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Tigers and Birds; USACG and Warmoth [音楽]

8月6日
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 これまでいろいろな楽器を作ってきたが、意図するしないに関わらず、木材の杢がでてくることがある。これをマニアはトラ目、鳥目、熊の爪あと、果ては天使の足跡なんていって喜ぶわけである。しかし木材に杢がでる、ということは、多くの場合、その木材の生育環境が厳しいことを意味しており、必ずしも楽器に用いる部材として適しているわけではない、と個人的には理解している。例えばメイプルネックなどは、杢が出ているとヒジョーに美しく、それを眺めながらいっぱい呑めるギタリストも多いと思う。しかし私の限られた経験から言っても、杢が派手に出ているネックは狂いやすい。
 USACGで何度かネックをOrderしているが、カスタマーサービス担当の気のいい兄ちゃんであると思われるTommyはいつも”軽い杢にしといたほうがいいよ”と言っていた。Warmothで買うときは、得にShowCaseとかでは”すげー美しいぜ!”とか宣伝しているようだが、購入に当たって実際にWarmothのスタッフから杢についてアドバイスを受けたことは無い。スタッフは皆詳しいに違いないのだが。
 私が持っているおかしなコレクションの中でいくつか紹介をしてみたい。
1.Warmoth Telecasterの、半分トラ、半分トリの珍しい杢を持つネック ネック自体が太いことと、強いトラスロッドが仕込まれているため、ゆがみとは無縁。ものすごく強いネックだ。
2.USGCGのトリ目ネック。グリップが自分の手にぴったりで吸い付くよう。大切にしている。このネックにドリルを入れるときは、歯がまっすぐに進みたがらなかった。一般に、杢のある材は、加工性が悪いので注意が必要だ。
3.Warmothのウォルナットボディのストラト。大昔、安売りをしていたので手に入れたのだが、時を経るにしたがってボディ全体にトラが浮き出てきた。こんなこともあるんですね。
4.WarmothのSuperwideNeck。これは練習用に購入した、機能第一に選んだネック。指板はエボニー、ネックは正目でぶっといトラスロッドが仕込んである。つや消しラッカー仕上げにしてあるのだが、使い込むにつれてぴかぴかになってきた。そうしたらタイガーがこんにちは、、、。正目は杢が出にくいはずなのだがなんということだ。このネックは十分に強いのだが、杢が出ない部分のほうはより強度は高いのかもしれない。
 皆様はこういうの好きですか?私はけっこう好きです。
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My personal story with Heritage Guitar Inc. [音楽]

Heritage H575Custom.jpg
某国の田舎に住んでいたころ、過酷な修行をしているような毎日が続き、おかしくなりそうだった。後から考えると、実際少しおかしくなっていたのだと思う。現実逃避?のためにJazz ギターを始めようと考えた。それできちんとしたジャズギター、いわゆるフルアコを一本購入しようといろいろと調べた。これは楽器大好きな私にとってとっても楽しい作業だった。

お金が沢山あるのなら、新品の高価なGibsonを買ってしまえばよいのだが、はずかしながら手元不如意であり、ブランドはどうでもいいから、品質が高い、自分に合うものを探すことにした。しかしせっかく某国にいるのだから、安くても高品質が約束されている日本製の楽器を買うのはナンセンスだと思った。それで、米国製の楽器の中でもコストパフォーマンスが高いと思われるものを選択することにした。

浮上したのがHeritageというブランドだ。これはGibson発祥の地、Kalamazoo(インディアン語か何かなのだろうか?)で、いまも手作りで楽器を作っている会社なのだという。Webなどで調べていると、GibsonがKalamazooを去るときに、数名の職人たちが様々な理由で現地に残り、古くなったGibsonの工場を買い取って新しいブランドとして立ち上げた、という歴史を持った会社とのことであった。いまもGibsonの数々の名器を生み出した古い設備を使って、昔ながらの方法で年をとった職人たちが、若い職人たちに仕事を教えながら楽器を作り続けているのだという。なかなかいい話ではないか。いろいろと書かれている楽器のレビューに目を通してみると、手作り感のある、いい味を出した楽器を作っているという評価だった。俄然興味がわいた。

無謀にもHeritageに直接電話をしてみた。楽器を直接売って欲しいとお願いしてみた。しかし地元の代理店を通してくれないと売れない、とのこと。やはりいろいろとしきたりやしがらみがあるのだろう。仕方が無い。地元の小さな楽器屋さんに行ってみたが、”シリアスなJazz Guitarは扱いきれない”と断られてしまった。ラスベガスにある楽器屋さんから取り寄せてくれるというが、高価な楽器を触ってもみないで大金を払って購入する気にはとてもなれなかった。それで車を飛ばして3時間ほどかかる大都市に行ってみた。日本では都会生活者である私も、某国では完全な”田舎もの”であり、治安の悪い地区に知らないうちに入り込んでしまい、肌の色が濃い目の人たちに取り囲まれてヒジョーに怖い思いをした。死ぬかと思った。

それで結局車で1時間位の地方都市にあるOpenしたばかりの楽器店に行ってみた。小さな寂れたモールの一角にあるこの楽器屋さんは、鉄道会社に長く勤めたというJimという頑固ジジイがはじめた楽器屋さんで、箱物メインで高級志向のお店だった。手作りの、なんだかわけのわからないマニアックなブランドの楽器ばかり扱っている。何度か通っていろいろな楽器を見せてもらった。しかし予告なしに突然お店を閉めるので、延々と1時間ドライブしてお店が閉まっていたときはずいぶんとがっかりしたものだった。そこでHeritageを扱っていた。

あるときJimが、H575CustomをSaleに出すが、興味はあるか?と聞いてきた。それですかさず”出来がよければすぐに買うよ”と答えたところ、すぐに倉庫から楽器を出してきた。知っている人は知っているだろうが、欧米の楽器店では客が楽器を好き勝手にがんがん弾きまくる。日本のように楽器を丁寧に丁寧に扱ったりはしない。シャツのボタンやベルトのバックルでがつんがつんやりながらがんがん弾く。楽器を愛する私には、心を痛めるような恐ろしい光景が楽器屋さんで展開されるわけだ。だから楽器屋においてある売り物の楽器であっても、ぴかぴかに磨き上げられて傷一つ無い、という状態で売られているわけではない。ガツンガツン、ギコギコと毎日やられているわけなので、小さな傷が沢山ついていると思ったほうが良い。小さなへこみなど、日常茶飯事だ。

というわけで、Jimが出してきた黄金色の楽器を、日本人の陰湿な目線でしげしげと観察した。ヘッドからエンドピンまで、ねちねちと観察した。悪くないと思った。メイプルでつくったピックガードにピッキングの後が沢山ついていたけれど、これは仕方が無い。楽器は弾くものなのだから。それ以外には目立つ傷も、へこみも無いようだ。弾いてみるとジャズギターというよりも高音成分が目だつフォークギターのような音がするが、これは張ってある弦がラウンドワウンドだからだろう。これは買いだ。購入の意思を伝えると、数日で念入りに調整をしてから渡したいという。なかなかヨロシイ。いい対応だ。現金で買うといったらびっくりしていた。普通の某国人は金銭的には渋いからねえ。

