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奥多摩 丹三郎 [日本蕎麦]

6月1日
奥多摩 丹三郎 せいろ 800円
Tanzaburo.jpg
奥多摩の山道をひたすら登っていくと、坂を上りきる直前に、山肌にへばりつくように立っている、古民家を利用したと思われるお蕎麦屋さんがある。何とか行ってみたいと思っていたのだが、私が愛用するクルマは、お店へと続く大きなギャップを乗り超えることが出来ない。つまり頭の悪そうなシャコタングルマに好んで乗り続けているため、これまで何度も涙をのんできたのだ。

しかるに本日は、車高の高めな普通のクルマを拝借して奥多摩に来ることが出来たので、喜び勇んで丹三郎に足を進めた。おお、着いたついた。久しぶりに目にする丹三郎だ。ギャップを乗り超えて蕎麦食いに行くぜ!よっこいしょ、、、、と、、、、。おなかをすることなく進むことが出来た。よしよし。初めて目にする風景なのだが、山肌へと向かう急なスロープを上がるとすぐに駐車場があり、山門をくぐって奥に進むと立派な和風の民家が建っている。意外と奥行きが狭く、お蕎麦屋さんの敷地はすぐに山へととけこんでしまう。この渋い建物がお蕎麦屋さん、ということのようだ。ふむふむ、なかなかよろしい。喜び勇んで店の中へ。靴を脱いで、親戚の家にお邪魔するようなスタイルでお店へ。わたしは本当はこの方式は大嫌いなのだが、背に腹は代えられない。お店は手を入れた古民家そのものであり、使い込んだ畳がいい味を出している。たくさんの座卓が並べられており、数人ずつのグループが各々でお蕎麦を楽しんでいる、、、、スバラシイ風景だ。純和風の建物ではあるが、一番外側にはしっかりとアルミサッシが入っており、現代的な技術もしっかりと取り入れられていて快適だ。蚊取り線香も焚いてあり、やや薄暗い店内は雰囲気たっぷり。“山で蕎麦食ってる”感にあふれている。

席に案内され、周りの人が歩くとぐわんぐわんと床が動く、なんだか華奢な畳が並べられた床の感触を楽しみながら煎茶を頂く。水が良いためだろうか、これはかなりおいしいぞ。佃煮的なお茶請けも同時に供された。そしてせいろを2枚注文した。だって大盛りは駄目だっていうからそうするしかないのだ。まず薬味が登場だ。小皿にさらし葱、その脇に新鮮な生山葵。各々鮮度が高く、葱はやや水にさらしすぎているきらいはあるが、新鮮でおいしい。例によってお蕎麦と一緒に食べることはせず、各々をおつまみの様に口にして楽しんだ。日本酒が欲しいがそれは無理というものだ。

さて、お蕎麦が到着した。せいろに乗せられた短めかつ細めの手打ち蕎麦だ。二八と思われる色で、薫りはやや控えめ。お蕎麦のお肌は穀物の粒ツブ感を表現している。さて、まずはそのまま、、、、、細いのになんだかもっちりとしており、ほのかなお蕎麦の薫りは鼻をぺったりとしてスースーと相当頑張らないと感じることが出来ない。逆に若干の小麦臭がある。こいつをしつこくクンクンしていると、近くで焚かれている蚊取り線香の渋い香りと一体化してしまって訳が分からなくなる。お蕎麦と蚊取り線香、残念ながらあまりいい取り合わせではないようだ。

それで、満を持してお蕎麦を多めに手繰ってお口に投入し、いつものように”もむもむ”とやってみる。細いのにもっちり感のあるお蕎麦で、のど越しも良い。コクはやや薄いかもしれない。もちもち感が突出して強いのがどうもナゾだ。それでもかなりおいしい。量も都心の有名店のように少なくはない。どんどんと食べてしまうが、、、おっと、蕎麦つゆをわすれていた。

ここの蕎麦つゆは小さな徳利に入れて供されたが、キンキンと冷やされている。人啜りしてみると、、、お醤油というかカツオというかアルコールというか、判然としない酸味を伴う微妙な発酵成分が鼻を刺す。何かがいたんでいるような感触にも似ており、たまに出会う味ではあるが、私はこの感じがあまり好きではない。ひねているというか。僅かに梅干を混ぜ込んである、という感触にも似ているようだ。全体にあまり濃くはない、さらりとした印象を与える蕎麦つゆ。上質か?そう思う。しかし残念ながら好みではない。お蕎麦との相性も、別々に味わった時の印象を超えるものではなかった。お口の中で結婚させても魔法はおこらなかった。残念だ。それでも前向きに蕎麦つゆ少なめでお蕎麦を楽しみ、短時間で完食した。人生前向きに楽しんだ方がいいよね。

その後別仕立てと思われる、とろりとしたポタージュ状の蕎麦湯を心ゆくまで味わい、何度か煎茶もおかわりさせていただき、最終的には”かなーり”満足してこの素敵な山のお蕎麦屋さんを後にした。作務衣を身に着け、畳にぺたりと座って接客するご亭主と思われる方と、おかみサン的な方、また、アルバイトと思われる方たちの応対と微笑みは、気持ちの良いものでした。せいろを2枚お願いしたのだが、多人数分作られたと思われるロットはお蕎麦が既にふやけつつあり、お葱の水キレも極端に悪かった。しかし2枚目はお蕎麦の茹で方、水の切り方、全て適切であり、まるで別の食べ物の様に感じられた。調理をする方が複数おられるのか、大量に茹で作業を行った際はどうしてもばらつきが出てしまうのか、本当のところはわからなかった。

良い;奥多摩にあるこだわりの(と思われる)お蕎麦屋さんの一つ。この地域で最も有名なお店なのではないだろうか。“いかにも”な門構えもよい。お蕎麦はなんというか上品な印象。客の平均年齢も高めな印象。
もっとよくなる;個人的な好みにすぎませんが、お蕎麦のかほりがもうすこしだけたっているとよりよいかも。このままでもちろんよいと思いますが、地元の蕎麦粉をつかったりするとなおスバラシイです。田舎風の黒くって太いお蕎麦もあるといい。
また行く?;Yes
総括;奥多摩の山里(なのだろうか)にある、古民家を利用した雰囲気のある有名店。遠路はるばる訪れる方たちも多いらしい。
トイレ;手入れが行き届いており、快適に使用できた。

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