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軽井沢 ふく吉  [日本蕎麦]

そば9月3日
軽井沢 ふく吉 大もり  1250円

突然思い立って車を飛ばして軽井沢を訪れてみた。深い山並みの中に突然都会が出現する様子は、規模こそ小さいものの、突然砂漠に現れる米国のラスベガスみたいだと思った。街並みをぶらぶらしてみると、気温も湿度も低く、吹き抜ける風もさわやかで、過ごしやすく心地よい気候だ。さすが軽井沢。しかし照りつける日差しが強く、車内は結構熱かった。幸いにして人通りはあまり多くなかったが、いかんせん店の数が少なく、選択肢も狭いため、ほとんど全てのお店がいわゆる”観光地価格”で営業されていたのには閉口した。物価だけ見ると、どこかの高級住宅街みたいだ。

この街のことはよく知らない。中心部の有名店を避けて、街はずれとおもわれる道路沿いのお店を予備知識なしに選んでみた。お店は掘立小屋風で、森の中に突然出現したような感じ。木のかほりがぷんぷんする。駐車場が比較的広いのが選択の理由だ。店中に入ってみると、がらんどうで、なんというか海の家風。窓が多く、風が入ってきて気持ちがいい。早速お水が出された。お茶ではなく残念だが、なにしろ山なので水がおいしい。ぐいぐいと飲み干してしまう。おかわりはなしのようだ。残念。すかさずいつものように大もりをお願いした。すると1250円!これは土地柄を考えてもやっぱりちょっと高いと思う。客は私一人であったので、お蕎麦をゆで、水で洗って水を切って、というすべての調理工程が手に取るようにわかった。10分ほどでお蕎麦が供された。

蕎麦つゆは猪口になみなみ、さらに小さな徳利に入ったものが一緒に、というスタイル。さらになぜかきゅーりのキューちゃん、水につかってかほりが飛んでしまった葱、なぜか謎の味付けがしてある山葵、などがお蕎麦と一緒にお盆にのって供された。お蕎麦には海苔がかかっている(私はこれが苦手だ。お蕎麦の玄妙なかほりが海苔の強い磯の香に負けてわからなくなってしまう)。キューちゃんはいらないかな?葱は葱らしいかほりがするほうがいいかな?山葵は普通の生のものがいいかな?と思った。山では山のものを、山で食べるように食べたい、というのは贅沢なのかもしれないが。

お蕎麦は確かに手打ちを思わせるもので、厚みは完璧に整っているが、幅がやや不揃いで角もわずかに丸まっている。全体にお蕎麦は短い。挽きぐるみの蕎麦粉を使ったような外見で、”星”が沢山ちりばめられている。歯触りはややぽきぽきとしていてほとんどつなぎを感じさせない。蕎麦のかほりは期待されたようにびんびん、というわけでなく、ほのかで奥ゆかしい印象。おいしいと思った。

蕎麦つゆはカツオ以外に、間違いなく煮干し、おそらくわずかな昆布の出汁を使っているようで、醤油と同時に塩を感じるような味。東京風とはかなり違い、高度の洗練は感じない、しかし丁寧に作られているのは間違いなく、これはこれでおいしい。

まず海苔の周辺を食べてしまってから、心ゆくまでお蕎麦のかほりを楽しみ、けっこな量をそのまま食べ、あとは蕎麦つゆにちょっとだけ浸して短時間で食べ終えた。のど越しではなく、噛み心地を、かほりではなく味そのものを楽しむような実直なお蕎麦だった。蕎麦つゆは、お蕎麦すべてを浸すことを前提に味が調節されているような印象。


その後蕎麦猪口に残された蕎麦つゆを徳利にもどし(ごめんなさい)、明らかに蕎麦をゆでるのとは別に作ったドロリとした蕎麦湯を、そのまま3杯半も飲み干し、満足してお店を出た。

御馳走様でした。いい旅蕎麦でした。

良い;蕎麦粉が良い 水が良い 空気も雰囲気も良い 
もっと良くなる;もう少しフレンドリーなサービス希望です もっとたくさん食べたいです 洗練より野趣を前面に出したほうが良いのでは、と思いました すいません
また行く?;Yes チャンスがあればまた
総括;軽井沢のお蕎麦やさん 街はずれのおそらくあまり有名ではないお店 丁寧に調理されたお蕎麦が楽しめる 値段が気にならなければよい店
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