている。エアバックの部分が小さくなっており、その分メーターなどが見やすい作りになっている。また、このハンドルには様々な機能が詰め込まれており、安全運転に寄与している。しかしこいつは少し大きすぎやしないか?たまにバスにでも乗っている気分になる。

私は2㍍近い?大男なのだが、純粋な大和民族であり、欧米人のように手足は長くない。それでも幸いなことに椅子とハンドルの可変領域が広いおかげで、ベストと思われるドライビングポジションを取ることができる。椅子とハンドルは、長時間のドライブを楽しむ私のような人間にとっては大変重要だ。腰痛も軽くなったような気がする。これだと将来的にも国産の小ぶりな椅子に戻ることができなくなるかもしれない。困ったことだ。


椅子とハンドルの位置を決める際、気になるのはABCペダルの位置だろう。このクルマのペダルは、本物のMではないので、アルミではなくゴムがかぶせられている。見かけはさえないが、使い心地は上々だ。私にはむしろゴムの方がいいかも。Aペダルは吊り下げ式ではなくオルガン式で、これも私の趣味に合っている。なんと運がいい事よ。しかしABCは全体に右にオフセットされており、体を微妙に右にひねって運転することになるのがちょっと嫌だ。やはりクルマは左ハンドルが基本なんだろうなあ。しかしオフセットは嘆くほどひどいわけではなく、直ぐに慣れることができるレベルではある。CペダルはFD2のようにキコキコいったり、ギクギクといやな感触を伝えてくることがない。ああでもFD2が懐かしいなあ。まあ女々しくなるからそれはいいや。しかし気になったのは、Cペダルのストロークの長さだ。これはBMWの何らかの設計思想と関係しているのかもしれないが、慣れるのに時間がかかりそうだ。運転中、Cペダルは無数に踏み込んで使う必要があるため、なんだかすごく違和感がある。Bペダルの効きは良好だ。フィーリングも悪くない。踏み始めから適度にアシストがかかり、ググッとクルマの速度を落としてくれる。しかし私の好みとしては、もうすこし奥で、もうすこしリニアに効いてくれるともっといいかな?それでもメルセデスCのセッティングと比べるとはるかに私好みだ。

さて、ドライブの楽しさを大きく左右するミッションの作りはどうだろうか?シフトレバーはやや長めで、そのてっぺんにはMのエンブレムが埋め込まれた、掌に馴染む形と大きさの皮のノブがついている。話には聞いていたが、操作した感覚は、なんだか角が取れている感じ。しかし個人的な印象としては、ダイレクト感が希薄すぎるということはない。新しいクルマなので当然なのだが、スコスコシフトが決まるという印象は薄く、回転を合わせるとカシャリとギヤがかみ合ってくれる感じ。エンジンの回転数を上げずに走っていると、確かに前情報通りに2速は入りが悪く、時々はダブルクラッチを踏んで2速に入れる必要がある。力で強引にシフトするのは嫌だしね。

しかしこのクルマ、1.5tもあるので仕方がないことなのかもしれないが、エンジンを回さないとものすごく遅い。重厚だが鈍重だ。乗り心地はたしかかなり良好で、同時に必要十分以上の情報も手やお尻からいい感じに入ってくる。しかしやはり遅い。後ろを走っているクルマに申し訳ないほどだ。それでもエンジンを回さずに、しばらく頑張ってみるしかない。途中で切れるかもしれないけれど。

車内はいわゆる“新車の匂い”で満たされている。そいつを長時間かがされると、なんだか眠くなるのはどうしたわけだろう。有機溶媒のようなものに脳がやられるのか?Hondaの場合は、そんなことなかったと思うのだが、、、。  To be continued

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徒然F30 2018/10-3 [クルマ]

徒然F30 2018/10-3

FD2ともう会えないことはやはり非常に寂しいのだが、前を向いて生きよう、F30との時間を楽しもうと思っている。それで早速足を延ばして、遠くまで行ってお蕎麦を楽しんだりした。クルマの走行距離はまだ500キロ程度、全体に固さがほぐれていない印象だ。

雨が降るフル雨が降る、、、と。私が新車に乗ると、雨が降ることになっているのだ。それでも気分よく、森の中をどこまでも伸びていく道をフンフンとドライブした。

“ンガガガガガ”“ンガガガガ”え?
“ンガガガガガ” “ンガガガガガ”ええ?