こんな流れで念願のJazzGuitarをやすやすと手に入れた。約束の日は雪の中を慎重に運転し、小切手を切ってお金を払い、楽器の状態をもう一度仔細に観察してからケースに収めて、事故らないようにゆっくりと運転して自宅に帰った。そうしてケースが室温になじんでからゆっくりとあけ、心ゆくまで新しい愛器の音色を楽しんだ。この楽器はボディが全て虎杢のでたゴージャスなメイプルの単版で作られているが、これはピックアップを使うことが前提の、あまりボディが鳴らない感じの楽器にするための手法なのだろうと考える。合板は避けたいが、ボティはあまりがんがん鳴らしたくない。ハウるからね。しかしスプルース単版をトップにした楽器のような神経質さは避けたい、、、。だからトップまでメイプル?多分そうだろう。

デッドな鳴りを期待したのだが、それでもかなり大きな音で鳴る。フルアコ的というよりはフォークギター的なチリンチリンガツガツとした音だ。この印象は不思議なことだがフラットワウンドに張り替えてみても変わらなかった。好みの問題はあるが、値段と比べて望外の品質だ、と思った。ネックががっちりとして太い弦を張ってもびくともしないのがステキ。私は巨人なので、ボディが比較的小さいことだけがちょっと残念だ。しかし弾いていても、眺めていても、ステキな楽器を手に入れた、と暫くはすごく幸せな気分だった。

数日後に、Openコードをじゃらじゃらとかき鳴らしてみたところ、変な音がする。なんだか奥のほうで”ウイーン”とかいう響きが聞こえる。どこから聞こえてくるのかわからない。これは問題だ。内部を覗いてみたり、いろいろとやってみたのだが、奥のほうまでは様子がわからない。フルアコの穴は小さいからね。新品で保障が効いているうちに楽器屋さんに相談するのが得策、と判断して電話をしてみた。しかし例によってお店が閉まっている、、、。Jimが旅行に出たとかで、暫く連絡がつかず、ずいぶんとやきもきさせられた。この”ウイーン”はどんどん大きくなり、そのうちこの楽器を弾くのがつらくなってしまった。

1週間ほどして、ようやくJimと連絡が取れたので楽器を持って隣町にDrive。Garyという小柄で気のいいじいちゃんが面倒を見てくれた。いろいろとやってみたのだが、やはり原因がわからないという。この人は某国人としては人当たりがよく、仕事が丁寧で、信用できそうだと判断して楽器を任せることにした。数日後にGaryから連絡が来て、彼が言うにはトップ裏の力木がはがれているのだという。それ以外に指板などにもいくつかの問題が見つかった。残念だ。しかし外国製品を購入するときは良くあることなので、あきらめずに交換を要求した。するとJimが渋い顔をする。何故だ?結局Jimに勧められて?Heritageに直接電話をすることになった。それも店先からみんなが聞いている前でだ。結構緊張して、怪しい言葉を操ってBill(だったと思う)と交渉した。Billが言うには、”とにかく楽器を見せて欲しい。任せて欲しい””気に入らなければまた相談に乗る”とのことであった。JimがHeritageまでの楽器の搬送を引き受けてくれたので、Kalamazooに楽器を送って直してもらうことにした。”時間がかかるのは許して欲しい”というので、これは容認することにした。結局数週間待って、楽器が帰ってきた。例によって1時間運転して、楽器を取りにいってみると、これはひどい、指板もフレットもボディも傷だらけだ。誰がどんな作業をしたんだろう?満身創痍というやつだ。力木のはがれは直してくれたみたいだが、こんなになってしまった楽器を大切に弾いてゆく気にはなれなかった。再びBillに電話をし、対応をもとめた。そうすると、驚くべきことに、謝罪と共に、”気に入らないなら仕方が無い、やり直すよ”と、楽器を新しく作り直してくれるという。お礼を言って電話を切ると、Jimが言うには、”こんなこと初めてだ。ギター会社はたいてい自分たちの非を認めない”とのことであった。おそらく運が良かったのだろう。Billの機嫌が良かっただけなのかもしれないが。

2ヶ月待った。今度は楽器を直接自宅に送ってもらうことにした。

とある午後、いい加減な郵便局のいい加減なアンちゃんが、大きな汚れたダンボールをガッツンガッツンいろんなところにぶつけながら持ってきた。まさかこれが?そうだこれがオレのギターだ。びびりながら箱を開けてみた。ケースは丁寧にダンボールや発泡スチロールで保護されており、それがさらにダンボールに入っているため、おそらく中身のダメージは無いだろう。びびりながらケースを開ける。ぷーんと木のよいかほりがする。やっぱり新しい楽器は、、、ではなく、ケースのなかにマホガニーと思われるきの削りくずがたんまり入っている。木のかほりがするわけだ。何故?楽器の表面を傷つけるといけないので、丁寧に丁寧に捨てた。すると黄金色の楽器が現れた。全身虎杢びんびん、ふかい黄金色にかがやいている。工場直送だからあたりまえだが完璧なコンディションで無傷だ。さっそく弾いてみる。弦は意外なことにラウンドワウンドが張ってあり、これがHeritageの標準のようだ。ネックはあくまでもまっすぐ。フレットの処理も丁寧で指が引っかかるようなことは無い。前の楽器は指板のインレイがすこし本来の位置からずれていたのだが、今度のはほぼ完璧だ。やっぱり本物の貝はきれいだ。ラッカーを厚めに塗ってあるためか、さわるとなんだかぺとぺとしている。いい味を出している。抱きしめて奏でてみると、やはりフォークギターのような高音成分が多い、泥臭い音だ。しかしいい感じに木の音がする。ネックは今度のものはあまり太くないが、Fenderと比べて短いスケールなので全体として手になじんでくる感じだ。真新しい、木のかほりがする、自分だけのために作られた新しいJazzGuitar。最高だ。

Heritageに礼状を書き、”最高だ。死ぬまでHeritage以外のギターは買わない。”と伝えた。当然先方から連絡は来ないけれど、新しいギターを買ったことは今に至るまでない。その後何本もギターを作ったけれど。この楽器はツアーケースに入れて日本に持ち帰り、今でも片時も離さず暇さえあれば愛でている。絶対に誰にも触らせない。

ありがとう、Heritage。


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Billがいなくなった-3 L280TN & L290TL [音楽]

Billがいなくなった-3 L280TN & L290TL

PB230318.JPGおそらく多くのTele好きの人たちは、TeleのキョーレツなリードPUの音が好きなのだと思う。ブリッジの構造とスティールギターのような音色を持つ独特のPUによって作られる、トレブリーでガッツのある音だ。たしかにこれはいい。しかしこの音をそのまま生かすのは、とっても難しい。アンプにつないで弾いてみればすぐにわかると思う。一方、オリジナルでは”パワーが足りない””リードとつり合わない”と不評をかこっているネックPUなのだが、これが個人的にはイケルと感じている。たしかに力はないが、ナチュラルでウォーム、やさしくささやくような音が、Jazzyな音楽には合うのではないか。実際に単体のPUを手に取ってみると、情けないほど小さく、細く、頼りない。しかし現代のアンプの能力をもってすれば、どんなに小さな出力でもノイズを増やさずに増幅することは造作ないことなので、トーンさえよければそれでよい、ということになる。ただしPUの出力が弱い場合は、ローノイズであることが必須なのだが、BLのPUはこの要求を余裕で満たしている、と思う。しかも良心的な価格設定がされている。このPUのトーンが気に入るのであれば、これを買わない手はない。前にも書いたが、全体につくりがやや繊細な嫌いはあるが、隅々まで気を使って作ってあり、私が手に入れたものは、幸いにしてBillの手書きのサインまでしてある。モデルネームもボールペンで手がきだ。いい味出している。ベースプレートの成形がちょっと雑だったりするが、愛着の持てるPUだ。

