SSブログ

2022_10_09   Richie Kotzen Strat [音楽]

2022_10_09   Richie Kotzen Strat



時間があったので弾きにいってみた。最近何度もお世話になっている某お店だ。店内の人は少な目であり、お店の状況は良かったのだが、私がテンションの効いたコードでネックの具合を試していると、近くで試奏している人がものすごくうるさい音で早弾きを始めてしまい、どうにもこうにも、、、ということになってしまった。楽器の評価どころではない。最小限の評価が終わってからは音を出すのをやめて、楽器のつくりをしげしげとチェックすることにした。なんか私に対抗心をもやしていたんだろうか、あの兄ちゃんは。彼はたぶんJazzが嫌いなんだろうと思った。そうではあったのだが、この楽器はかなりかっちりと作られており、その分かなり重いということが分かって大変良い収穫になった。持ってみた感じは個人的な限界と決めている3.5kを遥かに超えて4キロくらいはありそうだ。ネックは想像した通り私が好きなThick C(Large Cとは違うのだろうか)のシェイプであったが、どうもナットのあたりがスペック上は標準的な42mmとなっているものの、やや広めになっている印象を受け、低音側のネックの感じにやや不自然な違和感を覚えた。それでも掌が大きめのわたしにとってはかなり弾きやすいネックであり、指板のRは12”のまっ平にちかく、フレットは大きな太いものがついているという、現代的な仕様ではあるのだが、力をいれずに軽く抑えさえすれば、和音はきれいに響き、メロディは当然ではあるが弾きやすく音の粒立ちもよく、けっこうよくできたギターといった印象であった。長期在庫の店頭品ということだったのだが、塗装が傷に強い仕様であることも相まって、きれいな状態が維持されていた。値段はそこそこ下げられていたが、状態は悪くなく、店頭品の宿命で傷だらけというわけではなさそうだった。身近に置いても悪くない楽器だというのが私の判断だ。楽器はポリ・ウレタン仕上げではあったが、私にとってはボディより重視しているネックは全体にサテン仕上げになっていて、感触はなかなかのものであった。

お店の人はわりと丁寧に対応してくれて、お願いしたところKotzenTeleも気前良く弾かせてくれた。もういいんですかストラトは、とか言いつつだ。こいつはしかし手にした瞬間にだめだと判断せざるを得なかった。めちゃめちゃ重いのだ。そういう風に設定されてるのか、たまたまこの個体がそうなっているのか。国産の楽器はよく管理されているので、音のために意図的にそうなっていると思われる。つまりAshはスワンプアッシュではなく、野球のバットに使われるような重くて強い環境のいいところで育った、アッシュが選ばれているのだろう(しかし本人は、どこかのInterviewで明確にSwamp Ashと指摘している。本当のところはどうなんだろう。ダイナ楽器では重量を全く勘案していないということはないと思うのだが)。そういえば、70年代の一部のFenderが重ーいAshを使っていたように記憶しているが、私が試奏させてもらった楽器はまあざっと5キロはあるだろう。レスポールのカスタムといい勝負で、お店の人はレスポと思って弾いてくれと言っていた。笑うしかない。肩と腰に対する負担は半端ないのではないだろうか。私にははっきり言って明らかにムリだ。この楽器のネックは手元にあるBroadcasterとよく似ており、ネックサイドの肉付けが多めになっている、CというよりはUに近い断面となっていた。カタログにはLarge Cって書いてあるなあ、やっぱりThick Cとは明らかにちがうようだ。それでもネックのシェイプは悪くないと思ったし、楽器はかなりきれいな状態が維持されていたが、これはどう考えても重すぎるので、購入の可能性はないな、と判断してすぐにお返しした。手元のお気に入りのFenderMIJのネックシェイプがLargeCなのだが、この楽器のネックとはかなり設定が違うなあ、国内生産なのでデータはきちんと管理されている筈なのだが、なんだかいい加減だなあ、やっぱり楽器は弾いてみないとわからないということなのだろうか。まあそうなのだろうな。

ということで、ようやく重い腰を上げてKotzenのモデルを実際に見て直接触れることができた。短時間ではあったが、やはり実物を手にしてみることは大切だと実感した。楽器のことを脳内で妄想していても意味はない。やっぱり音を出してみないと。気になる楽器は、買う買わないはともかくとして、お店まで出向いて弾いてみないと何もわからないぞ、ということが大変よく分かった収穫の多い一日だった。

付記:以前購入したFCSの楽器を店頭で眺めてみたのだが、全く同じ設定の楽器の実売価格が2割以上高くなっていた。びっくりだ。とりあえず円が弱くなっていることを実感した。ちょっと悲しい。

付記:私がチェックした楽器はだれかが買ったようだ。楽器を増やさずに済んでよかった。これもやっぱりちょっと悲しいけれど。今回はGASに勝つことができた。

付記:この楽器、ペグはGotohの実用的で高級ではないもの、つまみはプラにしてヘッドを軽くしてある。ナットは人工骨が採用されており、品質のばらつきをなくして耐久性を上げてある。ヘッドのロッドキャップには、木ではなくビニル的なプラを使用、使用による傷が入りにくいように考えられているのだろう。ネックはサテン、ボディはグロスだがともにポリで実用に向いている。PUは出力高めだがヴィンテージの響きを残してあり、ブリッジはビンテージスペックそのものだ。全体のノイズは低レベルに抑えられており、シールド等で外部ノイズにも強くなっている筈だ。とうわけで、この楽器は実際にツアーで使うための、地味だがごくごく実戦的な仕様になっているものと私には思われる。実売価格15万円を切ったら適価と判断して手を出してみようか。ハードケースを付けずにギグバックにして実売価格を抑えているところも個人的には好感を持っている。この楽器しかもっていない人はおそらく少数派なので、それで十分なのだろう。私自身もそれで十分だ。今回実際に出会った楽器に手を出さなかったのは正解なのか失敗なのか、今後しばらくWatchしていれば答えが出るだろう。長年この手の楽器に携わっているので、お茶の水方面では、その時その時によって超お買い得の楽器が決まっているような気がするのだがどうだろうか。そのタイミングにたまたまそういった楽器と出くわし、それが好みに合えばいい楽器が廉価に手に入るということになると思われる。まあ市場に出る前に、お店関係の人ができのいい個体を抜き取ってしまうのかもしれないが。どうするか腹が決まったので、何か行動を起こすようであればまたここで報告したい。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。