わが目を疑わざるを得なかったのだが、ワイパーが大きく震えてフロントガラス上で踊っている。

“ンガガガガガ”“ンガガガガ”

やばい、絶対何かが壊れる。どうしよう。ワイパーのスピードを上げてみた。

“ナナナナナナナナ ガコ!” “ナナナナナナナナ ガコ!”
おお、これはマジでヤバい。何かが何かにぶつかっているようだ。もうだめだ、これは。ディーラーに持ち込んで修理だ。ワイパーを使わないドライブはやはり危険だ。しっぽを巻いて家に帰るしかない。

ということで早速ディーラーに連絡をしたのだが、どうも反応が鈍い。朝は遅いし夜は早じまいだ。自分たちに目線を向けた大名商売をしているのか?そうなのか?クルマを売ったらそれまでなのか?ちょっと頭にきた。しかし背に腹は代えられない。ものすごく頑張って仕事を早く片付けて、にっこり笑ったふりをしてディーラーにクルマを持っていった。購入後数日で問題が起きたわけだが、ディーラーでは、おそらくそうきめられているのだと思うが、誰も決して“申し訳ありません”の言葉を使わない。なんか変な感じだ。

しかしメカニックは“これはひどいです”と私の悲しみを理解してくれ、なんだかフロントガラスにコーティング上のものを塗りぬりしてくれた。その後ウインドウに水をかけてワイパーがとんでもない状態にならないことを何度か確認してくれた。これで一軒落着だ、、、というかそうだといいなと思った。

BMWは高速度での走行が想定されているので、ワイパーをフロントガラスに押し付ける圧力が高いということは知っている。しかしそういう風に作られているのだから、それで何の問題もない筈だ。なので今回の小さな事件は、おそらくフロントガラスに塗布したコーティングのようなものと、ワイパーのマッチングが悪かったからなのだと思われる。だから日本で施工されたと思われるコーティングが問題となって私の楽しいドライブを台無しにしたというわけだ。なんだか納得がいかないなっ、と。

まあ、きちんと直してくれたので文句はないのだが、ちょっとだけ今後のディーラーのサービスに不安を感じた数日であった。クルマに乗るということは、クルマの良否だけでは判断できない。身近にあるディーラーがいい対応をしてくれるかどうかということもすごく大きな要素なのだ。だから小さなことで文句を言ったりせずに、今後もディーラーの対応をすこしだけ大きな心で見守っていきたいと思った。それにしてもオレって本当に時間がなくって、ディーラーにのんびり足を運んでいる暇がないのが情けない。

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本八幡 ながせ せいろ 大盛り 750+300エン [日本蕎麦]

本八幡 ながせ せいろ 大盛り 750+300エン
        景虎        650エン

本八幡の長年の宿題となっていたこのお店、ようやく訪れることができた。店内は清潔で、床は板張り、壁は漆喰、音楽は古いJazzだ。いい雰囲気を醸し出しており、よくあるパターンではあるがやはりそこはかとなく居心地がいい。なんでいままでここに来なかったんだろう。駅から遠いからかな。歩くと結構いい運動になる。

小ぶりのテーブルに陣取って、いつものようにお酒をすすりながら、というかぐびぐびやりながらせいろの大盛りを待つ。お酒には小ぶりな漬物の一皿が付き、何ともありがたく、いい気分だ。それでお蕎麦が到着した。四角いせいろ、蕎麦猪口と蕎麦ツユの徳利。小皿には少量の葱と生山葵だ。私の好きなパターン。角盆も木でできており、よく拭き込まれて清潔感がある。割りばしもすすけたような竹で、これも好感が持てる。やや厚めの紙ナプキンも、布ではないが悪くないと思う。

さて、お蕎麦だ。細切りでエッジの立ったやや透明感のあるお蕎麦は、星が目立たず、穀物の粒子をあまり感じさせないタイプ。手打ち機械切りということなのかな?二八なんだろうと考え、お鼻をペッタリクンクン。いつもの儀式だ。うーん、穀物感はちょっと希薄かな?奥歯で噛めば蕎麦感が出てくるヤツだろう、と踏んだ。それでは次は蕎麦ツユだ。すすってみると、全体にしつらえが薄い。まつやの蕎麦ツユを2割薄くした感じ。甘さを1割引き、すこしワイルドさを加えた出汁の感じを2割増し。しかしそれでも全体のまとまりはとってもいいという、不思議だが素晴らしく美味しい蕎麦ツユだ。これはイイ。少量のみしか供されないのが残念。まあ手間暇かかっているので仕方がないのかも。少し考えた末に、格好は悪いがお蕎麦の7-8割を蕎麦ツユにくぐらせることに決めて、一気に、、、と思ったが、実際にはしずしずと、やや上品な蕎麦時間に突入した。しみじみとおいしかった。蕎麦感は最後まで希薄だったけれど。