PB230319.JPGBillの手書きのサインがはっきりとわかる。ほかのモデルがどうなっているか、後で調べてみようと思う。



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リードPUはBeckyのお勧めでこれを購入した。なかなかいい面がまえだ。PUを固定するためのねじは、非磁性体とのことで、試してみると確かに磁石がくっつかない。やや細いことがちょっと心配かな。固定にはばねを使わず、医療器材レベル?の高品質なゴムチューブがついてきた。これは購入してからずいぶん時間が経っているが、ねばねばしたり、溶けてしまったりするようなことは無い。確かに経年変化には強く、いまでも触ってみると、プリンプリンしている

PB230315.JPGBillは確かドイツで生まれてアメリカに移住した人、と記憶しているが、裏側には誇らしくアメリカ製、と記載されたシールが貼ってある。

このように、BillのPUは、家内制手工業的な会社で製造された、とっても個人的な感じの、制作者の息遣いが感じられるような製品なのだ。しげしげと眺めていると、なんだかいい音が聞けるような気がしてまたいくつか欲しくなってしまう。そんな魅力のあるPUたちなのだ。こいつらを、今度組み立てるTeleに乗せて、もう一度歌わせてあげたいと思っている。

次回は多分ブリッジのことを書きます。
to be continued
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Billがいなくなった-4 Joe Barden Tele Bridge [音楽]

Billがいなくなった-4 Joe Barden Tele BridgePB230323.JPG

Teleの音に関して、ブリッジはめちゃめちゃ大切なパーツだ。自分のギターのブリッジを代えてみればすぐに身をもってわかる。個人的には、ブリッジのプレートに関しては、材質と厚さが大切だと考えている。ブリッジの駒も、負けず劣らず大切で、形、重量、材質の全てが音に影響するように思われる。ものすごく違う。違う、ということはわかるのだが、残念ながらどんなブリッジが自分に合っているのかわからなかった。いろいろと試してみるしかないと思い、大枚をはたいてきた。Teleのブリッジは、オリジナルは2本の弦を一つの短い棒で支える、という、ちょっとびっくりするような経済的なつくりになっており、原理的にオクターブピッチが合わないことは、誰でも理解できよう。なんでこんなことしたのか?Fenderさんは何を考えていたんだろう。わからない。しかし多くの達人Playerたちは、このブリッジを代えるべきではないという。これがTeleの音の秘密なんだ、とのことだ。6Wayの、ストラトのような駒に代えれば、チューニングの問題が回避できることは火を見るより明らかだが、そうしたことで失うものは多い、と先達は語っている。本当か?多分本当だ。しかし目をつむって音を聞いて違いが判るのか?自信がない。多分私にはわからないだろう。隣り合う弦同士が響きあい、豊かな響きを生むとか?今一つわからん。そういえば、最初に手に入れたTeleには、6Wayの棒のような形の駒が使われたブリッジがついていたなあ、、、。プレートも駒もブラスだったと思う。明るくノー天気な音がしたように記憶している。


私自身、初めてTeleをアセンブルした時は、”品質第一、ブランドは完全無視、自分の目と手を信じていい楽器作ろうぜ”という原則で作ったため、ブリッジは、通常のものよりやや分厚い(よくbeefyと表現されている)、Gotohの6Wayの駒がついたブラスのものを選んだ。キースリチャーズの有名なTeleについている奴とクリソツだ。日本製なのでつくりは完璧で外見も非常に美しく、金色のメッキがかけられている。チューニングは当然ばっちりで、重量があるためか、音のニュアンスをちょっとだけ出しにくいような気がする以外、何の問題もなかった。それも多分に気のせいなのだろう。値段に比べて望外の品質で、満点に近い製品だ。さすが日本製品。このブリッジを付けたり外したりして、いくつのPUを試したことだろう。長年使っても駒が多少減るくらいで壊れるものではないので、今でもその美しさを保ち、自作Teleのブリッジとして現役であり、なかなか侮れない素晴らしい音を紡いでくれている。

これまでにいろいろなブリッジを試してきた。上記のGotohのもの(何の文句もない)、フェンダーのオリジナル(これはいい味を出しているのだが加工精度が低く、とても大事な楽器に取り付ける気にはならなかった。ねじ穴がずれていたり、三角だったりするのだ。やすりのあとも残っていたり、ひどいものだ。6Wayのものも持っているが、弦を張ると駒が斜めになるのがどうにも気に入らなくって死蔵している)、Warmothで売っている美しいノーブランド製品(これにも何の文句もないが、なぜだか外見が気に入らない。細部のデザインの問題かもしれない。金と黒の組み合わせはちょっとグロイかも)、最近出たチタンサドルがついたやはりGotohのもの(現存するものの中では、これが最高ではないかと思っている。自分の好みの音が出るような気がしている、しかし値段が高い)、それから今回紹介するJoe Barden。倉庫には使っていないブリッジが少なくとも5-6個は眠っているのだが、今回のProjectにはどうしてもJoe Bardenのものを使おうと考えている。加工精度、材質、品質の総合管理など、やはりペグやブリッジはGotohのものが世界一なのではないかと個人的には考えているのだが、今回はどうしてもJBのものを使いたいのだ。それは自分の中で何となくBillとつながっているような気がするから。おぼろな記憶によれば、FenderがDannyGattonモデルにつかうPUが、(おそらく)JoeBardenがビジネスに失敗して供給できなくなったとき、Billがピンチヒッターになってブレード型のPUを供給したことがあった筈だ。二人が個人的な知り合いであったかどうかは知らないが、Billの作品を、Joe Bardenのブリッジに乗せてみたいのだ。

このブリッジは、様々な工夫が凝らされ、作られている。加工精度は国産よりやや落ちる印象だが十分に高品質。プレートには誇らしげにJoeBardenと掘り込まれている。オリジナルと比べてやや厚めのプレートは鉄製で、厚めのメッキがかけてある。叩いてみると、オリジナルのようなかんかんといった響きではなく、ごつごついうだけ。機械的な強度はかなり上がっているようだ。右手の指を駆使するFingerPlayerのために、サイドウォールを削り込んであり(こうしないと指がぶつかってしまい、爪を痛めたりする。やってみるとわかるが、これは結構痛い)、プレートのネック寄りの部分を浮かせないために、小さなねじを二つ追加してあることも大きな特徴だ。最大の特徴がオクターブを合わせるためにスラントさせた駒なのだが、それだけにとどまらず、駒の下部を削り込んで一弦と六弦を必要があれば十分に下げる工夫もなされている。駒を削り込むことでずいぶん音がかわるのではないか、と思うが、機能的にはこの方が良いのは明らかだ。この3つの駒はブラスでできており、厚めのスチールプレートと相まって、深みのある、ほぼ伝統的な音を作る礎になっている。音を大きく変えない範囲で、現場の要請にできるだけこたえるように渋い改良がなされている、といった印象のブリッジだ。


