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私のギター 3 [音楽]

私のギター 3

それでしばらくクラギには触れずにいた。黒澤澄男ギターはきっちりと磨き上げ、ハードケースに入れたうえで温度湿度を管理してある倉庫に保存しておいた。こいつを取り出したのは、、、某国から帰ってきてしばらくしてからだったと思う。某国を後にする際、帰国後に地元のギター教室に通うことを楽しみにしていたのだ。それで帰国早々、、、といってもやはりずいぶん時間が経ってからなのだが、黒澤ギターを倉庫に取りに行った。弦は切れていたが、何の問題もなく、大変いい状態であった。塗装にカシューを使っているためか、温度や湿度にかかわらず安定した、頼り甲斐のある楽器なのだ。あまり高級ではないけれど。

詳細は省くが、このギターには長い間ずいぶんとお世話になった。前述したが今でも練習用に使い倒している。長い間に指板が痩せてきて黒澤さんにフレットの端を削っていただいたり(その節はありがとうございました)、別の機会に指板のわきに小さな貝のドットをやはり黒澤さんご自身に入れていただいたりした。黒澤さんは大変人柄のよい方で、工房に招いてくださったりもした。若かったので緊張したことを覚えている。また、ご本人が楽器の受け渡しのことを忘れてしまい、“呑んで”しまったため、奥様が自転車で駅まで私の楽器を取りに来てくださった事なんかもあった。それで何度かメンテをしていただきつつ、あまり高くはないこの楽器をしつこく愛用していた。繰り返し書くけれど、楽器って本当に安いもんだ。クラギの場合は50年は弾きつぶれないというし(最近制作家の方に、4-5年に一度メンテが必要と教わったけれど)、実際に私自身も30年近く同じ楽器を手にして愛用して問題ない。必要なのは弦を買うお金だけだ。その後ケースだけ良いものに代えたけれど、同じ楽器を携えてギター教室にも通わせていただいた。まあ当時はクラギメインではなかったからお金をかけなかっただけなのかもしれないけれど。この間、実はエレキを何本も買ったり作ったりしていたし、フルアコに至っては大金を投じたことも一度ならずあった。ジャズギターを習ったことも何度かあったが、結局ものにならず残念だった。やっぱバンドやんないとだめだよね。

それでもそこそこキャリアがあるため、クラギであっても多少は、うわべだけなら弾けてしまう。今に続く右手の使い方問題があったが、全くの初心者ではないわけだ。それで、“そろそろ新しい楽器を”と勧められて、その後の人生が少しだけくるってしまったようだ。楽器好きの血に火がついてしまったのだ。終わりのない楽器屋めぐりが始まった。次回は寄り道して爪の話を書いてみる。

タグ:ギター
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