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日本の車を買ったよ  13 Honda S660 [クルマ]

日本の車を買ったよ  13 Honda S660

山蕎麦を楽しんだ帰りに、Hondaのディーラーを見つけた。何気なく通り過ぎるつもりだったのだが、いいものを見つけてしまったのだ。それは店内の真っ赤なS660。たまらず車を止め、FD2にちょっと目をつぶってもらっていそいそとお店の中に。週末なのにカッコイイ若者の店員がササっとでてきてくれて感じがいい。お客さんは少ないようで、なんだか不景気な雰囲気だ。不景気→客が少ない→客単価が上げようとする→客が来なくなる という負のスパイラルに落ち込んでいるように感じられた。

ともあれ、S660だ。誰も車を見に来ていないことが信じられない。“とにかく座ってみてくれ”というので、よだれを垂らしながら車に向かう。パッと見ると、赤く、小さく、塊感があって、なかなかよい。それで指一本で開けるドアハンドルを引いて結構長ーいドアを開け、”よっこらせ”と乗り込んでみる。サイドシルはスポーツカーとしては薄いが、高さがあり、こうすることで室内の幅と、ボディの強度の確保を両立しているようだ。シルを握って中に乗り込む必要がある。古いスポーツカーの文法どおりなのだが、いかんせん私は巨人でクルマはちっぽけだ。それでもいそいそと乗り込んでみる。”よいしょ、、、っと”。乗り込んでしまえばこっちのものだ。不自由は全く感じない。さて、、、と、、、。ペダルの位置はなかなかいい。ヒール&トーもやりやすそうだ。椅子をいっぱいに下げれば、巨人である私の下半身にもフィットする。いいぞいいぞ。すこしドキドキしてきたぞ。自分にも乗れるかもしれないぞ。ハンドルは下が直線となったD型で、ものすごく小さいのでスポーティーなドライブフィールが得られるだろう。皮で巻いてあってなかなかいい感じだ。FD2のハンドルよりも質感が高いかも。

展示車両はCVTであったためギヤをコクコクとやってみることは残念ながらできなかったが、ノブのついている位置は適切だと思った。手を伸ばした自然な位置にノブがついている。ハンドルは上下動のみでテレスコはついていないようだが、なんとか私の体でも適切な角度に調節することができた。よし、いいぞいいぞ。どらポジはばっちりだ。教科書通りの姿勢を保つことができる。この車が私の体に合えば、経済的な通勤ができるかもしれない。期待が膨らむ。FD2ごめんなさい。だんだん本気モードになってきた。

通年でオープンを楽しめる環境には住んでいないので、キャンパスに骨を仕込んだ凝ったつくりのトップを付けて、私の長い背中を伸ばせるか試みてみた。なんたって座高が三桁に届こうという私だ。車に乗り込んで、、、首を横に曲げて、、、ゆっくりと背中を延ばす、、、、ことは残念ながらできなかった。天井に頭が届いてしまうのだ。いろいろやってみてもやっぱりダメ。調べてみると、椅子からトップまでの高さは、895㍉しか確保されていないという。あきらめるしかない。S660みたいな車こそ、日本に住んでいる我々だけが享受できる良質な文化なのだと思うのだが、私のような規格外人物はこれを楽しむことができない、、、、極めて残念だ。

私は巨人なので、車に乗ると上下の視野が極めて狭い。大きなSUVに乗ればその限りではないのだが、いまの私はそのような車には興味がないのだ。日本で乗るべき車ではない、と思うからだ。オープンであれば、私のような巨大なオヤジにも広い視野とさわやかな風を楽しむことができる、と期待したのだが、世の中そんなに甘くないようだ。残念だ。

FD2とお別れする気持ちはさらさらないのだが、浮気はいけないと知っているのだが、それでもロドスタの発売がちょっと気になるこの頃なのであった。
先だって高速を走っていた際、初めて新しいロドスタを目にした。白い一台で、運転しているのは若い男性。小ざっぱりとした装いで、さわやかな雰囲気を醸し出し、満面の笑みを浮かべている。気持ちいいのか?気持ちよさそうだった。若い彼は、おそらくロドスタから始まる、楽しいカーライフを送ることだろう。

また、やはり最近、水色のS660が走っているのもようやく目にすることが出来た。また若い兄ちゃんかな、と思ったら、帽子をかぶった、中年から初老といった風情のおじさんだった。身なりは垢抜けず、なんだか汚れたジャンパーに身を包み、謎の野球帽をかぶって怖い顔、前を見つめて淡々と走っている。そうか、この人はようやくこんなことして遊べるようになったんだな、若いときに楽しめればもっと良かったかもしれないけれど、とにかくここまで来たんだな、よかったね、なんで自分を重ねて思い入れたっぷりに眺めさせていただいた。この方にとっては最後の一台なのかもしれない。出来るだけ長くカーライフを楽しむことを願わざるを得なかった。


中身は双方ともに最新の技術で作られている筈だが、一見クラシカルなロドスタも、なんだか未来風な部分があるS660も、どちらもステキだと思った。ドライバのお二人には安全に末永くカーライフを楽しんでほしいと心から思った。わたしもそうします。

タグ:s660 HONDA
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