駒に刺さったボルトの頭が何故かマイナスだったり、ブリッジと一緒に供給されたねじの頭が、ブリッジに開けられた穴と角度的になじまなかったり、多少の問題がないわけではないが、全体としてかなり気に入っているブリッジだ。ブリッジの端に開けられた小さな穴を使うかどうか、、、、使えばおそらく音も変わってしまうだろう。しかしブリッジの浮きを改善できるのは大きい、、、。また、駒をスラントさせることによって弦の感覚が微妙に変わってしまうことも弾いていて稀に気になる。間隔が微妙に均等ではないのだ。ブラスの駒はやや柔らかく、弾いているとけっこう早めにすり減ったり傷ついたりすることも、気にならないではない。マニアックに考えると多少の問題はあるが、今回はこのブリッジを使おう、と決めた。


次はおそらくペグの話を書きます。
ギターの話を続けます。
to be continued


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Billがいなくなった-5 Gotoh SD510 [音楽]

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ペグもまた非常に重要なギターの構成要素で、その良し悪しによって楽器の印象ががらりと変わってしまう。しっとりとした手ごたえの、正確な歯車を持ったペグをつければ、安物のギターでも、音さえ出さなければ高級な印象の楽器になる。

私はソリッドの場合、Fender系の楽器、とくにTelecasterにしか興味がないため、使えるペグの選択範囲はあまり広くない。また、様々な理由で、できればストリングガイドの使用を避けたいと考えており、各弦のテンションをそろえるため、特に高音弦のテンションを稼ぐために、ペグの軸の長さが均一でないものを選ぶ必要がある。つまりナットからペグまでの角度を、ペグの軸の長さを変えることでそろえる、ということだ。弦の巻き方を工夫することでも同じ効果が得られるが、これはなかなか難しく、現実的には思ったように弦のテンションをコントロールすることは不可能に近い。実際にやってみればすぐわかることなのだが、普通のTelecasterの高音弦をストリングガイドから外してチューニングしてみると、1-2弦あたりのテンションがべろんべろんにゆるくなって、激しいチョーキングなどをすると、すぐにナットから弦が外れてしまう。だから弦の巻き方とか、ペグの軸(ポスト)の長さを調節するなどしないと、きちんとした楽器にはならないわけだ。このあたり、本当にLeoFenderはよく考えて楽器を作っている。天才的だ。すごいと思う。

ともあれ、私が数年前、楽器を作り始めたころ(アセンブルだけだが)に使い始めたのは一番上のシャーラーのものだ。ストリングロックがついているので何度も弦をポストに巻きつける必要がないので気に入っていた。しかしポストの長さの調節ができず、ギアがスムースでなかったり、ペグのボタンの辺りに入っているトルク調節のためのワッシャーがついていないものがあったり、品質管理が不十分で、何より重くって大げさで、音がかわってしまうような気がして、(実際にクルーソンと取り替えてみればわかるのだが、ヘッドの穴の大きさを変える必要があるので面倒で検証していない)その後使わなくなった。

SD51.jpg昔PSGのMoodブランドのギターを購入した際に、クロコダイルロックチューナーというのがついていて、これはルックスは普通のクルーソンとほとんど変わらないが、コインで弦をしっかりとロックする機構がついているという優れもので、チューニングするフィーリングもなかなかよかったのだが、その後パテント問題とかでディスコンになってしまったことを知った。いまはもう手に入れることは出来ない。それで同じようなものを探して、Gotohのロックチューナーを使っていた(クロコダイルもGotohが製造していたのかも。未確認)。これはとてもいいもので、今でも機能的には何ら不満はない。しかしポストの調節機構がついていないので、適切なテンションを得るためには、上記のように弦の巻き方を工夫するか、そうでなければやはりストリングガイドを使う必要があるわけだ。

それでその後探し当てたのが、やはりGotoh製のSD510だ。この会社は製品ラインの最高モデルにGotoh(510)とつける、などというオヤジギャグをかましてちょっと下品なのだが、個人的にはその品質は世界一だと考えている。ペグというのは機械なので、正確、機能的、軽量、品質が安定、という、日本が得意とする分野のど真ん中の製品であり、当然瞬く間に世界を席巻して、世界中で使われている。日本車と同じだ。Gotoh以外のペグを、今の私は使おうとは思わない。単品で購入すると、ちょっと高いけれどね。Gotoh510.jpg
これはポストの高さを自由に設定できるため、1弦のポストを思い切り短くすれば、何とかストリングガイドを使わなくっても大丈夫だ。ただしナットをべたべたに低くすると、残念ながらテンションを確保できないけれど。

Gotohのクルーソン系モデルを使うときは、付属のねじくぎを使うと途中で折れてしまうので絶対に使うな、という都市伝説?がある。私自身、一度これでひどい目にあったことがある。しかしネックの材質に合わせて、適切な下穴をあける手間さえ惜しまなければ、全く問題ない。メッキの色や耐久性、金属の質など、私自身はむしろ付属のネジの品質が高いので、他のものを使うメリットは感じない。売ってくれるものをそのまま使うべきだ。だってGotohは世界一の会社なんだぜ?おかしなねじなんて供給するわけがない。一本折って、よそで売っているものと比べればわかる。もう少し粘りのある、折れる前にすこし曲がるような金属を使ってもよいのかもしれないけれど。ともあれ、SD510を見つけてから、ペグの選択に迷うことは無くなった。ポスト長調節機構がない、ロックだけのものでも十分に素敵だと思っているが。

次は、時間があるときにボディについて書いてみようと思う。
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Billがいなくなった-6 Warmoth Vintage Telecaster Body in Sonic Blue [音楽]

Billがいなくなった-6 Warmoth Vintage Telecaster Sonic Blue
Warmoth.jpg WarmothのIn Stockから、可愛い水色、かつ、できるだけ軽いSwampAshのボディを購入した。Teleのボディは、いろいろな選択肢があるとは思うが、基本はやはりSwampAshであろうかと思う。かつてはAshにも軽いものと重いものがあることなど、あまり情報が出回っていなかったが、最近は楽器好きはよく知っており、野球のバットなどに使われる、重いもので作られたボディはあまり売れないようだ。物の本によれば、50年代に安く手に入りやすかった木材を使った結果であり、それが現在はなんだか伝説的に伝えられ、TeleはSwampAshでなくっちゃあ、などとしたり顔で皆が語っているというわけだ。ラッカーフィニッシュなんかも同じで、当時のクルマの塗装に使われていた塗料を応用しただけなのだが、今ではラッカーでない楽器は高く売れない、というわけのわからない状況になってしまっている。最近SwampAshが枯渇してきた?ためなのか、さらなるお金儲けのためなのか、Pineなどで作られたボディが結構売れているようだ。とにかく軽めのSwampAshがTeleの基本であることは間違いがない。 かつてのWarmothのTeleボディは、Patentの関係?等でFenderのものとは故意に細部を変えてあり、よく見るとなんだかちょっとダサい感じであった。全体になんというか”丸い”印象を与え、個人的には”渋さ”が足りない形をしていると感じていた。ジャックのところの丸さは、自分としては特に残念であり、楽器をアセンブルするときにも作業しにくい感じだった。ボディの角の丸さ(昔のFenderに比べて角を大きく丸めてある)については、演奏上が向上してあばら骨が痛くないため(最近はデブになったのであまり感じなくなったが)個人的には気に入っていたのだが。 Hump.jpgWarmothがVintageと称して、Orignialに近づけたボディを売り出したのはもちろん知っていた。カットアウェイのあたりの昔のルーターの機能が低かったためにできた”瘤”や、 NeckPocket.jpg ジャック.jpgジャックの部分だけ直線が残されていること、PUの座繰りがやや浅いこと、ワイヤーを通すためのチャンネルが、表から掘られていることなど、Originalにかなり近づけてある。しかしコントロールキャビティの幅がやや広めであること等、現代的なアレンジは多少残されてあるようだ。