薄めの輪切りにして供されたお葱は、それ自体で料理のような品質だ。中心は甘くて外側は苦辛い。ほんのわずかな量しかサーブされないのは値がはるお葱だからだろうか?生山葵は薫りはスバラシイが、結構強烈な辛さでお鼻をキックしてくれた。お蕎麦のかそけき薫りをちょっと邪魔するかな?それで小さな湯桶に少しだけ注がれた、とろりとした別仕立ての蕎麦湯を全て楽しんで、お店を後にした。ご馳走様でした。

これは答えを出すのがなかなか難しい問題だと思うのだが、お店に小さな女の子をつれたご夫婦が入ってきて、その子がTVゲームを始め、大きな声を出して騒ぎ続けた。ご夫婦は素知らぬ顔でメニューの選択に熱中しておられたが、デートをしている若いカップルをはじめとした周りの客には、あまり良い印象を持たれていない様子であった。

大変恐縮だが、私も蕎麦時間は静かに過ごしたいクチなので、蕎麦屋のお子さんは正直言って苦手だ。しかし確か西荻窪の鞍馬で隣り合った少年は蕎麦食いとして完璧だった。隣に座った若いお父さんと同じようにせいろを頼んで、ものも言わずに没入して蕎麦を手繰りまくっていた。その一心不乱の食いっぷりに、お蕎麦の未来も捨てたものではないと、嬉しくなったものだ。しかし”鞍馬少年”はやはり例外だ。ドモコは騒ぐものであり、親御さんはそれを何とかしようとする態度を周囲に示してほしい、と個人的には希望する。うまくゆかなくてもかまわないので。お蕎麦屋さんのドモコ問題は、なかなか闇が深い、と思った。

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Warmoth と USACG(内容空虚、長文注意) [雑文]

音楽が好きだ。特にギター音楽が好きだ。何故だかわからないがとにかく好きだ。ギターは弾くものだが、作るのも楽しい。アコースティックギターを作るのは骨だが、エレキならドリルとドライバーさえ持っていればなんとかでっち上げることができる。ただし楽器として良いものができるかどうかは別の話だ。何をもって良い楽器とするか、これもムヅカシイ議論だ。

エレキギターは基本的にアメリカのものだ。アメリカはDIYの国なので、エレキギターを自分で作っている人たちが沢山いる。アメリカに住めばいろいろなリソースが存分に利用できるのだが、日本にいても、多少の英語を操り、高額な送料を覚悟すれば、あなたが欲しい、どこにも売っていない夢の楽器を廉価につくることができる。ただし、同じような仕様のものを売っているならば、買ってしまったほうが安くつくことがほとんどだ。

エレキギターは、ネックやボディの木部と、それ以外の金属やプラスティックの多くの部品からできている。アメリカのフェンダー社のギターを基にしたギターであれば、これらの部品を買い集め、ドライバーで組み合わせることで楽器を作ることができる。私のお気に入りは、テレキャスターというモデルだ。

楽器の木部を正確に加工することは難しい。さらに、それを美しく塗り上げるには職人技が要求され、素人には不可能に近い。だから自分の体や手の大きさに合わせた楽器を手に入れたい人は、普通は大枚をはたいて職人さんに楽器を作ってもらうことになる。

しかし幸いなことに、自分の欲しい楽器の木部を、塗装を含めて注文どおりに製作してくれる会社がアメリカには沢山ある。おそらく最も有名な会社がWarmoth社で、そこからいろいろな理由で袂をわかった人たちが始めた小さめの会社がUSACGだ。その他数社、アメリカ内外にこの手の会社が存在するが、二つの会社を知っていれば、たいていの用は足りると思う。こんなことを知っている人は、それだけで結構なオタクだ。

