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小岩 蕪村居 十割重ね 1100円 [日本蕎麦]

小岩 蕪村居 十割重ね 1100円

よさそうなお店を見つけた。ロケーションは最高とは言えないが、少なくとも都内だ。ちょっと頑固で口うるさそうなオヤジさんが、蕎麦好きが嵩じてお蕎麦屋さんになってしまって始めたお店であるらしい。本当か?なかなかいい話ではないか。機会に恵まれて、小岩まで足を運んでみた。

確かに環境は最高ではないかも。怖いお兄さんも複数路上を闊歩しておられる。小岩駅をでてから、沢山の客引きのお兄さんたちも声をかけられ、異国情緒豊かな一帯を抜けてようやくお店を見つけることが出来た。おお、こんなところに突然渋いお蕎麦屋さんが、、、、。からりと戸をあけて中へ。

入口の脇に、大き目な蕎麦打ち場が。使い込まれた道具が並べられており、本気でお蕎麦に向き合っている感が充満している。いいぞいいぞ。期待が膨らむ。感じのいいおかみさんと思われる女性に案内されて席についてみると、周りの人たちはみんなお酒を呑んでいる。私も一杯やりたいのだが、ここはぐっと我慢してお茶で済ますことと心に決めて、十割蕎麦の重ねをお願いした。お店には天井から小ぶりなJBLがつるされ、クラシックが流されている。いい感じだ。

場所柄居酒屋として使われることも多いらしく、お酒のつまみも充実しており、お店の中も居酒屋のかほり、つまり油のかほりがこびりついている。ちょっと残念だが仕方がない。すぐに供された蕎麦茶は、、、、渋さと苦みを感じさせる、深い味わいのお茶で感心した。ダッタン蕎麦茶というヤツだろうか?自身は無いがたぶんそうだろう。お茶の余韻を楽しみながら、今日の疲れを癒しつつ、目をつむってお蕎麦を待つ、、、、待つ、、、、待つ。まず蕎麦つゆが供されたが、蕎麦猪口に小皿を乗せるスタイル。小皿にはさらした葱とひと手間加えた風の生山葵。お葱は残念ながらやや“すえて“おり、酸味を感じさせるものであった。閉店が近かったので、ちょっといたんでしまったのか?まあいい、許してしまおう。山葵は薫り高く、不必要にからすぎることもなく、とても良いものだと思った。蕎麦つゆは、、、、なんだか西荻の一水と似ているぞ?透明感を感じさせる、濃すぎない蕎麦つゆ、しかしここのは僅かなみりんによると思われる甘さが舌に残る。正しいカツヲ出汁がビンビンと主張している。おいしい。バランスが良く、全てが一体となった味のハーモニーを奏でている。蕎麦つゆを猪口に残して店を後にすることは出来ないだろう。お蕎麦そのものはどうだろうか?

重ねをお願いしたので、せいろが2枚。十割であるので予想はしていたが、かなり太めでそれでも角がきちんと立った、穀物の粒子を感じさせる、星が多量に混ざったお蕎麦だ。田舎蕎麦というやつだ。見かけは最高で、本当においしそうだ。ついついコーフンしてしまう。ものすごく手がかかっていそうだ。クンクンすれば、野趣豊かな穀物の薫りが漂う。挽きぐるみというやつなのだろうか?とにかく数本手繰って、、、というよりもお箸で“捕まえて”、お口に放り込んで“はむはむ”してみる。“もむもむ”することは不可能だ。のど越しではなく、良く噛んで楽しむべきお蕎麦だろう。歯触りもむちょむちょとしており、なかなかの快感だ。これは業物だ。掛け値なくおいしいのでどんどんそのままたべてしまう。せいろが一つ終わってしまったので、思い出して蕎麦つゆを使って次のせいろを楽しむこととした。ちょん付けではなく、お蕎麦をそのままドブリと蕎麦つゆに浸す。しかしそれでもお蕎麦が軽々と勝ってしまい、バランスはいまいち。お塩で食べるといいのかもしれない。某老舗の蕎麦つゆを合わせてみたいと考えてみたり。思いを巡らせながらあっという間に食べ終え、猪口に残された蕎麦つゆはそのままつるりと飲んでしまった。血圧に悪いが人生理屈だけでは生きてゆけない。

このあと、茹で湯に多少蕎麦粉を足したような印象の蕎麦湯を楽しみ、さらに蕎麦茶をおかわりし、全て飲み干してお店を後にした。満足だ。ご馳走様でした。今度は二八を心ゆくまで味わってみたい、と思った。せいろ3枚というのもあるらしいので。

良い;都心を離れた小岩には珍しい本格派お蕎麦屋さん。頑固おやじ風のご亭主がいい味を出している。お蕎麦も蕎麦つゆもかなりのレベル。
もっと良くなる;場所柄すこし高いかな?経営上居酒屋機能も必要であろうから仕方がない事だが、油のかほりがしないと更にステキ。
また行く?;Yes
総評;小岩にある隠れ家的な本格的お蕎麦屋さん。居酒屋的な機能も十二分に果たしてくれる。居酒屋の油臭いかほりさえなければ、高レベルなお店だ。スバラシイ。
トイレ;未使用

タグ:日本蕎麦
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