ファレル.jpgこのようにファレルはフラットに埋め込む仕様になっているのだが、おとくいさんであると認識してくれたのか、購入したファレルは、なんとありがたいことに、あらかじめしっかりとボディにインストールしてくれてある。ありがとうWarmoth!ちなみにこれは結構大変な作業で、塗料を削ったり、ファレルを押したり引いたり、また半田ごてで塗装を溶かしたり、と、きれいに仕上げるためには大変な作業なのだ。仕上がりはなかなかよく、大きなプレスで圧入してあるようだ。塗装の感じから判断して、熱は使っていないようだ。SwampAshは柔らかい素材なので、多少の無理は受け入れてくれるため、こんなことが出来るのだろう。(固いウレタンを乗せて狭くなった穴にファレルを圧入しても、それなりに収まってくれる、ということ。メイプルボディだったらとてもこんな風には仕上げられない) Pre.jpg今回のプロジェクトでは、WarmothのボディにUSACGのネックを仕込むことを計画しているのだが、USACGはWarmothの元従業員が、より自分たちが納得のゆく仕事をしようと起こした会社であることは有名だ。おそらく元従業員たちはWarmoth社と喧嘩別れか何かの形で袂をわかったのだろう。ともあれ、両者のパーツを無理やり合わせて楽器を作ると、”不幸なことがおこる”などと言われている。本当か?私の場合は本当だった!!! 塗装をやり直してへこみを埋め、きれいに仕上げたUSACGのネックなのだが、これがWarmothのポケットに収まってくれないのだ。ネックの塗装が厚いためなのだろう、おそらく。計測してみると、両方ともきっちりとFenderスペックで仕上げてある。しかしネックが塗装でやや太くなり、ボディのポケットが塗料を吸ってやや狭くなっているということだろうと考えた。Pre2.jpg スクレイプ.jpg それでまずは、カッターの刃をスクレイパー代わりに使って、すべての塗装をポケットからこそげ落とした。時間をかけてショリショリと処理した。綺麗になったポケットをもってしても、残念ながらネックを受け入れることは出来なかった。残念だ。それで仕方がないので紙やすりを使って少しずつ少しずつポケットを削り、それで何とかWarmothとUSACGを結婚させることが出来た。ポケットがタイトすぎるので、近いうちに塗装の一部が割れるかもしれないが、それでも良しとした。 Finish.jpgこれが最終的なポケットの仕上がりだ。キャビティの中をよく見てみればわかると思うが、木取りが適切ではなく、表面から裏に流れる木目が(表現困難)出来るだけ平行であることが望ましいのだが、斜めになってしまっている。真ん中でブックマッチにはなっていないため、おそらく3Pieceのボディなのだろう。木目がやや疎であることがちょっとだけ気になるが、軽くって木目がつんでいるものなど滅多にあるものではない。手元にあるUSACGのものは、やや特殊なカスタムボディなのだが、目がすごくつんでいるかわりにやはり重い。それは仕方がないことで、トレードオフなのだろう。 えらく苦労したが、これで次の作業に取り掛かることが出来る。 ボディの加工を続けようとおもう。
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Billがいなくなった-7 Electrosocket with Switchcraft Jack [音楽]

Billがいなくなった-7 Electrosocket with Switchcraft Jack

Electrosocket.jpgElectrosocket2.jpg
Leo Fenderはすごい。Telecasterは販売されたとき既に完成された楽器だった。それは歴史が証明している。50年以上前に開発された楽器が、今でもそのまま使われているなんて、、、。それも初めて作られた電気ギターなのだ!(初めて、というと文句を言いたくなる人もたくさんいると思うがここでは触れない) 唯一の問題が、アウトプットジャックだ。演奏の度ごとに抜き差しを繰り返すジャックは、鉄の板切れを木製のボディに突き刺すことで支えられていた。これは設計上無理があることは明らかで、長年Teleと付き合っているおそらくほとんどの人が、アウトプットジャックを修理していることがそのことを証明している。この部分はどうしたらよいのか?答えはあるのか?多分既に解答は得られているのではないかと思う。

ギタリストは伝統主義的でブランド信仰が根強い。むしろこのあたり、ベーシストのほうが柔軟であり、たとえばスタインバーガーなどはベースから浸透していったことは記憶に新しい。ベーシストたちがすっかりなじんでしまった後で、ギタリスト達がおずおずと手を伸ばした、という構図だ。というわけで、今でも”Originalを変えることは悪”といった教条主義的な考え方に基づいて、多くの人(ギタリスト)たちが昔風のジャックをインストールしたTeleを弾いているように思う。そういう私も例外ではない。しかしTeleも楽器である以上、故障が少ないほうがよいわけで、Output Jackについては、少なくとも改善することが望ましいと考える。

それで今回のElectrosocketだ。おそらくこれが模範解答で、これ以上のものを見たことは無い。初めてこれを使った時はWarmothのボディにインストールしたのだが、WarmothのVintageではないStandardなTeleボディであったため、ジャックをマウントする部分が丸みを帯びており、どうやってもElectrosocketの座りが悪く、作業は困難であった。結局わずかにElectrosocketが浮いてしまうことを容認せざるを得ず、ずいぶん気持ち悪い思いをした。WarmothのWebサイトでさえ、そんな風に煮え切らない形でインストールされた写真が示されてある。ここを自分の手で、やすりを使って平らにしてしまうことも考えた。これは有名な話だが、やすりで削るための十分な木部が残されていないため(米国人たちはMeatと表現しているようだ)、平らにすることもできず、今もその自作TeleはSocketがビミョーに浮いたままだ。

幸いにして、今回は初めてVintageボディを購入したため、そういった心配は皆無だ。インストールは、これもまた、スプレーで厚く塗られた塗料を削ってはめ込むことになる。Socketの質量が大きいため、半田ごての熱量では、塗装を溶かすことが出来ないのだ。だから塗装をしこしこと削ってあげるしか手がない。ボディの直線部分に落とし込んでからねじ止めすることになるのだが、これは円筒形の穴に斜めに正確に穴をあけることが要求されるため、なかなか厳しい。いつもはドリルで一瞬にして片づけてしまうのだが、今回は試みにマニュアルで穴をあけてみる事にしたい。Socketを挿入する穴は、大きなリーマーで広げる。リーマー.jpgこのやり方がどうも一番きれいな仕上がりになるようだ。その後、完全なマニュアルでねじ穴をあける、、、、結構上手にできた。正確な穴を金属に開けるなら、一杯やりながらピンバイスを使うに限る、と秋葉の工具屋のオッチャンが昔教えてくれたのだが、木工でもピンバイスはなかなか使い出があるとみた。electrosocket3.jpg