10年ほど前、初めてW社からボディとネックを買ってみた。両方とも特別な材質で、特にネックは私の手にあわせたぶっといもので、さらに美しい”鳥目”(バーズ・アイと称する)がちりばめられた特別なものだった。届いたものを手にしたときは、うっとりとしてしまって、暫く眺めたり、撫で回したりしたものだ。美術品のような輝きを放つこいつらにドリルを入れるのはものすごいプレッシャーで、気合を入れて穴を開けたり、塗料を塗りつけたりしたものだ。何度もやり直したり、細かい部品を代えたりしながら、今でも立派にそれなりのレベルの音がする楽器として、私の人生を豊かにしてくれている。部品や工具などを沢山購入したので、かなりのお金を使ってしまったが、いい趣味を手に入れた、と個人的には”ご満悦”だ。しかし家人は”ご不満”の様子。世の中そんなものだ。

W社からは何度も木部を購入し、楽器を作っては弾いたり、知人にねだられて売ったりしていた。そうすると、いろいろな情報が集まってくる。アメリカではこういう趣味が盛んであるため、Web上でも様々な情報が飛び交っているのだが、そこで目にしたのがU社の噂だった。”お金で買うことのできる最上の製品”(The best money can buy)を提供するとのことで、興味津々。もうこれ以上楽器は必要ないのに、楽器一台分の木部を注文してしまった。送られてきた木部は、ため息が出るほどの美しいものだった。組み上げてみると、そのままの音が既に素晴らしい。弾いていて気持ちがいい。市販のものとは次元が違う。エレキではあるが、アンプにつなぐ前の音が、なんというか音楽的で、いい感じなのだ。ボディとネックとの組み合わせなどはおそらく何も考えられずに作られたものなので、たまたまなのかもしれない。しかし大変いい買い物をしたことは間違いない。暫くは幸せだった。

一般的にアメリカの会社の仕事は日本とは違い、結構大雑把だ。”こういう部品を、こういう仕様でつくってくれ”と頼んだ場合、ムヅカシイことを頼むと、たいていは微妙に間違ったものを作ってくる。カスタマーサービスはプアーで、電話がつながらなかったり、やり直すよう要求すると逆切れされたりすることも多い。しかしW社のカスタマーサービスは優秀で、オーダーの整合性が取れていないと、”本当にこれでいいの?”と聞いてきたりする。あるパーツを頼んだ際などは、先方が4回間違ってパーツを作ってきたのだが、全て送料込み、先方もちでやり直してくれた。ボディに間違った穴を開けてきたときには、穴にあわせて数万円する部品をただで送ってくれたりもした。かなりの数をこなしている会社なので、品室管理は高レベルで、注文さえきちんと通れば、ほとんどの場合間違いのない商品が送られてくる。ときどき、送られてきた部品のあまりの美しさに見とれてしまうようなこともある。木材というばらつきのある材料を、要求された仕様に加工するノウハウはかなり高度だ。しかしマスプロに近い業務形態になりつつあるようで、材料の質がいまひとつであり、また、大量生産が可能な仕様しか受け付けてくれない。手間隙をかけることを嫌う、といってよいのかもしれない。ともあれ、アメリカに長く住んだ人にはわかると思うが、W社はすごい会社だと思う。個人的にはすごく信頼している。

一方のU社であるが、材料は、”当たり”であれば私が知る限り最良。人が目と手で木材を選んでいるのだという。加工の技術は基本的にCNCを使うので文句の無いものだが、たまに木部が僅かに欠けていたり、ずれていたり、へこんでいたりすることがあるのが玉に瑕だ。木部の形が、注文と僅かに違うこともある。塗装も手作業の部分が多いらしく(これは歓迎すべきことか)、むらや欠けがあることが結構多い。今までに少なくとも5-6個のパーツを購入しているため、たまたま、ということではないのだと思う。U社のカスタマーサービスも秀逸で、購入した部品の品質に我慢できないときには、Tommyという気のいいおにいちゃんに電話・メールをすると、体温が伝わるようなサービスをしてくれる。私も何度かお世話になっている。しかし気に入らない部分を説明して部品を送っても、なおらないで帰ってきたり、傷や凹みがついて帰ってきたり、そのあたりは日米の文化の違いもあり、我々日本人は基本的に神経質で些事にこだわるので、文化的な違いなども鑑みると評価がムヅカシイ。しかし良心的であることは間違いなく評価できる。こちらがあきらめるか、返品するしかないこともある。Tommyが一生懸命やってくれるからなのか、不思議と頭にくるようなことは個人的には一度もない。結局自分で直すことになった塗装のムラが、最後には良い思い出になる、といった感じ。そうでないとU社とのお付き合いを楽しむことができない、と私は思う。

