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Fender Custom Shop vs Fender made in Japan Limited Collection(長文注意、内容空虚) [音楽]

Fender Custom Shop vs Fender made in Japan Limited Collection (長文注意、内容空虚)



円安とかコロナとか、いろいろあるとは思うのだが、楽器の値上がりが甚だしい。木材などを輸入に頼っているため値上がりするのだろうか?USA物は円安の影響で国内で購入する場合は割高になるのは仕方がないのかもしれない。楽器店の店員さんたちと話をすると、コロナの影響で輸入物がなかなか国内に入ってこないと言う。話は分からないではないが、それにしても最近の楽器の値上がりは許容範囲を遥かに超えている。中古楽器が値上がりしているのはそのためもあるのだろう。リソースが乏しくなれば物の価値が相対的に上がっていくということだ。なんだかクルマと同じような状況で悲しいなあ。それにしても、頑張って大金を払っても、手に入る楽器の質が少しずつ、ここ最近は露骨に下がっていくのは悲しいことだ。私の身のまわりにいる楽器を始めたい人から相談を受けた場合には、それが可能であれば、楽器のことがよくわかった人に相談して、ある程度以上の投資をして、手に入れた楽器を大切にずっと使い続けていくことが理想だと勧めるようにしているのだが、そういった面倒見がよく、経験値が高い人が身の回りにいる幸運な人は少ないと思われる。ストラト、テレ、レスポ、335、175などの定番の楽器が選ばれるべき対象になるのだが、最大公約数として無難にストラトを選ぶのがいいのではないか。最初の楽器にテレを選ぶと、私のようにバランスの悪い音楽好きになってしまう可能性が高いからだ、うん。

さらに、結論から言うと、国産の楽器を買うのがいいと考えている。夢はないが、初めての楽器を買うときには、名前、つまりプレミアにお金を払うのは個人的にはお勧めしない。国産の楽器を選びさえすれば、ある程度以上、私見によれば10万円程度出せば、ずっと使っていける、質の高い楽器が手に入るからだ。木材で造られたものなので、品質のばらつきはどうしようもないし、当たりはずれもある程度はあるけれど、メーカーを選べば、私はFujigenをお勧めするが、例えばF社を選びさえすれば、どんな楽器を手にしたとしても大きな間違いが起こることはないはずだ。Fender Made in Japanでもおそらく大丈夫だろうと思う。Fujigenと比べると、すこしおおらかに作られたこちらはダイナ楽器製だ。

私はこの業界に、たくさん“勉強代”を払ってきた人間だが、それなりの見返りがあり、全く後悔はしていない。楽しかったと言い切ってしまって何の痛痒も感じない。家人は当然別の意見を持っているだろうが。そんな私が国産の楽器の品質はどうか、と誰かに尋ねられたなら、道具としては何の問題もない、と瞬時にこたえることだろう。物語性という意味では、エレキはもともと米国生まれなので、Originalityという話になればいうまでもなく勝負にはならない。だからここでは、楽器としての性能、という切り口に限定し、そのうえで彼我をまったりと比べつつ、私が感じた個人的なことを書いてみようと思う。

私は幸運にして、手元に複数のCustomeShopの楽器を置いている。また、かなり無理をして、MIJ のフラッグシップモデルである、もしくはそうであった、Limited Collectionの楽器も複数持っている。FCSは名前が付いた作家モノではなく、チームビルドの一般的なものだが、FenderUSA製の楽器の水準を評価する物差しにはなってくれるだろう。Fenderの楽器、という限られた範疇で、MIUSAとMIJを比較してみようという企画だ。双方とも国内で購入したため、値段には倍程度の開きがあった。つまり購入当時40万円程度の楽器と20万円程度の楽器の比較ということになろうか。楽器としての性能に差があるだろうか?ないのだろうか?

個人的な結論を先に書いてしまうと、両者には明らかな差があり、残念ながらUSA物に軍配が上がるというのが私の判断だ。私は長年楽器に携わっており、さんざん楽器を改造したりPartsCasterを組んだりしてきたが、専門家ではないし、ただのアマチュアだ。ごく一部の例外を除いて音楽を仕事にしたことはない。とにかく弦楽器は何でも好き、という、楽器に甘いはずの私が明確な差を感じるほど、両者には違いがあるのだ。

まず、全体的な仕上がりから見てみようと思う。これは国産の圧勝だ。個体による差はほとんどないし、細部の仕上がりは完ぺきに近い。Limited Collectionの楽器に限った話ではあるが、内部の構造、仕上げなどをチェックしてみても、どこにも手抜きとか失敗とか、ごまかしとかは見受けられない。ただ、私の手元にある楽器だけの話だと思いたいが、ボディの一部、結構目立つ部分にバフ掛けがきちんとできておらず、購入当初より表面がやや曇っており、また、指板の端、塗装が載りにくい部分、しかもフレットと木部の境目あたりに塗装がのっていない、もしくは落ちてしまった小さな点状の部分があった。細かいことを言えば限りがないが、MIJであっても完ぺきではないということだ。まあ木材を使った製品であるし、コストのかけ方にも限界があるので、値段を考えた場合には、国産の圧勝という判断に変わりはない。全体の組み込みの精度に関しては、国産に軍配が上がるだろう。やはり職人さんが優秀なのだろう。ただし、UAのものも文句の出ないレベルの仕上がりになっていることはやはり書いておきたい。見えないところの管理のためのシールとかはやめてもらった方が嬉しいのだが。

