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吟望 天青 朝しぼり 直汲み無濾過生原酒 1800ml 2700円(税別)神奈川県 熊澤酒造 [日本酒]

吟望 天青 朝しぼり 直汲み無濾過生原酒   1800ml   2700円(税別)  湘南 熊澤酒造

東京にも美酒があることが分かった。本当においしいと思うお酒に出会えた。だから個人的に縁が深い神奈川県にだっていいお酒があるに違いない。それで天青を呑んでみたいと思っていた。私は最近お酒を沢山呑むことができなくなってしまっているので、気に入らないお酒を一升買ってしまうとそれを飲み終わるまで悲しい夜を過ごすことになる。お酒を買った以上、呑み尽くす責任があるからだ。だからよく知らない蔵元のお酒を呑むときは、信頼できるお酒屋さんに相談し、その蔵の代表的なお酒を選ぶことにしている。そうでなければその時に手に入る、間違いのないお酒を手に入れる。冒険はしないことにしているのだ。一升3000円前後の日本酒を、決して高いとは思わない。自分にとって大切なこtにはとことんこだわって、残り少ない時間を丁寧に生きていきたい。

しかし実際の私は、ごく忙しい毎日を送っている。
閉店間際の某お酒屋さんに飛びこんで、
“おお、天青があるじゃない!これこれ”
“いつものと全然ちがいますよ?いいんですか?”
“いいのいいの、これください”
と天青の特別純米生酒を手に入れたわけである。言行不一致の極みだ。

いろいろと蔵元の噂はうかがっているが、お酒は呑んでナンボだ。さっそくいつものぐい飲みで、、、。封を切ると、わずかにプシュッとガス感。冷やしてあるので上立ち香は弱め、心地よくはあるがややセメダイン的な薫り。好みがわかれるところだろう。個人的には悪くないと思う。口に含んでみると、わずかなガス感でピリピリ。含み香はやや酵母的な発酵を感じさせつつも湘南の海のような複雑かつ新鮮な薫り。慣れれしまえば好きになるというか。方向性はそちらを向いてはいるが、フルーティというレベルには届いていない。味わいは全体に若さとか新鮮さを強調したもので、甘さ、奥行き、幅、複雑さは少な目、爽やかさとあたりの柔らかさが主体であり、それでも全体としていい感じのまとまりを、現実的に許された範囲内で提示している、といったところか。後味はややねっとり。

最近日本酒専用に、彩や薫りを楽しむためのグラスを導入した。それを最大限に活用してこのお酒を吟味してみると、濁っているのは承知の上だったのだが、かなり沢山、しかも大きめの“オリ”が、お酒の中に舞っている。ちょっとびっくりするレベルだ。だから、こいつは火入れもされていないのだろうし、まさに瓶の中で、まだ“生きて”いるわけだ。これを楽しめる人にとってはいいお酒だろう。しかし刻々と変わっていく味わいを劣化ととらえるような人には向かないだろう。

個人的には、とてもおいしいけれど、季節ものの範疇を出ることなく、スタンダードになる方向性のお酒ではないと思った。当たり前か。でも試してみてよかった。封を切った当初の若くてガスっぽい印象から始めて、一升瓶が終わりに近づくにつれて味や香りが変化していく様子を楽しんでいきたい。こういうのが好きな人にはお勧めできるお酒です。高くないしね。やっぱり日本酒は一升瓶で買わないとね。

一升瓶であっても、私の場合は一週間と持たない。皆さんはどうですか?しかし冷蔵庫に入れておいても、封を切ったら最後、この手のお酒はどんどんと熟成が進んでいくのだ。よりおいしくなるかどうかは神のみぞ知る。だって私自身はまった塾生の過程をコントロールできないのだから。色がすこし黄色味を帯びて濁りがきつくなり、味はまろやかで薫りは果物系の方向に。全体にとろりとしてアルコール度数も上がっているようだ。結構効く。と思っているうちにおいしく呑み終わってしまった。もうすこしゆっくり呑むことができれば、味の変化を大人っぽく楽しめるのだがそれは仕方がない。やっぱりこのお酒は個人的にはお勧めできるものだと思った。

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