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USACG Tele Practice Guitar 8 -Electrosocket and PG- [音楽]

USACG Tele Practice Guitar 8 -Electrosocket and PG-

今回のボディも、今まで通りElectrosocketを使ってくみ上げる予定だ。これは優れもののパーツで、テレの弱点である、スチールのプレートを無理やり木部に突き刺して固定するという”漢らしい”アウトプットジャックの構造的な欠陥を、木部の加工なしで解決するというパーツだ。取り付けには、局面に斜めにねじ穴をあけるというやや難しい加工を要するが、慣れてしまえばどうということもない。まずはジャックのための穴とソケットのフィッティングから開始しよう。

以前にも書いたような気がするが、ジャックホール?には大量の塗装がたまってしまっていることがほとんどで、塗装を削ってあげないとソケットはフィットしない。鉄のやすりで削ってみたり、円柱の木材に紙やすりを貼り付けて削ってみたりといろいろと試してみたのだが、(StuMac のDanは、鉄のやすりで対応しているようだ)結局大き目のリーマで最小限塗装をはがすのが簡単でしかも仕上げが美しい、という結論に達した。Output Jack.JPGこんな感じで塗装が厚く乗ったジャックホールにリーマ.jpgぶっといリーマを優しく差し込んで、ゆっくりと左右に回して最小限の塗装を削り取る、というわけだ。この時に注意することは、きれいにまんべんなく塗装を削り取るためには、力を入れずにリーマの刃を意識してゆっくりと回すことと、数回に一度、右手を持ち替えて少しずつリーマの”あたり”を変えてゆくことだ。これをしないと、なんだか多角形みたいなかくかくとした穴になってしまうことがある。けっこうたくさんの塗料を削り落とさないといけないことにわれながら驚く。新聞の内容には全く意味はない。それで、丁寧に加工を進め、きっちりと穴にフィットさせることができた。Electrosocket.jpgこれは時間さえかければ難しいことは全くない。

問題はこの後の穴あけだ。ボディを足で挟んで、細目のドリルを使って穴をあけるのだが、2段階で作業することを勧めたい。まずはキリのようにとがったもので位置を決めてやる、もしくはすごく細いドリルでガイディングホールをあけることが望ましい。それを済ませてから、おもむろにねじに合った最小限の穴をあけてやる。ソケットを装着したままで現物合わせて穴をあけるのが失敗しにくいように思われるのだが、ソケットは比較的柔らかいアルミでできているため、ドリルで削ってしまわないように最大限の注意を払う必要がある。

角度と深さが最適になされれば、固定用のねじくぎはかなり深い位置で落ち着くのであるが、お分かりいただけるだろうか。無題.png向かって右のねじくぎは、最も望ましい部位に穴をあけることができたため、ばっちりと決まって100点なのだが、向かって左のものは、ごく僅かーにずれてしまったようで、98点のできだ。力ずくでさらに深くねじ込むことは私はしない。また、写真の撮り方のためソケットが斜めっているように見えるが、実際はばっちり真横につけることができている。念の為。仕上がりは、伝統的なテレとは違うけれど、機能美にあふれていると思うのだがどうだろうか。機能的なものは全て美しい、というのが私の持論だ。ソケットの素材が柔らかいため、購入して手元に届いたものはすでに細かい傷がついていることが多いのが気に入らないが仕方がない。例外なくこすったような細かい傷がついている。さて、これが終わるとひと段落、という気がする。PGの加工に移ろう。

このギターのネックは標準サイズではないため、ネックポケットも通常のテレと比べて幅広になっている。だからPGも通常のものを使うことができない。私はWarmothにorderして作ってもらうことが多いのだが(実は送料もかかるしけっこう割高だ。通常のサイズで良いなら、国産のものを手に入れることをお勧めする。まめに探せば、Fenderに準拠したスペックで、完璧に加工された新品が1000円も出せば購入できる、ということを最近知った)今回は特別仕様なので、レギュラーの製品を購入してネックポケットを自分で加工するしかない。

どこかで書いたような気もするのだが、USACGがお勧めするPickguardianというサイトでPGをorderしようと連絡を取ってみた。”すぐやるよ”というのだが、待てど暮らせど連絡がこない。結局"USACGがテンプレートをくれないからできない"という話になってしまい、私が欲しいPGを手に入れることはできないことになってしまった。それで、手もとに転がっていたWarmoth製のPGを加工して使うことになった。私はWarmothが作るPGの材質が気に入っており、折々に買って数枚ため込んでいるのだが、それを有効に活用しようというわけだ。

どこかのプロも書いていたが、PGの加工は手でやることはあまりお勧めしない。なんとなく野暮ったい手作り感満載のしあがりになってしまうのだ。どうしてなのだろう。ルーターを使って加工し、その後やすりなどであまり手を入れずにボディにねじ止めする方が最終的には見栄えがするのだ。不思議だが本当だ。それで今回も、テンプレとルーターを使って加工することにした。PG.jpgこんな感じだ。ルーターの使い方には慣れているつもりなのだが、プラを扱う時には2か所でクランプするのが基本だ。だって素材があばれやすいからね。この写真でわかるように、私は基本をおろそかにした。それで、あまり書きたくないのだが、ルーター加工を失敗して、テンプレと机を削ってしまい、PGを一枚台なしにしてしまった、、、Oh my God、、、しかしこれは身から出た錆というべきだろう。それで基本に戻って、仕上がりは多少悪くなってもいいから大きな失敗は起きない手作業でPGをしこしこと加工することにした。悲しかった。PG2.jpgシールディングももちろんやり直した。今回は銅箔の張り込みを必要最小限にしてみた。あまり見栄えはしないが機能的にはこれで十分のはずだ。
PG3.jpgPUを取り付けるとPG4.jpgなかなかいいバランスだ。最終的にはPG5.jpgBody.jpgこのような仕上がりとなった。穴あけの位置決めを確実にこなすためのジグを手に入れたのだが、これはマニアックな話なのでそのうちまた暇なときにでも報告しようと思う。穴をあけて、穴の周りを丁寧に面取りして、ムリせずゆっくりとねじくぎをいれ、おのおののパーツを固定した。

前回指摘したように、キャビディがタイトなので、全てのパーツを装着してから穴をあけることをお勧めしたい。そうでないと、後でパーツがおさまらずに大変なことになる。経験済みだ。USACGのパーツは、けっこうシビアな設計となっているので、全てをそつなくこなすプロ向きだと思う。わずかな狂いとか、遊びとかを許容してくれる範囲が非常に狭いのだ。その点Warmothの製品はある程度の遊びを許容する設計となっているように思われる。アマチュアに優しい仕様になっているようだ。どこまで考えてやっているのか、故意にそうしているのかどうか、本当のところはわからないが、何度も楽器を作ってみればだれでも実感するだろう。個人的には、ネックはやはりUSACGの製品を選択したいが、Bodyに関しては迷うところだ。vintage仕様ならUSACG、そうでなければWarmothを選択するかも。

とろりとした金メッキの艶が魅力的なボディの写真を楽しんでほしい。この写真には実は大きな”問題”が写しこまれているのだが、わかるだろうか?これだけ見てそれに気がつくようなひとは、相当のテレマニアだ。暇な人はちょっと考えてみてほしい。この写真では、一見完成されたボディのように見えるが、内部の配線はまだ行っておらず、全ての配線はブラブラだ。残された工程はあと僅か。楽しみながら進めてゆきたい。


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