このところ疲れているので、本日の作業はこれくらいにしようと思う。
楽器をいじるときは無理は禁物だ。体力気力が充実している時だけ、無理しない範囲で楽しむことを勧めたい。

ボディの加工を続けようとおもう。あとは穴あけと導電塗料の塗装で完成だ。ネックのポケットはもう少しいじるかもしれない。
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Billがいなくなった-8 シールディング [音楽]

Billがいなくなった-8 シールディング

shield.jpg

いろいろな人がいろいろなことを言う。シールド処理をすると高音成分が失われる、とか、銅箔はよいがアルミ箔はだめだ、とか、みなさんデータもなしに感覚とか思い込みだけで話をしているように思われる。PUで発生された信号が、その後信号が流れてゆく空間にノイズが入らないようにすることで(導電体で囲うことで)、信号の成分が失われるのだろうか?あまり科学的な話であるとは思われない。確かに最終的にサーキットのアースがシールディングにつながれた場合は、物理的に結合されているわけであるから影響は避けられないだろう。しかしそうでない場合はどうだろうか?やはり関係ないだろうと思われる。実際に私がどうしているか、というと、サーキットのアースに、しっかりとシールディングを結合している。そのほうが聴感上ノイズが少なくなるからだ。双方のやりかた(導電体をアースに落とすOr落とさない)を比べた場合、大音量で比べることは出来ていないが、音質に差はない、と私の耳は判断した。この手の問題に詳しい方に答えを教えていただければありがたいのだが。

私の場合、とにかくローノイズということを重視する。これまでにアセンブルしたすべての楽器はシールド処理をしてきたし、きちんと処理できにくい場所は、あらかじめシールド線を使ってきた。年代物の配線を用いるのは話としては大変面白いが、私はできるだけ新しい、しかもできるだけ国産のものを使うことにしている。日本製品の品質管理は間違いなく世界一だから。ただ一つだけ気を使っているのは、許される範囲で太めの配線を用いる、ということだけだ。かつてスピーカーコードを同じ純度の金属、同じメーカー、同じ被覆で作られたものをとっかえひったえ使ってみたところ、誰が聞いてもその差を感じられるくらい、大きな音の変化があったからだ。特別高価なシステムを使っていたわけではない。それでも別のシステムで音を鳴らしたくらい、違いがあったのだ。残念ながらオシロとか、スペアナとか、科学的に測定した値に基づいて話をしているわけではないが、あまりにも違いが大きく、何度やっても再現性があるし、オカルト嫌いの家人も全く同じ意見であるし、個人的には事実である、配線の太さは大変重要だ、と認識している。しかしそれ以外には全くこだわりはない。はんだは昔から、その辺に転がっているようなスパークルはんだを愛用している。

かつては厚目の銅箔テープをキャビティの内外に張り付け、すべてのキャビティを電気的に結合し、かなり厳格に配線をやっていた。オーディオの知識を生かして配線していた(一点アースとか、できるだけ美しく)。そうでないとどうしても気持ちが悪かった。しかし最近アセンブルする場合、キャビティ内は導電塗料を用いることにしている。楽だし効果的だからだ。塗料と銅箔で音が違うかどうか、私の耳では判断できなかった。また、偏執的ではあるが、塗料を塗るのが難しい、Teleのアウトプット付近には、上記のように太めのシールド線を用いることにしている。

今度の楽器の配線は、Billの手書きのサーキットを参考にして(WebSite参照。著作権の問題があるといやなので、コピペは避けた)、割とお金のかかったパーツを使って配線してみるつもりだ。
masking.jpgShielding.jpg
誠実にマスキングをして、2種類の筆を使い分けて導電塗料を塗ったのだが、きちんとした曲線が出ず、はみ出しもあったりして泣けた。導電塗料は乾燥が早く、ドロリとしているのでなかなか手ごわいのだ。何回もくじけそうになった後、諦めそうになりながら頑張り、とにかくリカバリーに成功した。どうやったかって?誰かのリクエストがあれば書いてみようと思うが、とにかくえらく大変であり、一日の作業がすべてシールディングに費やされてしまった。とっても疲れました。仕上がりはいまいち、しかし許容範囲か、、、。拡大に耐えない画像だ、、、。Shield.jpg今回の楽器は、ボディのキャビティが多いので、ピックガードを使ってすべてのキャビティを電気的につなぐことにしてみた。Leoを倣って、もっとも合理的と思われる方法とることにしたのだ。うまくゆくとよいのだが。


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Billがいなくなった-9  ペグの取り付け [音楽]

Billがいなくなった-9  ペグの取り付け
完成.jpg

その後多忙で、楽器の制作がなかなか進まない。しかし少しずつ、暇を見つけてはいそしんでいる。ボディはネジ穴をあけ、サーキットをはんだ付けすれば終了、しかしその前にネックの仕上げが残っている。ペグの取り付けだ。これは、以前は何も考えずにどんどん取り付けて、それなりに上手に仕上がっていた。不遜にも楽勝仕事と思っていた。大きな失敗がほとんどなかったのだが、何故なのか今でもとっても不思議だ。歳をとって目がダメになって失敗するようになったのかもしれない。ともかく、一度、ねじをねじ切ってしまう手ひどいアクシデントを経験してからは、いつも本当に緊張してこの作業にあたっている。あらゆる手段を尽くして失敗しないように努力している。StuMacのDanも、同じようなことをどこかで言ってたっけ。自分でやってみるまでは、そんなことはわからなかった、、、。今は骨身にしみている。

さて、ともかく上の写真を見てほしい。これが最終的な仕上がりで、自分的にもほぼ完璧で、非常に満足している。間違いなく、何度でも、このレベルの取り付けが出来るまでには、いろいろな紆余曲折があった、、、ので、少し書いてみようと思う。しかしこうやってしげしげと眺めてみると、USACGのネックはかなり素晴らしい出来だ、と感じざるを得ない。

ペグを取り付けるときは、ブッシュの取り付けから始めるやり方と、穴あけから始めるやり方があると思う。最近の私は、穴あけ派だ。というのも、以下のような失敗しない方法を身につけたからだ。それは、、、