W社の製品は、規格どおり、注文どおり作ってある。木材の質は超一流とはいかないこともあるが、十分高品質。サポートもアメリカの会社としては最上だ。だから、W社の製品は、例えばある楽器のネックが壊れたとすると、壊れたネックと同じものを注文すれば、いわゆる”ポン付け”が可能だ。PCのパーツを取り替えるように、規格に合わせた作られた部品を取り替えることができる。木材なのに、アメリカの会社なのにこれが可能、というのは本当にものすごいことだ。一方の雄であるU社の製品は、物としては最上だが、品質にむらがあるし、注文通りの完璧な製品が供される可能性はW社と比較すると低いようだ。ある程度木工と塗装の技術を持っている人でない限り、手を出すべきではないだろう。現に最近U社のネックを最近購入したのだが、一部に打痕と塗り忘れがあるため、週末をつぶして塗装の修正をしているところだ。美しい木目が夢のような曲線を描いており、眺めているだけで幸せになれるようなネックなのだが、醜い凹みと、塗り忘れがあるのは本当に本当に残念だ。実は今使っている楽器に問題があり、ポン付けを期待して買ってみたのだが、私の期待は裏切られてしまった、、、残念だ。しかしこれは私のU社との付き合い方が間違っていたというべきであろう。そうではあるが、ここでつくってもらったネックは手に吸い付くようで、上記のように音色もこちらの期待をはるかに上回ることが多く、ギター音楽を愛するものとして、なかなかお別れする勇気が持てない。これからも文句を言いながら、心と時間(とお金)に余裕があるときにはU社の製品を買ってゆくのだろう。今もU社に作ってもらった木部で組み立てた、私にとっては夢のような楽器を膝の上において、つま弾きながらこれを書いている。

あなたも一本どうですか?



2024/2
いろいろあってWarmothにJazzMasterのネックを注文した。素晴らしい仕上がりのネックを送ってくれた。お得意さん扱いしてもらっているのかもしれないが、このところはずれがない。ありがたいことだ。調子に乗ってよせばいいのにBodyもお願いしてしまった。JazzMasterでJazzができるかどうかをテーマにした楽器だ。守備範囲は極めて狭いが腰にやさしい楽器に仕上げたい。あまり厚くない塗装で仕上がってくるといいのだが。Best Guitar Partsだったか、かつてのUSACGのメンバーが数名で手伝っているといわれていた会社はその後いろいろあったようで、その後Sound Guitar Worksという名前で頑張っているようだ。塗装以外はかなり頑張れているようにみえる。期待できそうなのだが、もう私が楽器をアセンブルすることはないかな?

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徒然F30 2018/10-4 [クルマ]

徒然F30 2018/10-4


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FD2と何度も足を運んだ、私には定番の“峠”を走ってきた。やはりこのクルマは大きく重いので、FD2のように軽々と振り回すことはできない。もちろん慣らし中なので、エンジンを好きなだけ回すこともできない。しかし慣らし中だってクルマは車だ。"Sportモード"というやつを試してみた。コンピューターでアクセルやハンドル、おそらくサスなども含めた総合的なセッティングを変えて、クルマの持ち味全体を別物に仕立て上げてしまおうという技だ。面白そうだ、、、ちょっと興奮する。

私のクルマの場合は、"Sportモード"を使うと、特にアクセル操作に対するエンジンの反応とハンドルの効きが大きく変化して、自然にヒールアンドトウを楽しめる感じの操作感覚になった。車全体が軽く感じられる。少し車が小さくなったような体感変化だ。おお、これはすごい。これは楽しい。バランスがいいというノーマルモードなんてもう使ってらんないよ。燃費なんてこの際どうでもいいよ。しかしスポーツモードにするとやっぱりついついエンジンを多めに回してしまう。エンジンの音を楽しみたいのだ。そうはいってもFD2で回す半分くらいのものだけれど。FD2の場合は、レッドゾーンは8500過ぎという非常識な設定なのでもちろん一緒にしてはいけない。しかもF30はツインターボで、低回転からモリモリとしたトルクがあるため、あまりまわさなくても何とか走れてしまうのだ。

