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国立 かな井 せいろ大盛り [日本蕎麦]

5月1日
国立 かな井 せいろ大盛り 850円

何とか時間を作って、遠路はるばる かな井へ足を延ばす。21時までの営業であることを知らずに20時過ぎ、幸運にも就業前に店に到着することが出来た。笑顔で迎え入れられた。今回は運が良かったようだ。早速数少ないテーブルに席を確保する。マンションの一室を改造したような作りで、小さいが落ち着く空間。和風の塗り壁で、床やテーブルは、一昔前に流行ったような、集成材でしつらえてある。床が古くなって黒ずんでいたり、天井もやや煤けていたりするが、全体に清潔感が保たれている。トイレを使わせてもらえばわかりやすいのだが、無理してそうする必要もない。結構歩いた後なので、のどが渇いている状態だ。しばらくしてからおにいさんがメニューを手渡してくれた。いつものようにせいろ大盛りをお願いした。せいろが700円で大盛りが150円増し。妥当だと思うが、せいろおかわり500円というのも気になった。しかしいつものパターンでオーダーを通した。基本はぶれないほうがいい。

時間がかかりそうなので、自分に言い訳をしながら新潟のお酒をお願いした。大ぶりの冷やされたコップに、一升瓶からとくとくと注ぐ方式。これはなかなかよい。一合+ほどいただいて、ちょっと得した気分。しかし日本酒はあまり安くない印象。無濾過生原酒?とかで、大変結構でした。ウマかった。揚げ蕎麦がおつまみとして供されて、心和んだ。ポリポリと瞬く間に食べてしまった。

私以外にもお客さんが二組。なんだか難しい議論をさかんにたたかわせている一組と、和気あいあいとお料理を楽しんでいる一組。客の年齢層は高め。軽いジャズが流れていて、狭いがほかのお客さんとの心理的な距離を取ることが出来て、居心地は上々だ。店内が小ぶりであるため、調理中の音や、従業員の会話などはダイレクトに聞こえてきてしまう、しかし個人的にはあまり気にならなかった。

私の数少ない経験からは、”やや長め”の待ち時間を経てお蕎麦が供された。木のお盆の上に乗せられた四角いせいろ。小皿に雑然とさらし葱、少量だが見た目だけで生とわかる、すりおろしたての山葵。そばつゆは蕎麦猪口に半分ほど満たされた形で供された。良し悪しは別として、薬味はあらかたをつまみ的に食べてしまう。食器は使い込まれてはいるが、やはり清潔な印象。箸置きは削った小ぶりな竹が使われていた。好印象。さて、肝心のお蕎麦はどうだろうか。

お蕎麦は適度な長さの手打ち。やや縦長の断面で、角がしゃっきりと立っている。男前のお蕎麦だ。ものすごく切れる包丁を使っているのか?等と考えつつお蕎麦を眺める。幅が微妙にそろっていないので、手打ちであることがはっきりとわかる。北のお蕎麦の産地、二か所からの蕎麦粉をブレンドしたものを使っているとのことで、期待が高まる。9割蕎麦だ、と自ら謳っている。見た目は色白、わずかにほのかな星がかいまみえる。しかし店内が暗めであるため、心ゆくまで観察することは出来なかった。何よりお腹が空いていた為、早く食べたくって心が焦ってしまう。だからとりあえずそのまま手繰ってみる。歯切れのいいお蕎麦で、確かに9割なのだな、と実感。美味しい。個人的にちょっとだけ残念に感じたのは、お蕎麦のかほりがやや弱めだったことだ。蕎麦粉の問題なのか、それ以後の調理の問題なのか。私にはわからないが、もうすこし強めでもよいかな、と。しかし蕎麦つゆとのバランスもある。順番は逆だがここまで来て蕎麦つゆを味わってみる。これは、、、なかなかいい。カツヲがしっかりと存在感を主張しており、それが醤油と上手に手を握って一体化している。このままかほりを失わずに凝縮(濃縮?)すれば、私が江戸前風、と考えている蕎麦つゆそのものになりそうかな、と感じた。かなりおいしい、お見事です。舌の上から味がなくなる瞬間に、わずかにほのかに感じる酸味はなんだったのだろう。故意にそうしているのか、そうなってしまうのか、判断がつかないままにどんどん食べてしまった。カツヲの発酵系の味の一部なのか?多分そうだろう。頭は考えるが納得するまで確認は出来なかった。だってお腹が減っては戦は出来ないのだ。お行儀が悪いともいふ。それでお蕎麦の端っこだけをつけてつるつる。しかしやはり半分近くまで浸してから手繰ったほうがバランスが良いようだ。そばつゆをつけたりつけなかったり、味の変化を楽しみながら、、、ぽくぽくとお蕎麦を噛み切る歯の感覚を愛でつつ、、、お腹が空いていたのですぐに食べきってしまった。満足だ。

蕎麦湯は別仕立てのとろりとしたものをたっぷりと。その後同じタイミングで蕎麦茶が供されて今日のお楽しみは終了。僅か30分ほどの、東京の西のはずれにおけるおじさんの憩いの時間が終了した。ご馳走様でした。ご亭主が嬉しそうに挨拶して送り出してくれたのもよかった。

良い;国立にあるこだわりの(と思われる)お蕎麦屋さんの一つ。丁寧に良質なお蕎麦を提供しておられる。良心的な日本酒も置いてある。
もっとよくなる;個人的な好みにすぎませんが、お蕎麦のかほりがもうすこしだけたっているとよりいいかも。 お酒ちょっと高いです。
また行く?;Yes
総括;東京のはずれにある小ぶりな渋いお蕎麦屋さん。こだわりをもって、上手に調理して良い状態でお蕎麦を供してくれている。駅からやや離れた立地は個人的にはむしろよい、と思いました。客層が大人っぽいのも個人的には〇です。お蕎麦屋さんに子供がいると困るのです。これからもお世話になりたいです。

タグ:日本蕎麦
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