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神田 満留賀 静邨 せいろ大盛り [日本蕎麦]

5月某日 神田 満留賀 静邨 せいろ大盛り 780円
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たまに出る都会はいい。テンションが高い。人々が張り切っている感じがする。おねいさんたちもきれいな人が多い。お店がたくさんある。選択肢が多い。今日は風が柔らかく街全体を包んでいて、都会なのに空気が清浄感に満ち満ちていて、なんだかいい薫りがする。近くにいるおねいさんの香水ではない、と思いたい。気分がいい一日だ。ごちゃごちゃとした都心にいるのに、なんだか清々する。今日も一日良く働いた。というわけで神田~御茶ノ水シリーズだ。この辺りにはレベルが高めのお蕎麦屋さんが多数ある。少しずつ、楽しみながら、一軒一軒足を運ぶことを無上の楽しみにしている。いそいそとお目当てのお店に足を運ぶ。

このお店は、私の活動範囲(縄張り?)の中には入っておらず、見つけるのにずいぶん苦労した。おそらくこれまで何百回も歩いてきたすずらん通り -隅々まで知っているつもりだ- から程近いのだが、通りから少し皇居側(と言ったらいいのだろうか)に外れたあたりにある。数十年間、このお店の佇まいを意識するようなことはなかった。全くなかった。選択的非注意?というやつだろうか。もったいないことだ。ともあれ、通りを何度かぐるぐると歩いた後に、めでたくお店を見つけることができた。もう忘れないぞ。ああ、いい加減歩いたのでのどが渇いた。ビールの泡の映像が脳裏をよぎる。

こじゃれた入り口を昔ながらののれんをくぐってお店の中へ。中は意外と現代風の、テーブルが7-8個ゆったりと並べられた和風の造り。宴会用のブースもしつらえられており、こちらもやはり和のテイストにあふれている。なかなかいい。全体に落ち着いた雰囲気をたたえている。数年前に建てかえられたと聞いているが、もう少しお掃除、、、、これはもういいか。お母さんと息子さんと思われるお二人でお店を切り盛りしておられるようだ。白髪ではっきりとした顔立ちのおかみさん、ずいぶんきっぱりとした物言いの方だ。早速せいろの大盛りをお願いした。780円と、なかなか良心的なお値段。お蕎麦を待つ間に、冷酒をゆっくりと楽しむ。実際はのどが渇いているし、お蕎麦への期待にドキドキしていたので、ぐびぐび飲んでしまったような気がするけれど。お高いけれど、おいしい冷酒だった。身近にある、お金があまりかからない”極楽”だ。

10分ほど待つと、お待ちかねのせいろの大盛り。使い込まれた黒い塗りのお盆にのせて供された。よくあるタイプのせいろに、そこそこの量のお蕎麦。やや太めで幅広、幅がそろっていないので間違いなく手打ちだ。ご亭主はまだ若いのか?くんくんしてみると、、、二八と思われるお蕎麦のかそけきかほり。鼻をぺったりとお蕎麦につけて、しばし桃源郷をさまよう。心ゆくまでお蕎麦のかほりに身を浸す。人には見せられないありさまだ。つなぎのかほりはあまり、、、、え?卵?たまごのかほりがする、、、!まさか!!!しかしその後お店の中を見回して、つなぎに卵と山芋を使っていることが明らかとなった。本当に卵だったのだ!びっくり。そんなのありなのか?しかし私のお鼻は山芋のにほひをかぎ分けることが出来なかった。ちょっと残念だった。


そのままお蕎麦を手繰り、一口二口もむもむとやってみる。歯ごたえがあり、なかなかいい。蕎麦つゆがなくても楽しめるレベルだ。どんどん食べてしまうが、途中で正気に返って蕎麦つゆを味わってみる、、、これはいわゆる江戸風の濃い、、、いつもの、、、ではなく、辛さの後に甘さがやや舌に残るタイプ。出汁と醤油は渾然一体としており、出汁がカツヲカツヲカツヲ、と主張している感じではない。甘さはみりん、というよりも、ザラメ、といった感じ。しかしこれはこれでおいしい。良くできている。お蕎麦とのマッチングも良好だ。

しかし脇に置いてある薬味を見てびっくり。さらし葱、ひと手間加えた山葵に加えて、少量のもみじおろし(明太子の様に見えてビビった)。さらにさらに、、、卵うち蕎麦のお店だけあって、ウズラの卵、”ウズ玉”が鎮座ましましているではないですか!これは私的にはかなり“新しい“。個人的には、バラエティを捨てて、その分をお蕎麦の質と量に反映させてほしいと考えるのだが、出されたものに文句をつけるのは野暮というものだろう。頭を切りかえて、全てを十二分に楽しませていただくことにした。

さらにさらに、お盆の上に小さいお猪口があり、なんだか茶色い液体が少量注いである、、、私はもう驚かない。クルミの蕎麦つゆに決まっているからだ。違うか?舐めてみると、確かにそうだ、クルミだ。喜んでこれを蕎麦猪口に投入し、お蕎麦を少々。さらにウズ玉を投入して、、、これはなかなかいい。お店の方たちは、こんな具合に味やかほりの変化を楽しんでもらいたいんだろうな、などと考えつつ、私のお蕎麦の夕べは瞬く間に幕を閉じたのであった。

この間、お店にいたお客さんの平均年齢は優に70歳を超えていた。静かで、ゆったりとして、なかなか落ち着く雰囲気であった。皆様耳が遠いようで、大きな声でお話をされるのもいい味を出していた。蕎麦湯は薄めのものがポットに入って供されたが、もうすこしポットを磨いていただけると、、、(以下略)。ご馳走様でした。満足です。

良い;良質なお蕎麦を誠実に提供しておられる。薬味やクルミ蕎麦つゆのサービスが楽しい。客の年齢層が高いのが個人的には良いと思った。オジサンとオジイサンのパラダイスだ。
もっとよくなる;個人的な好みにすぎませんが、お蕎麦のかほりがもうすこしだけたっているとよりいいかも。 お酒ちょっと高いです。お掃除を、、、これはもういいか。
また行く?;Yes
総括;神田に多数あるレベル高めのお蕎麦屋さんの一つ。上手に調理して良い状態でお蕎麦を供してくれている。卵うちというのも個性的でいい。駅からやや離れた立地も個人的にはとてもよい、と思いました。客層が大人っぽいのも個人的には特に◎です。さて次はどのお店に伺おうか、、、。

タグ:日本蕎麦
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