ハードウェアはどうか?これも両者ともFenderということで、選択肢には限りがあり、優越はつけがたい、というかほとんどまったく同じだ。PUまで同じようなレベル。ただし、ペグに関してはUS製の楽器にのみ問題があった。手元にある楽器すべてにVintageスペックのKlusonモデルが使われているのだが、ガタガタで緩める方向では使い物にならない楽器があるし、また、同じ楽器なのに個々のペグのトルクに差がありすぎて、実際にチューニングをするときに違和感がある楽器もあった。機能までVintage?ありえない。実際、購入した際に、ペグに問題が起きたときにはすぐ対応してもらう、という条件を付けてもらったくらいだ。一方のMIJでは、安心と信頼のゴトー製が採用されており、とくに金メッキを施されたものなどは、ナットの仕上がりがいいことも関係していると思うが、うっとりするようなしっくりくる使い心地だ。これもまた国産の圧勝だ。思うにUS製のものは、某国製のスペックは十分満たすと思われる製品などを使っており、そういった選択を積み上げた結果が、実際の使い心地に反映されているのだと思われる。そこそこの価格帯の楽器の場合、スペックに現れない部分、たとえばペグの回し心地や塗装の艶などが大切なのだがわかっていらっしゃらない、残念だ。しかしそれ以外、PUとかスイッチとか、トレモロとか、、、もろもろのハードウェアは優劣つけがたい、というか上記したがほぼ全く同じだ。

塗装に関してはどうだろうか?双方ともラッカー仕上げをうたっており、実際に楽器を手にしてみると、ニトロセルロースラッカーの何とも言えない薫りにつつまれるし(においは必ずしも両者同じではない)、掌に直接つたわってくるペタッとした独特の感触も、いつものことだがなんとも言えないいい感じだ。それでも違いがないわけではない。手元に測定できる機材がないので具体的な話はできないが、まず、USA製の方が塗装が厚い、といってもいいのではないか。これは下地の問題なのかもしれないし(USA製はフルラッカーを謳っていない)、塗料の質なのかもしれない。それでも両者とも美しい仕上がりであり、今後“時代が付く”につれて味が出てくることが期待される。つまり、長い付き合いができる感じなのだ。好みとしてはどちらが、、、と言われると困ってしまうが、塗装の強さという意味ではUS製がよさそうだ。仕上がりの均一さとか薄さ、美しさではJapanに軍配が上がる。塗装の“目“が細かい感じがする。繊細で、神経が隅々まで行き届いている印象を受ける。両者には多少なりとも違いがあるのだが、まあ、”味”のレベルのと言って差し支えないだろう。塗装が出音に影響することは間違いないと信ずるが、ここでもアマチュアの悲しさ、具体的に比較が可能なデータをとれるほどの機器が手元にないため、情報を集めても収束して具体的な結論に結びつくことはないのでこの辺でやめておく。

両者を見ていて感じることなのだが、Japanの方は制作に携わっている職人さんの“手”が入っていないような気がする。例えば、NCルーターで仕上がってきた生地の形を崩さないように、僅かなヤスリしかかけていないように見える。なので細かいところ、例えばボディのエッジなどをよく見てみると、ルーターの“刃“が木材を刻んだ後を感じる部分がある。逆に言えば仕上がりが均一で品質が安定しているわけだ。一方のUS製は、ある程度人間の手を入れることを許しているようで、生地の仕上がりから多少形が崩れることを恐れず、木部を制作に携わった人が気に入るような形に削り込んでいるような印象を受ける。有名なタデオ=ゴメスがネックからヘッドに移行する部分をスムースに仕上げたように、職人が自分の判断である程度個性を付け加えているのではないかと想像する。おそらく自分の仕事に自信と誇りをもって。複数の楽器、それも同じモデルを見てはじめて分かることなのだが、同じ年代のモデルでも、木部の造形に多少なりとも目で見てわかるレベルの差があるのだ。これがいいことなのか悪いことなのかはわからないが、ばらつきがあるのは間違いのない事実だ。沢山楽器を見ている人はおそらく同意してくれることだろう。