新車に無理をさせないように、いたわりつつ、しかし時々はピシリと鞭を入れつつ楽しんでいたのだが、クルマのOdoが1000㌔を超えるあたりから、エンジンの回転、クラッチのつながり、ブレーキの効き方などが全て滑らかで一体化したような方向に明らかに変化して、慣らしが進行していることが実感された。なんかちょっとおかしいぞ、というのが私の素直な感想だ。1000㌔くらいで慣らしが体感できるほど進んでしまうのであれば、このクルマの寿命はあまり長くないのではないかと邪推してしまう。いくらクルマの加工精度が上がったといえども、慣らしにはもう数千㌔は必要なのではないか?少なくともFD2の時は、5000㌔くらいまで、アクセルを踏まなくても前に進んでしまうような感覚は得られなかったように記憶している。どうなんだろう?

但し、リバースだけはだめだ。バックする時はいつも、心で”おりゃー”と叫び、左手に気合と力を込めて、シフトレバーも折れよとばかりに事にあたらないとリバースに入らない。これはなんとかならないものか、、、。

なんていうことをつらつらと考えながらF30の走りを楽しんでいたらついついいい時間になってしまった。高速道路に乗ってみたら長―い事故渋滞、、、ここのところついていないなあ。

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徒然F30 2018/10-5  隠された?機能 [クルマ]

徒然F30 2018/10-5  隠された?機能

知ってはいたのだが、BMWの3シリーズが新しくなるようだ。チラチラとチェックしてみたところ、全幅がさらに広くなっている。やはり現行の3を買っておいて正解だったようだ。新しいのが気にならないわけではないけれど自分の選択の正しさににんまり。

自分のものとなった3を、じっくりと乗って楽しんでいるのだが、ユーザーマニュアルがものすごく読みにくいことには閉口するしかない。いろいろなバリエーションがあるので仕方がないのだろうけれども、もうすこしユーザーフレンドリーにならないものか。こんど営業のお兄さんに相談してみよう。

通常はマニュアルを読み込むタイプの私なのだが、そんなわけで、とりあえず時間さえあれば実車と親しんでいる。それで気が付いたのだが、シフトチェンジの際、回転合わせに失敗して気が付いたのだが、なんとブリッピング機能がついているではないか!知らなかった。ヒールアンドトーなどを使って調子よく運転しているときには気が付かなかったのだが、回転合わせに失敗して、カックンとギヤがつながることを予測して身構えた時に、クルマが勝手にフオン!と回転を合わせてくれてとてもびっくりした。そんなもんまでついているのか、こいつには、、、。まあ回転合わせに失敗しなければ必要がないわけだが。いつもは地味に隠されているこの機能には、奥ゆかしさを感じた。

まだある。坂道発進で気が付いたのだが、どうもこいつにはヒルスタートシステムがついているのだ。坂道で停車して、サイドではなくフットブレーキで停まると、スタートする時は素早くブレーキを解除してクラッチをつなげつつアクセルをジワリとふかさないといけないのだが、ブレーキを解除して1-2秒間は、クルマが全く後退しないことに気が付いた。まさか、と思って上り坂で道が空いているときにフットブレーキを解除してみたら、数秒そのままで止まった後にずるずると後退をはじめた。おお、間違いない。むむー、こんな日本車みたいな地味な機能も充実しているのね、ドイツ車なのに。

双方の機能とも、介入するマナーは結構がさつで、やってまっせーという感じなのだが、機能的には何ら問題がない。いつからこんなにかゆいところに手が届くような機能を身にまとうようになったんだ、BMW? おしゃれになった同級生の女の子に会うような、どこか恥ずかしいような嬉しいような感じだ。

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徒然F30 2019/10-6 [クルマ]

徒然F30 2019/10-6

クルマは快調だ。多少の問題がないわけではないが、そこはゲルマン系のクルマ、細かいことにこだわると際限がないので、目をつぶってドライブを楽しむことにしている。さて。

