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2022/2/13   Hiscox のハードケース [音楽]

2022/2/13   Hiscox のハードケース


よいギターを手に入れたら、かならずよいハードケースを手に入れて保管しなさいって、たしかブルース系の有名なプレイヤーが言ってたっけ。それで室内は狭くなるがいくつもハードケースを買ってきた私だ。エレキに関してはいろいろやったけれど、結局Fenderの楽器を買ったときについてくるベニヤに布を張った伝統的な四角い奴に落ち着いた。プラスチックで中にギターにぴったりのモールドが入っているものも持ってはいるが、いまひとつしっくりこない。古くなっていたんだ時の質感は、Fender純正の古臭いケースが一番だ。楽器の保護機能で言うとプラでモールド入りのもののほうが望ましいと思われ、たとえばSKBのものを何度か買ってみたのだが、外見がどうも子供っぽく、室内に置いておくのが苦痛になってすべて手放してしまった。においの問題もあるしね。なんか臭いんだよこれが。接着剤のせい?樹脂のせい?とにかく部屋に置いておきたくないにおいがするのだ。また、セミハードケースも何度も試してみた。昔売っていたサドウスキーのものはすばらしい品質で、保護機能だって普通のハードケースに勝るとも劣らないスバラシイケースだったのだが、残念ながら今はもう手に入らなくなってしまった。評判のいいリユニオンブルースのものも最近買ってみたのだが、値段はサドウスキーと変わらないものの使いにくい作りになっており、これもあきらめるしかなさそうだ。たぶんそのうちに手放すことになると思う。それで結局Fender純正に戻るしかないと判断した。なのでエレキに関しては勝負がつき、室内に四角いケースが林立している。一方のクラギはどうだろうか?


クラギに関しては弾くことに集中してあまり買い物はしない私なのだが、かつてはやはりどんなハードケースがいいのか悩んでいた。しかしこれはギター制作家の黒澤さんに教えていただいた楽器ケースの専門会社の製品を使うことで解決した。やはりベニヤに布やビニールを張ったものなのだが、専門の会社なのでどんな形の楽器にもフィットしたものを作ってくれるのが強みだ。内装もビロードがはりつけてあり、クッションも効いており、夢のような仕上がりだ。かつては確かtakabeという会社があって品質、特に外装に凝った素晴らしいケースを作ってくれたのだが、残念ながら今はもうないので上記の会社にお願いする以外の選択肢はない。と思っていたのだが、その後クラギの世界にもセミハードケースのようなものが流行ることとなり、最近は業界を席巻しているようだ。しかし、だ。ものによっては数百万円もする楽器を、踏みつけたらつぶれるようなケースにいれていいものだろうか?答えは否だ。クラギの場合、わたしはどうしてもハードケースにいれて保管、運搬したい。

アランフェスというファイバーでできたケースが評判が良かったのでサンプルしてみたのだが、スタンダードモデルの場合、全体の剛性が不十分で、なんというかぺなぺなする。鍵をかければおそらく全体としての強度は確保されるのだとは思うのだが個人的には納得がいかない。金具や持ち手の仕上がりも今一つだ。上級モデルもあるようだがとりあえずパス。それから、次に狙いをつけたのが、フランス製だと思うのだが、バムという高級ケース。これは外見はとても楽器の入れ物にはみえない。もっとハイテックな何か違うものをいれるような外見だ。外見も機能もベストに近く、とてもいいと思うのだが、私個人の考えでは、木工製品であるクラギを保護するにはそぐわないように感じられる。また、伝統的なスペイン製の合板に革を張ったケースはなかなかいいぞ、という話もきくが、ものすごく重いという噂に二の足を踏んでしまった。私はスペイン語もできないしね。それで候補に挙がるのが、英国製のHiscoxだ。色付きもあるようだが、ほとんどの製品は真っ黒で、つくりはイギリス的だが衝撃や湿度の変化から楽器を守ってくれるといううたい文句は信用できそうだ。そういえば、かつてこの会社のプロ用のケースを二つ持っていたのだが、湿度計を使って計測してみたところ、確かに湿度の変化にはつよい。温度に関しては、短時間のみ、という但し書きをつければある程度の保護機能は期待できると思った。だから飛行機による運搬などの場合には、十分な楽器の保護機能を持っていると私は考えている。以前のモデルでは、確かケース内に湿度計がそなえられていたようだが、残念ながらいまは省かれているようだ。このケースもかなり値が張るのだが、それよりなによりわたしが手に入れたJun Nacanoのトーレスモデルのような、小ぶりのクラギを入れるようにしつらえられたモデルが売られていないのだ。さてどうしよう。とりあえず手元にはそこそこのハードケースがあるのだが、一生付き合っていくつもりのJNギターを託すにはどうにも心もとない。Hiscoxの輸入元に相談してみたって、数が出ないだろうから冷たくされるであろうことは目に見ていている。すすんで不愉快な思いをすることはないからね。それでどうしたかって?もちろん個人輸入にはしった。ドル建てで買いますといえば、欧米の会社の場合、物にもよるが売ってくれることが多いようにおもう。できれば慣れている米国から買いたかったのだがうまくいかず、結局英国のとあるディーラーが合法的に売ることができると言ってくれたので、結構値が張ったが、高い送料を出して個人輸入に踏み切った。手元に届いたケースは傷一つなく、多少蝶番の具合が悪くなっていたので輸送中に大きな力が加わった可能性は否めないが、少なくとも外見上は無傷の新品で、当然のことながら内部も完璧、きれいなものだ。内装の柔らかさが今一つで、ほんのすこし残念な気持ちになったが、手持ちのケースと比べれば夢のように柔らかいと言えないこともない。ついでのことながら、ケースの持ち手にはイギリスの国旗をあしらった保証書のようなものが荒縄のようなもので括り付けてある。なかなかいい味を出している。ついでに手書きのタッグ、これはおそらく販売店で在庫管理のためにつけたものと思われるが、そいつもひもで縛りつけられていい味を出している。このケースはなんか大人っぽい雰囲気を漂わせており、機能的にも完ぺきではないにしろ、十分満足のいくものだと思う。こいつの内部、一部塗装に負担がかかりそうな場所にフェルトを敷き詰めて、JNギターの休息場所に定めた。このケースはいまのところ、期待した役割を十二分に果たしてくれており、楽器ばかりではなく私の心も休息させてくれている。

どこかのブルースマンは偉かった。よいギターを手に入れたら、かならずよいハードケースを手に入れて保管しなさいというのは極めて正しいと思った。新しい楽器を買っている場合ではないのだよ。

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