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その後のStratocaster 2019/6-1 [音楽]

その後のStratocaster 2019/6-1

国産Fenderを購入してからずいぶん経つが、その後いろいろなことがあった。まずびっくりしたのが、ネックを固定している4本のボルトがゆるゆるだったこと。ネックのそりを修正する為におろしたての楽器をばらすのはちょっと勇気がいったが、必要ならやるしかない。それでドライバーをボルトに当ててみるとすぐにゆるゆるであることが確認された。こいつをしめなおすだけでネックの角度は僅かに変わるだろうと思われた。しかしネックを外してトラスロッドを確認してみるとこちらもゆるゆる。これを最低限効く位置まで締めこめば、音がしゃっきりすることは間違いない。しかしどうしてこんなことに?

恐らくこれは乾燥だろう。楽器は湿度が管理されていない倉庫で保管してあったものと思われる。冬場を越して、乾燥が行き過ぎたのではないか。さらに、この楽器は軽めのアッシュを使ってあるため、楽器になってからの乾燥による変化が多めだったものと思われる。しかしトラスロッドが全く聞いていないことを鑑みると、ちょっと製材前の木材の乾燥が不十分だったのかも?とおもったりもした。世界中に知られたMade in Japanの品質はどうなったんだろうか、ちょっと残念。しかし多くのUSA製の楽器はみんなこんなもんなので、文句を言っても仕方がないのかもしれない。

とにかくホイホイと手早くネックを調整し、ボディに戻してしばらくそのまま弾いてみた。楽器の調整は気長にやることが肝心だ。ネックをまっすぐにすれば弦高は下がるが、弦のテンションが変化するので、ストラトの場合トレモロがすこし起きてしまったりして安定するまでに時間がかかるのだ。数週間待ってもまだ弦高が高かったため、ブリッジのコマの高さを調整してさらに弦高を追い込んだ。ねじがインチサイズになっているのはアメリカ製の部品を使っているからのようだ。ここまでで楽器の生音は激変し、楽器全体がとても良く振動するようになった。やっぱり素材は悪くないようだ。だから生音であっても弾くのが楽しい。夜中などは、トレモロのスプリングに共鳴したり、ピックガードの裏のキャビティで音が増幅されてしまい、小さなセミアコくらいの大きさの音が出るので思い切り弾くことがためらわれる位だ。その後一度だけネックを外した調整を行って、1か月ほど楽器を馴染ませたところ、ようやく私の好みのセッティングを出すことができた。ネックはあくまでもまっすぐで弦高はやや低め、強く弾くと巻き弦が僅かにバズルくらいが良い。メーカー推奨の値に従ったセッティングから始め、低音弦3本と高音弦3本のバランスを変えて(低音弦の高さを僅かに上げた)、弾き方によるバズの出方を整えたところで完成だ。ペグはシャフトの高さが変えられないシンプルな作りのものなので、各弦のテンションを細かく揃えて、、、といったGotohの高級機種では許されたセッティングはできない。弦の巻き方である程度は調整できるのだが、まだそこまでこの楽器に慣れていない。各々のペグの癖だってまだ把握してないしね。

ここまでで90点くらいのセッティングになっているので、楽器はぴたりと自分手に馴染み、いつまでも弾いていたくなるような弾き心地だ。あとは弾きこんでいって何度も調整するのみだ。50年代後半の楽器からデータを取ったと言うこの楽器のネックは、私にとって理想の形だ。金色のハードウェア、太いメイプルネック、アッシュボディをMaryKayで塗ってあるのも私が欲しいStratそのものだ。ボディの端をシースルーではなく塗りつぶしにしていなければ、ほぼこのままで私の理想が具現化した楽器だ。カスタムオーダーすることなくこの仕様のStratが手に入ったことは、幸運だったと言わざるを得ない。

楽器の調整は得意だし結構楽しいし、これで十分、あとはその時の気候や気分に合わせて微調整すればよい。しかしここにきて問題が生じた。ピックガードの“浮き“だ。購入後2カ月ほどで、温度も湿度も安定した環境で保管しているのだが、セミハードケースで保管していることが関係しているのかどうか、フロントピックアップの低音弦側のPGが、大きく動き、数ミリ浮いてしまっている。これではまともな音がするわけがない。さて、困った。

FGをヒートガンであぶってみようか、別のものに取り換えてみようか、などとも考えたのだが、これは新品の楽器だ。Customer Supportというものがあるではないか。しかも私にしては珍しく、値引きを要求せずに購入した楽器なので、多少の面倒を見てもらってもいいのではないか。それでFenderに連絡してみた。気のいい中年男性が何度か相手をしてくれ、必要な情報に加えて楽器の写真を送った。すると先方がいろいろと探して、Fender Genuine PartsであるとっととPGをおくってくださった、素晴らしい。万が一ねじ穴が合わなければさらに対応してくださるとのこと。なかなか素晴らしいSupportではないか!これで十分満足だ。

現在この楽器を、自分でアセンブルしたChamp改アンプや、Fender Blues Juniorなどを通して楽しんでいるのだが、意外とトレブリーな音が出力されるのでちょっと驚いている。しかしFenderの楽器を Fenderのアンプ鳴らすのは、どうしようもなく安定した、なんとも素晴らしい音がするものだ。満足だ。

Stratは誰でも知っている定番楽器なので、これまで無意識に避けてきたのだが、やはりLeoは本当に天才なのかもしれない。ミドルPUがピッキングの邪魔になることにさえ慣れてしまえば、思うままに弾くことができる。とくにフロントPUの音は私にとってはひとつの理想であり、Jazzにも使えると思われる。はやくStratをかっておけば、楽器めぐりをするようなことはなかったのかもしれない。クルマだって楽器だって同じだけれど、定番の持つ力、というのはやはりすごいもので、バカにするものではないな、と感じ入っている次第だ。今後は定番商品を避けることなくやっていこう。

その後、ネック裏の、ありえないような場所にごくわずかな打痕を見つけてしまった。購入時は気付かなかったようだ。これを根拠に値引きの交渉ができなかったことが悔やまれる。製造過程でついた傷ではない。製造会社は随分気を遣って楽器を造っている筈なのに、販売店はどうしてこうなのだろう。店頭品であれば客が手にするので仕方がないとは思う。でも在庫品で傷って、、、。不良品が混じるのを防ぐために、どの店でも必ず検品をするそうなのだが、その時に傷が付くのだろう。人間に完璧を求めるのは愚かなことだと思う。しかしちょっとこれは残念でした。しばらく弾きこめば、他にも傷がついて気にならなくなるだろうから大切にどんどん弾いていきたい。

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