FD2のことを思い出すことがないわけではない。というのも、いつものところでいつもの時間に数台のきれいに維持されたFD2と出会うからだ。彼らもおそらく職場までの通勤にFD2を使い、各々のドライブ時間を楽しんでいるのだと思う。海沿いの道でいつもすれ違っていた真っ赤な印象的なFD2、ドライバーは小柄な中年男性で、頭はかなり薄くなってしまっている。真剣な表情でハンドルを握り、満足そうにドライバーシートに収まっている。毎朝すれ違うので、一瞬だけ意識するのだが、そいつはレギュラーのFD2ではなく、無限RRなのだ。なかなかいいな、と思って毎朝すれ違うのを楽しみにしていたのだが、最近あまり見ないな、と思っていた。勝手な想像だが、この人は若い頃にいろいろな理由で乗れなかったスポーツカーを、中年になって余裕ができてから手に入れ、大切に楽しんでいるのだろう。その気持ちは私にもよくわかる。私のお仲間だ。

数日前、いつもの道をのんびりと走っていると、真新しい、真っ赤なFK8とすれ違った。なかなかいいな、と思ってしげしげと見つめると、シートに収まっているのは、例のFD2乗りではないか。なるほど、FD2を高値で売って、現行型のFK8に乗り換えたのね、いい選択だ。私もFK8の車幅が1800㍉を越えなければ、是非そうしたかった。あの人は恐らくFK8を大切に慈しんで、何らかの問題で乗り続けることができなくなってしまったら、また新しいTypeRに乗り換えるのだろうな、と想像するが、彼の中にもう一人の自分を見たような気がした。

お互い末永くドライブを楽しみたいものですね、と、ちらりと視線を送ってみるのだが、ドライブに没入している彼は、いつも通りシカト。それもいい感じだ。

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吾妻橋 やぶそば [日本蕎麦]

吾妻橋 やぶそば もりそば 中 1500エン
         菊正宗 冷  700エン


浅草での宿題店の一つ、吾妻橋のやぶそばに立ち寄ることができた。浅草橋からのんびりと歩いて浅草まで足を運んだ。満席のため、20分ほど待ってから着席。客の多くは裕福そうな人たちであったが、失礼ながらそうではなさそうな常連風の方々も昼下がりの蕎麦を楽しんでおられた。しかしほぼすべての方々が昼酒状態で長っ尻というのはどうなんだろう。まあ人は人、とっととオーダーを通し、店内をしげしげと観察。平たく仕上げられてはいるが、玉砂利のような石が敷き詰められた床といい、黒く塗られたむき出しの梁といい、漆喰?で塗られた壁といい、清潔感が漂っており大変結構だ。トイレはお借りしなかったが、おそらく清潔に保たれているものと思われる。

程なく供された冷酒を、供された蕎麦味噌をなめながらゆっくりと味わった。蕎麦味噌は好物なのだが、お箸が汚れるのがどうも、、、。もりそばは結構なお値段だが、大を所望。2200エンだ。しかし花番さんはもうお蕎麦がないので中にしてほしいとおっしゃる。仕方がないのでにっこり笑って中にさせていただいた。冷酒は袴をはいて、ガラスのお猪口と共に、小皿にぺちょりと乗せられた蕎麦味噌とともに角盆に乗せて供された。私が好きなやり方だ。なんというか安心感がある。

しばらくしてお蕎麦が供された。これも蕎麦つゆは徳利にいれられて蕎麦猪口とは別に。小皿に白髪葱とおろしたてと思われる空気を含んだ生山葵。山葵はおろし方が重要だ。お蕎麦は真新しいざるに乗せて供された。こいつらもまた角盆に乗せて出てくる。ざるに乗せられたお蕎麦の水切りは完璧で、盆の上が濡れてしまうようなことは無い。

ざるの上のお蕎麦は二つの山に盛り分けられており、小二つが中、ということが分かりやすくプレゼンされている。各々の盛りの切り方はやや違うように見受けられ、一つ目の盛りは中細、もう一つの方はもうすこし細く切られているように思われた。まあ、目の錯覚なのかもしれないが。お蕎麦は表面が僅かに透明となるような滑らかな仕上がりで、星はほとんど目立たない。エッジは鋭く立ち上がっており、切り立て、茹でたてであることを強く主張している。そこでお蕎麦を数本リフトアップして、お鼻クンクン。おお、これはスバラシイ穀物特有の甘い薫り。ブワリと強くお蕎麦の薫りが立ち上がってくる。スバラシイ。お蕎麦のテクスチャーは部分によって微妙に変化しているが、切り方は完璧であり、しかもお蕎麦が長―――い。つまり手ごね機械切りということなのだろう。それで数本手繰ってみる。腰が強く、歯切れが良い。それでいて適度なねっちょり感も残されている。喉越しは、噛み切られたお蕎麦が、喉をひっかきながら落ちていく感じ。新鮮で主張のほどほどに強い、素晴らしいお蕎麦だ。さて、蕎麦つゆはどうだろうか?