ダメです.jpgこの写真のようにペグを置いて、穴あけの位置を大体きめて、どんどん穴をあければいいって?
それはダメです。全然ダメ。角度.jpg少なくともこうやって穴を垂直にあけることができるように角度を確認する必要があるだろう。穴の深さをそろえるために、ドリルの刃にテープを巻いて目印にする必要もある。ねじくぎの形によっては、入り口は広く、奥に行くと狭い二段階の穴をあける必要もあるかもしれない。それから、確かにポンチを使って穴あけのセンターを決める方法でも大丈夫なことは多いのだが、やはり失敗する確率が結構ある、、、、失敗すると穴を埋め木して、面一にして、塗装して、穴をあけ直し、、、という非常に”楽しい”作業が待っている。何度か経験したが、二度とやりたくない。それで私はこうしている。template.jpgアクリル加工のプロに頼んでテンプレートを作り、きっちりとあけるべき穴の位置決めをしている。こうすることで、穴あけのずれはほぼ100%、少なくとも私の場合は無くなった。穴あけ.jpgこの完璧な穴あけを見て!僅かな塗装の乱れは、穴あけに伴うものではなく、USACG出荷時からのものだ。僅かな木部のへこみは、このタイプのペグを使うときは避けられないものだ。しかたがない。Fenderの工場などは、ヘッドの形に合わせた、すり減りにくい金属製のテンプレートを使っているようだが、個人ではなかなか、、、。しかしアクリルでも十分に高い精度が出せる。0.1ミリ前後の誤差は、木部が吸収してくれる、、、これが木工製品のいいところでもあり、悪いところでもあるのだろう。

次のハードルは、ブッシュをどうやって圧入するか、ということなのだが、これもかつては結構苦労した。誰も教えてくれないしね。プロや工場では大きなドリルプレスを使って圧入しているようだが、アマチュアでこれを持っている人はあまりいないだろうし、何より都会の住宅事情が大きな工具を所有することを許さない。それでこのやり方にたどり着いた。圧入.jpgクランプによる圧入だ。りーま.jpgペグホールをリーマで僅かに拡大した上で、柔らかい木材と硬質ゴムでヘッドを保護し、ブッシュを手で押し込み、その後クランプで最後まで挿入する、という手法だ。これなら深夜でも作業できる。かつては金槌でたたいたりして金属に傷をつけたりしていたものだが、この方法で作業するようになってからは、結果はほとんどパーフェクトだ。失敗して塗装を痛めるようなことは一度も経験していない。作業中に、自分の使っているメイプルの固さ、粘り、などの質もよくわかる。今回の柾目のメイプル材は、印象としては最高に近い品質だ。いい音がするに違いない。そのような試行錯誤の積み重ねのおかげで、今回も完璧.jpgこのように完璧な結果を得ることができた、やはり、神は細部に宿る?のだ。今日の私は、とりあへず幸せだ。

ドリル一本で-錐だともっと渋いのだが-垂直に、正確に穴をあけるべき場所に穴をあけるのは非常に困難だ。私の個人的な考えでは、それはいわゆる職人技なので、習得するのに最低10年はかかると思っている。仕事なら迷わずこれをやるが、趣味ではそんな時間はない。だから頭を使って、道具を買って、乗り越えようと考える。この方向性は、エレキギター発症の地であるアメリカの職人たちの持っている方向性と親和性が高いと思う。つまり彼らの多くは”職人技”を持っていないので、工夫して、知恵を絞って、道具を開発してレベルの高い仕事を安定してこなそうとするのだ。(Fender創生期に職人技を発揮した高名なゴメス氏はメキシコ系である、ということは興味深い)これは勉強になる。趣味の領域においては、自分もこれを意識して、難しい仕事をこなし、楽しみながら音のいい楽器を作っていきたいと考えている、、、。

実はこの後職人気取りで作業して小さな失敗をして落ち込んだのだが、そのうち報告するつもりだ。
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Billがいなくなった-10 サーキットと仕上げ USACG-Warmoth Tele [音楽]

Billがいなくなった-10 サーキットと仕上げ USACG-Warmoth Tele

USACG-Warmoth.jpgゴールが見えると、ばたばたと作り上げてしまって、とっとと音を出してみたい誘惑にかられる、しかし油断は大敵だ。注意一秒傷一生だ。まあ、エレキの場合は使い込んで傷が増えれば大概の問題は気にならなくなるのだが。今回は、BillがPUを買った時に送ってくれた配線図に基づいて配線することにする。配線図はWeb上にも転がっているが、著作権の問題を避けたいのでコピペはやめておく。”Tele 3 Way”という奴だ。興味のある人は調べてみてほしい。PUをBillから最初に買った時は、配線図やら手書きのお礼のカードやらがいろいろと入っていて楽しかったものだ。手作り感満載で、いかにも家内制手工業という感じで好感が持てた。それがだんだん少なくなっていったのは、多分たくさん売れるようになったからだろう。ちょっとさみしいけれど、いいことだと思っていた。

Volumeは、お気に入りのTokyoCosmos(TOCOS)のものだ。これは無線機用?のもので、固めのグリスが封入されており、Volume奏法を好む人には向かないのだが(Tele使いの中には、Volume奏法を愛するあまりにグリスを抜いてしまう人もいるらしい)、私はそれをしないので、これが今のところ最高と思う。耐久性は折り紙つきだ。AudioAmpの世界では、Volumeによって音が変わる、と主張する人々がいて、それはおそらく本当で、なかなか楽しい込み入った議論がなされているようだが、私は触感、品質感、それから耐久性を重視する。だからVolumue本体がOpenのものは避けたいと思っている、、、しかし業界標準のVolumeは、皆様ご存じのとおりOpenで、埃が入り込むことは避けられない。最近はVolumeの裏側にはめ込む、ほこりよけのためのカバーを使う人たちもいるらしいけれど、、、。ともあれ、TOCOSが現在のところ、私の一押しだ。回してみるとわかるが、固さが気にならなければ、何とも言えない節度感があって、Volumeを回すことがちょっと気持ちいい。興味がある人、ボリュームフェチの方には是非お勧めしたい。パーツ屋さんで探せば、高くはない。Aカーブを指定することが重要だ。ここでは250kΩのものを二つ使った。一つ500円はしないと思う。

コンデンサは、古いものを使うことはお勧めできない。かつては国産のVitamine Qというやつを愛用していたのだが、最近は手に入りやすいOrange Drop一辺倒だ。これで問題ない。見た目もとってもかわいいと思う。リードの磁性体が、、、とかいう話がある?らしいが、私は気にしない。Billはここで小さめの容量のものを指定しているので、やや疑問を感じつつそれに従うことにした。100-200円くらい?安い店はあるのだが、時間がないので品ぞろえがいい高めのお店で購入した。

配線は、これもいろいろなオカルト情報が飛び交う分野と思われるが、私は古川電工のビーメックスを愛用している。昔真空管アンプのサイトで教えていただいたもので、被覆がはんだで溶けにくいことと、機械的な強度が高いことが選択の理由だ。いろいろやってみてたどり着いた結論なのだが、個人的にはギター内部の配線にはこれをお勧めしたいと考えている。被覆にもいろいろな色があって楽しめる。