木部の“鳴り”はどうだろうか?私見では、これが最も大きな違いだと思われる。MIJを生で弾いてみると、ややしけったような音がしないわけではないが、全体がそれなりに振動して弾いていて気持ちがいい。乾燥するにつれて木部が僅かに縮み、ネジの増し締めが必要なのは仕方のないところだ。ネックに仕込まれたトラスロッドも同様で、ネック全体に適切なテンションをかけて弦のテンションとバランスさせてやる必要がある。これは楽器をいい音で鳴らすためには非常に重要な点であり、これをしないと楽器本来の音がしないことになる。ちなみに、私が入手した全てのUS、全てのMIJにこの作業が必要だった。話が広がってしまうが、だから店頭で楽器を弾いてみたって大したことは分からないということになる。自分の部屋で、いつものアンプで、自分に合わせたセットアップにしなければ楽器固有の音は吟味できないということになるのだろう。しかしそうやってきちんとセッティングさえしておけば、JapanであろうがUSであろうが、夢のようないい音を奏でる、と言えないこともない。話を戻すが、両者の木部の仕上がりに差がないかというと、実際のところ、かなりの違いを感じた。MIJ同士の木部の鳴りを比較した場合、ネックが太いものとそうではないもの、指板がメイプルのものとローズのもの、結構違うとは思うのだが、わずかな違いといえないこともない。上にも書いたが知る限り全てダイナ製の楽器なので、木部の乾燥処理や保存、塗装のプロセスなど、ほぼ同じだからそういう結果になるのだろう。つまり同じような鳴り方をするのだ。一方のUSと比較するとどうかというと、これはもう、全然違う。本当に違う。US同士の鳴り方は、モデルによらず、材質に依らず、意外だがあまり違いを感じない。しかし木部、もっと言ってしまうとネックではなくボディの鳴りが全くMIJと違うのだ、つまりUSのボディは、ただの板切れなのに内部に空洞があるくらい良く鳴る。嘘のようだが本当だ。だって生音の大きさが明らかに違うのだ。専門家に言わせると、ギターはネックが大切と言われることが多いし、私自身もある意味そう思っているのだが、こういった事実を突きつけられてしまうと、考えを変えざるを得ない。客観的な数値で表現できないのが残念だが、US製の場合、アルダーであれ、アッシュであれ、本当によく”鳴る”もしくは”響く”のだ。なにしろアンプなしでも弾いていて気持ちがいいのだ、嘘のようだが本当だ。ネックで作った弦の振動をボディで増幅しているかのような印象を受ける。MIJだって十分によく響くのだが、この部分はUSAに軍配を上げざるを得ない、残念だが。塗装とかネックのヒール、ボディのジョイントの精度などは、しつこいが明らかにMIJのほうがよくできていると思うのだが、ボディの鳴りだけはUSAの圧勝だ。比較的親しい楽器屋の店員さんがとにかくFCSを一度買ってみろと何度も勧めてくれたわけが手に入れてみて私にもよくわかった。必ずしも商売だけではなかったんだな、うん。それなりの楽器を複数本保有するようになって、気のせいではなく私の感じ方は事実なのだと信じるようになった。

どうしてこんなことになるのだろう?なんか悔しくないか?それなりの材料をつかい、きっちりと仕上げて、組み込んで、それさえがんばればいい音がするはずなのに。こんなに差があるなんて。自分の考えはこうだ。楽器に使われる木材はエレキの場合ほぼ全て国産ではなく輸入材だ。なので、同じ品質の材料を手に入れるのにかかるコストが圧倒的に違う。つまり、まず第一に、仕入れの値段が比較にならないほど違うのだ。さらに、輸送費のみならず、乾燥に費やす時間と手間、そのための設備などなど、まあ最終的にはコストに反映されるわけなのだが、現地と当地での木材到達に必要な費用がまったく違う。MIJの場合は、加工に使う機械、現場の職人の技術や情熱などでもろもろカバーしようとしているようだが、木材の質の差異は埋めようがないと思うのだ。調達のノウハウなんかもいまいちなのかもしれない。どうして長年ギターを作ってきた実績があるFujigenではなくダイナ製になってしまったのか。まあダイナも頑張っているのは間違いないので文句を言うのは申し訳ないのだが。また、MIJの場合は、USAと比較すると若干ブランド性に劣るし、販売戦略もあって売価を低めに設定する必要があるため(それでも最近の値上がりはえぐい)、コストを潤沢にかけるわけにはいかないのだろう。それで、最終的に我々消費者の手に渡る製品の木部の鳴り、USとJapanの間には、かなりの質の差が認められることになるのだろう。国産の楽器の仕上がりはそれは素晴らしいものだが、初めてWarmothのボディ(木部の質はやはり20年前の方がよかった)やネックを手に入れたときの驚きや、USACGの木部を手に入れたときの衝撃(まじですごかった)は今でも思い出すことができる。Warmothからはウォルナットのテレボディを、USACGにはPU構成を変えたアッシュのテレボディを作ってもらったんだっけ。不思議な気がするのだが、ネックに関しては日米の製品間に、意外だが大きな差を感じなかった。

ということなのだが、それでも初めて買う楽器には、国産をお勧めしたい。私自身、手元にあるMIJのFenderを、墓場まで持っていくつもりだ。

あ、そうそう。American Original Stratocasterをじっくりと評価する機会があったのだが、木部の鳴りはあまり感心しないレベルであった。AmericanOriginalと比べた場合は、JapanのLimited Collectionに軍配を上げたいと思った。ここまで読んでくれた人もあまりいないとは思うが、内容空虚な長文になってしまったので、ついでに書いておく。

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