少量蕎麦猪口に移してすすろうとした、が、蕎麦つゆは少量のみ供されるやり方だ。蕎麦つゆを惜しみながら蕎麦を手繰るのは好きではないため、これは自分的には困ってしまうのだが、お金がかかっているのだろうから、まあ仕方がない。気を取り直してすすって吟味。こちらの蕎麦つゆは、基準にしている神田まつやの 甘さを控えて全体に少しだけ薄く伸ばし、出汁をやや強めて発酵した感じを強めたような印象。全体のまとまりが僅かに乱れており、出汁系の雑味のようなものを感じたが、手間暇かけた蕎麦つゆであることは瞬間的に理解された。蕎麦の強さを鑑みて、半分くらい蕎麦つゆにくぐらせることにした。端っこちょんちょんでは蕎麦つゆが負けてしまうからだ。

白髪ねぎと生山葵をつまみながら菊正をすすり、あれこれと考えながら心?を決め、そのあとは一気に濃厚な蕎麦時間に突入した。とはいっても大食いの私のこと、二山に盛り分けられた私のお蕎麦は、あっという間に胃の腑に吸いこまれていったのだった。それにしても素晴らしいお蕎麦だった。蕎麦つゆの印象が食べ進むにつれて変わってゆき、最初はバラバラに感じられたお蕎麦と蕎麦つゆのバランスが、食後には完璧に感じられたことが印象的だった。それにつけても蕎麦つゆのすくなさよ。

その後は銅でできたように見受けられる急須に満たされた別仕立てのとろりとした蕎麦湯をなんとすべて楽しみつくし、心身ともに温まってお店を後にしたのだった。ごちそうさまでした。お蕎麦の中しか出せなかったことを詫びてくださった花番さんの応対も、必要にして十分、温かい印象を与えるもので好感が持てた。

また是非伺いたいが、混んでいるからなあ、、、。なにかと厳しい日常を送っている私にとって、神様がプレゼントしてくれたような素晴らしい一時だった。ありがとうございました。

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徒然F30 2018/10-7 [クルマ]

徒然F30 2018/10-7 ボディのしっかりとしたクルマに乗りたい

昔からボディのしっかりとしたクルマに乗りたいと思ってきた。走っていてボディがきしむ感覚に敏感で、なんとも気持ちが悪いと感じるからだ。それで、私が大枚を投じて初めて真剣に買ったクルマは、ラダーフレーム構造を持つ、古臭い設計のSUVだった。悪路を走破するためにはボディ強度が高いことはマストであるため、狙い通り素晴らしくボディがしっかりとしたクルマだった。ではあったのだが、国外で仕事を始めた時にクルマを一緒に連れていくことができず、涙ながらにお別れした。これが初めての試みであったのだが、ラダーフレームに乗せられた強固なキャビンの中で揺られていると、洗濯機の中で振り回される洗濯物の気持ちがよく分かった。それでもあれはとてもいいクルマだった。

次に手に入れたボディのしっかりした車は、軽量頑丈なFD2。これは速く走るためだけのクルマであるわけなので、市販のクルマのボディを補強した造りとなっており、やはりSUVとは違った目的でボディがしっかりとしていた。このクルマは本当に大好きで、文句のつけようもない相棒であったのだが、やはり乗り心地がよい、というわけにはいかなかった。しかたがないよなそれは。これが私としては二回目のアプローチだ。手放さざるを得なかった経緯は、以前ここに愚痴った通りだ。

そして今度はF30。このクルマのボディもなかなかしっかりとしている。想定される平均走行速度が高めのクルマなので、必然的にボディの強度が要求されるわけだ。これが三回目のアプローチなのだが、今回は“乗り心地がそこそこいいクルマを手に入れる”というのが至上命令であったため、当然クルマの快適性は悪くない。ダイレクトな運転感覚など、失われるものも少なくはないのだが、それはそれ、素晴らしいクルマであることには変わりない。私もいい加減歳なので、今現在の私には、このアプローチが合っているような気がする。このクルマを永く楽しんでいきたいと考えている。

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