コンデンサのブランドよりずっと大切、と個人的に考えているものは、Bypass回路だ。Volumeを絞ったときのハイ落ちを防ぐために、Bypass回路を付けるのだが、つけたほうがいいのかどうか、いつも悩んでしまう。基本的に、電気回路は単純なら単純なほどよいのではないか、とバカの一つ覚え的に考えている。必要な機能さえ満たしてくれれば、おそらくこれは正しい考え方だ。ギターはTeleだしね。しかし最近はアンプのVolumeを上げて真空管をガンガン働かせておいてMasterで音の大きさを調整しつつ、さらにギター本体のVolumeを極端に絞る、という音作りを覚えつつあるので、楽器が超ローノイズであることとBypass回路がついていることは私にとってほとんど必須なのだ。通常はVolumeに小さな小さなコンデンサを付けるのだが、私はマイカ(多分この呼び方であっていると思う)をおごることにした。といっても200円ぐらい。米粒のように小さいのにけっこうするんだこれが。また、Billがここに抵抗を抱き合わせることを勧めていた為、理屈の理解がついてゆかないのだが、今回はその通りにしてみた。実際の配線はスペースがないので大変だ。写真にあるように、抵抗は真空管アンプ用の大きめのものにしてみた。ごつくって頼りがいがあって格好いいと思うのだがどうだろうか?Circuit Parts.jpgたしか80kΩのものを使った。時間があれば、いろいろな抵抗を入れて違いを味わってみたいのだが、今回は断念した。そのうち暇があったらぜひ追及してみたい。安物の抵抗は売るほど持っているのだ。

私は真空管アンプビルダーでもある。ヒトから頼まれてアンプを作ったり売ったりするようなこともあるので、このところ久しく腕を振るっていないが、ハンダ付けは大好物だ。ハンダの蒸気を吸い込むとなんだか気合が入るというものだ。エレキ本体には真空管は入っていないが、私はオーディオの知識を生かしてギターの配線にいそしむことが多い。といっても大したことは無いのだが。気を付けているのはアースの取り方だ。

どういうことかというと、PUやOutPutなどのグラウンドをどう処理するか、ということだ。このあたりもいろいろな宗派?があるらしい。私の場合は、多少無理があるが、Volumeの裏側に全てのグラウンドを集め、そのうえでシールドに一点で落とすことにしている。だからVolumeの裏はハンダだらけになるわけだ。今回は、ToneからVolumeに配線したコンデンサの足をくるりとまげて、真空管アンプでいう”アース母線”のようなものを作ってみた。このアイディアは悪くなく、結果として作業性は非常に良かった。
Circuit done.jpgVolumeの上にひげのように曲げてあるコンデンサの足を、今回はアース母線として用いた。ここから、コントロールプレートに一点アースだ。全てのキャビティは確実に電気的に結合してある。ブリッジとピックガードの間に細い銅線が渡してあるのが確認できるだろうか?いつもはキャビティ内に配線を這わせて同じことをやっていたのだが、Leoにならって省けるものは極力合理的に省いてみたのだ。結果は今のところ上々と思われる。

また、BillがリヤPUの高音が耳に痛い場合は抵抗を使ってグラウンドに落とせ、と紙に書いてくれたので、それを実行してみた。これがその様子だCircuit finished.jpg横になっている茶色い筒みたいなやつがその抵抗だ。ここでは確か200kΩを使っている。これもBillのお勧めの数値だ。パーツは真空管アンプ用。

それから上に書いたBypass回路は、こんな感じに組み上げてみた。By Pass.jpg残念だが腕も視力も落ちていて、今一つ美しさが足りない、80点というところなのだが、まあ久しぶりで楽しかったのでいいことにしよう。

それで、ちゃっちゃと仕事をすすめ、コントロールプレートを閉じた。この手の作業は、準備さえできていればさほど時間がかからないものなのだ。、最後に、本来はナットを牛骨から削りだすのだが、今回はずるをして、その辺に転がっていた、昔自分で削りだして古いギターで使っていた牛骨製のナットを持ってきて、とりあえず新しい奴に取り付けて、、、弦を張って完成でーす。Finished.jpgPUの色は本来白でありたいのだが、Billから昔買ったものを生かすのが本来の目的だったのでこれでいい。3Wayスイッチもストラト用のものを使うのが好きなのだが、まあいい。黒いトップハットをとりあえずつけてみた。さらにさらに、ノブはよく見ると金色だ。いま手持ちはこれしかないのだ。これは普通の銀色のものに代える予定。注文済み。

パーツの不具合で最初リアPUの音が出なかったのでびっくりしたが、すぐに直した。ざっと(ものすごく適当に)弦高などを調整して、Fenderの小さな真空管アンプにつないで音を出してみた。音は期待通りの、”いかにもTele”という音だ。雑音は皆無。BillのPUは、音は完全にシングルなのだが本当に静かだ。アンプにもともとあるノイズも減っているような気がする。(これはおそらく錯覚)

こいつは軽くって腰に優しい。Billが言う様に、抵抗を入れたためか確かにリアPUがちょっと優しい音になっている。それでも野生の牙は抜かれていない感じでなかなかいい。やはり軽いエレキ、特にTelecasterはいいと思った。まるでFolkGuitarを弾いているように、作ったばかりなのにビンビンと鳴ってくれる、、、、頑張った甲斐があったというものだ。このGuitarは、ストラップピンを付けずに屋内練習用に使う予定、、、、。あとは一か月くらいして全体が落ち着いてくるまで待って、細かい調整を繰り返して、この楽器の持っているポテンシャルを最大限に出してあげるだけだ。ナットも借りてきたものは幅がちょっと短めなので、そのうち改めて削りだす予定。ナットの溝掘りを助けてくれる秘密のジグ?をStuMacから購入したので、それを使うのがとっても楽しみなのだ。それも記事にしようか。

この楽器は、なんというか、業界に売れ残った無印良品のような部品を組み合わせて作ったものだ。(それでも細かく計算すると、9万円近く出費している。送料を考えると安くはない。作るのが楽しくないのならやはりお勧めできない)手間暇は確かにかかったが、現行のFenderと比較して、楽器としては勝るとも劣らない、というか勝っていると思う。職人気取りでボディに穴をあけている時に、ドリルの刃で軽い傷を作ってしまった以外は、少なくとも見た目はほぼ完ぺきに仕上がっている、と思う。個人的には音質もかなりのものだ。ギターを買いに行って、お店でこれが出てきても、楽器の品質にうるさい私でも怒らないと思う、多分。軽いのに強いネックと、ボディのポップな色が最高だ。年内に仕上げることができてよかったよかった、、、。このギターで、Billから初めて買ったPUを末永く楽しんでいきたいと思っている。もう10年くらい前になるのかな、あれから。

いわゆるパーツキャスターを作るとき、作業を失敗しない方法として、自分は以下のようなことをいつも心がけている。

1)職人気取りで、”だろ勘”で作業しないこと
2)一通りの作業が終わったら、工具などをいちいち片づける事
3)一日一種類の作業のみに集中すること
4)作業にかかる前に、何をどうするか、頭の中で何度も仮想作業をすること
5)難しい作業は、テンプレートなどを作って、正確に作業できるよう準備をすること
6)見た目が美しく仕上がれば、たいてい正しくできているので、とにかく美しく仕上げる事

そんなところか?今の私の課題は、

1)完璧なナットを作ること
2)ボディに完璧な穴をあけること
3)より合理的で美しい配線を考える事

あとは大体できるようになった、、、と思いたい。

Tele一つきちんと組み上げるのはけっこうむづい。やっぱりLeoFenderはすごいと思った。

というわけで、来年も頑張って愚かな活動を続けたいと思う。



その後この楽器のセッティングを少しずつ出しているのだが、期待を上回る音が出る。弾き心地もいい。今までで最高のできかもしれない。もっとよくなるかもしれないので、期待して毎日楽しく暇さえあれば弾きたおしている。

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