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谷保 大黒屋そば店 大もり  [日本蕎麦]

5月某日 谷保 大黒屋そば店 大もり 700円

このお店に来ることはないと思っていた。詳述は避けるが、お気に入りの作家である山口瞳が住んでいた谷保にあるお蕎麦屋さんだからだ。山口瞳が通ったかどうかは知らない。なんだか谷保という土地に対する思い入れが濃くって、気軽に足を向けることができないのだ。最近何度か仕事で訪れる機会はあったのだが、その際も気になっていたこのお店を訪れることはできなかった。心が自由になれない、というかなんというか。今回はいろいろな偶然が重なって、幸運にもここを訪れることができた。本当に運が良かった。かなり無理をして、いつものルールを破って、車でお店に。道沿いにあるお店なので、駐車場はないのかな?と勝手に思い込んで、コイン駐車場に車をとめた(実際は駐車場は確保されている)。てくてくと歩いてお店を探す、、、、あった、、、これが大黒屋だ、、、。感無量だ。

からりとアルミの戸を開けて、暖簾をくぐってお店に。想像よりもずっとこじんまりしたお店だ。テーブルが数台、さらに小上がりがある。全体に和風の雰囲気が漂っており、あまり新しくはないがお蕎麦屋さんならではの清潔感が漂っている。これは期待してしまう。東京の外れにあるお店なので、神田のお蕎麦屋さんのようなお蕎麦ではないだろう。山の中にあるわけではないので、野趣にあふれる山蕎麦のようなものでもないだろう。どんなお蕎麦なのだろう。小柄で感じの良いおかみさんに、いつものように大もりをお願いした。まだちょっと緊張している。

黒っぽいお盆に乗ったせいろ、蕎麦猪口、とっくり、薬味の小皿、といういつものオールスターが供された。お蕎麦は都心のお店と比較して大目にもってあり、確かに大もり、といえるだろう。拝見するに、細目でかなり長め、色白でよく見ると細かい星。角が鋭くたっている。しかし幅がそろわない端っこの部分もわずかに含まれている。お店で機械で打っておられるのかな?と想像する。二八っぽいかほり。つなぎはあまり感じさせない。ほのかな、上品なかほり。このままでももちろんいけるレベルだ。なんというか、良心的なお蕎麦だと思った。そのまま数口、手繰らせていただいた。濃厚ではないが、おいしい。いける。

蕎麦つゆはどうだろう?まったりとした出汁が主役だ。醤油はあまり感じさせず、塩っぽい感じもぎりぎり避けることができている。全体に”薄い”印象を与えるが、出汁が控えめに、しかししっかりと主張するので、物足りない、ということはない。血圧によさそう。ついそのままぐびぐびと飲んでしまいそうになる。ひょっとすると、僅かに小魚系を加えてあるのかもしれない。しかし確信は持てず。甘さはごく僅かだ。マスプロの蕎麦つゆのように、万人受けするのではないか。しかしお店できちんと作っておられるようだ、というのが私の評価。お蕎麦との相性は大変良い。よくバランスした、食べ飽きないお蕎麦だ。薬味はおそらく、ほとんどもしくは全くさらしていない葱。新鮮でしゃきしゃきとしておいしい。このままお酒のツマミになるだろう。それからひと手間加えた生山葵、、、、これはものすごく効く。鼻汁を垂らしながらニコニコと食べ続けた。

上述のように、そこそこ量があるので、食べ終わる頃には心身ともに落ち着きを取り戻すことができた。コップでややぞんざいに出された水も、都心とは明らかに味が異なりおいしかった。別仕立ての蕎麦湯を心ゆくまで楽しませていただき、満足してお店を後にした。ごちそうさまでした。ありがとうございました。

良い;良質なお蕎麦を誠実に提供しておられる。地元に愛される名店であることは間違いない。お客さんがたくさん集まったときのお店の雰囲気も、心地よいものなのだろうと想像する。
もっとよくなる;このままでいいです。
また行く?;Yes
総括;谷保にある、地元の方々に愛され、支えられているであろうお蕎麦屋さん。まっすぐに誠実なお蕎麦を供しておられる。また機会をつくって伺いたいです。



2015年2月 大盛り 700円
久しく蕎麦というものを口にしていないことを思い出した。矢も楯もたまらず、一番近いお蕎麦屋さんに足を運んだ。朝11時からお店を開けておられるということを確認したうえでお店に伺った。昭和の薫りが漂う、普通のおうちのようなアルミのドアをカラリと開けるといきなりお店だ。山のお蕎麦屋さんのような独特な香り?が漂っているのだがこれはなんなのだろう。テーブルに腰を据えて大盛りをお願いした。このお店は門前の蕎麦屋さんであることを認識。

お盆に乗せて供されたのは、使い込まれたせいろに乗った、やや透明で、エッジの立ったお蕎麦。二八で、手打ち機械切りという印象。星は細かいものがごくわずかに。お蕎麦の薫りもほのかだが感じられる。数本のお蕎麦を手繰ってみると、さわやかな山の蕎麦のような、やや冷たいが噛みごたえのあるお蕎麦、なかなかいい。蕎麦つゆは、、、、これは前回とおなじ。ややうすめでカツヲ節以外の動物性の出汁も感じさせる、全体として上品なもの。これにワイルドでやや苦味を感じる長葱と、キックが効いた小さく丸く盛られた生山葵だ。

蕎麦はきちんと茹で、冷やして、水を切りまくって供されているのだが、冷え冷えだ。しげしげとお店の中を観察すると、窓がわずかに開けられており、調理場所の裏は開けっ放しで、なんというか吹き抜け状態。わかりやすく言うとものすごく寒く、外套を脱ぐことが結局できなかった。おかみさんは小柄でさっぱりした感じのいい方なのだが、ずっと鼻をすすっておられた。私自身も寒さが気になり、どうも今一つお蕎麦の味を堪能できなかった、というかよくわからなかった。何故お店を温めないのだろう。もう少し暖かい方がいいように思うのだが。

蕎麦湯は茹で湯にさらに蕎麦粉を加えたもので、ややだまになってしまっている、、、、が、、、これは温まる。助かった。すべて飲み切ってようやく体が温まり、お勘定をしてお店を後にした。それでも、久しぶりのお蕎麦はやっぱり好いものだと思った。次は国立のそば芳に行ってみようと考えている。

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