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澤乃井 本醸造生酒 [日本酒]

12月19日
澤乃井 本醸造生酒 300ml 446円 小澤酒造株式会社 (お蕎麦屋さんでは680円でした)

都内の蔵元でも、いいお酒を造っているところがある筈だ、と、いろいろと調べて、澤乃井が良さそうだ、と感じて何度も何度も呑んでみた。価格が高いものも低いものも呑んでみた。私がこれまでに出会った全ての澤乃井には、共通する”印象”があった。”とっても辛い”というものだ。大吟醸などで、その印象から大きく外れたものもあると聞くが、私はいつも、”とにかく辛い”と感じた。最近は正直やや敬遠気味であった。そもそもお米が原料である日本酒に於いて、”辛い”というのは”あまり甘くない”という意味である筈で、何故に澤乃井はこんなに”辛い”ことにこだわるのか?蔵元はお酒の味をつくるプロであるのだから、故意にこの味を作っているのは間違いない、、、何故なのだろう?私にはわからなかった。お酒は本当に繊細なものなので、4合瓶か一升瓶で買って、自宅の冷蔵庫で安定させてから呑んで、時間をかけて評価するのを基本としているのだが、とあるお蕎麦屋さんでこのお酒を呑んで、私の疑問が氷解したので、例外的だが短い文章にしてみようと思った。

澤乃井を一口、口に含んでみる、、、、と、やはり”辛い”。素直に言えば”辛すぎる”。味、薫り、喉ごし、後味、、、値段を勘案すれば望外の品質で、"よくできている"とは思うのだが個人的には”幸せを感じない”。残念だ。しかしお蕎麦を手繰りながら、料理をつまみ、同じお酒を呑んでみると、がらりと印象が変った。美味い。びっくりだ。目からうろこ、というやつだ。若い頃には大量にお酒を呑んでいたこともあったが(現在もたまにそうなるが)、年齢を重ねてからは、お酒を呑むときは、肴のことなどはあまり考えず、お酒そのものを一生懸命味わうようにしてきた。真剣勝負のようなものだ。しかしこのお酒の真価は、おそらく食事をしながら呑んだときに発揮されるのだ。意外だった。

お蕎麦を手繰り、漬物などもつまみながら(脂の少ない和食であることが前提)同じ澤乃井を口に含むと、上記の”辛さ”がいい具合に料理の味を引き立て、料理の味もお酒の味を浮き彫りにする、、、という魔法が生ずることに気付いたわけだ。お酒は、燗がいいもの、冷がいいもの、多種多様だ。同じように、お酒そのもので楽しむべきものと、料理と一緒に楽しむ際に向いているものがあるようだ。このお酒は、脇役に徹することで、その真価を発揮する性格を与えられているのだろう。私はこのような視点を、最近ようやく持つことができた。なるほど。このお酒は”食中酒”なのだ!近いうちに澤乃井の一升瓶を買って、自宅で食事をしながら、上記の仮説を検証してみようと思う。私の日本文化に対する視野を広げてくれたお酒に感謝しながら。

また呑む?:Yes
印象    :東京都内の有名銘柄 ”辛い” 食事をしながら呑むことを計算したうえで醸しているお酒なのではないか。都内在住の日本酒愛好家はこれを呑むべし。私は澤乃井を数年間呑み続けて、この銘柄の良さがようやく理解できた。ようやく幸せになれた。
タグ:日本酒
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