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先達のお仕事 [音楽]

先達のお仕事

どうしてもアンプのノイズがゼロにならない。
多少は経験があるオーディオアンプと比べて平滑のためのコンデンサの容量が少ないからか?
整流に真空管を使っているから?
アースの落とし方が一点アースではないから?
などなど、なかなか思うように任せない。
それで、先達のお仕事を参考にさせていただくことにした。

私は手先が器用で木工の経験豊富であるためギター関係の作業を誰かに教えていただいたことはなく、自分で勉強して情報を集めてやっているのだが(まあ結局先達の知識を何らかの形で拝借しているのだが)、ギターアンプ関係はこの方が教えてくださる情報なしにはとても始めることができなかっただろう。

私のブログを読んでいる方の数は少ないので、先方のご迷惑となることは無いだろうと思うが、
http://hayashimasaki.net/WP2/ こちらの方だ。勝手に心の師匠と呼ばせていただいている。
さまざまな方面に才能をお持ちの方らしく、現在はなんと外国にお住まいとか。

それで、この方がサイトで紹介されているアンプヘッドのキットが売られていることを知った。
http://www.wakamatsu-net.com/cgibin/biz/pageshousai.cgi?code=49160071&CATE=4916
お値段は必ずしも安くはないのだが(すみません)、自分を教育する教材、まあ自己投資と考え、また、(一方的に)お世話になった方への小さなお礼にもなるかな?ということにして、お小遣いをためて?購入した。まあ、買って組み立てて比べてみたかったのだ要するに。プロと自分のスキルに実際はどれくらい距離があるかを知りたかった。

基本はやはりチャンプなので、配線はさほど時間がかからず終了。キットに付属していたいくつかの部品が申し訳ないが気に入らなかったので生意気にも自前のものに変えさせていただいたが、短時間の奮闘で、なかなか男前のアンプに仕上がった。配線なども自前のものを用いたのだが、これはもうすこし太いもののほうが安心できそうだ。しかし今のところ使用上問題はない。トランスや真空管の配置や配線のやり方などにもいろいろとノウハウが詰まっているようで、交流系の回路からのノイズが入力系の回路に入ったりしないように配慮されているように見える。実際の配線は、グリッドに行く配線をもっと短くするなど(これは大事らしいことを最近知った)、組み立て方をもうすこし洗練する必要がありそうだが、とりあえずそこそこニートな感じに仕上がったと思う。どうも写真よりも事物ものほうがカッコよく仕上がっているようなきがする(自我自賛)。この写真は実は電解コンデンサをオリジナルのものにパラに抱かせて追加したり(すぐに取り外すつもりなので、いわゆる”ちょんづけ”だが)、抵抗の代わりにチョークコイルを挿入したり、NFBを可変にしたりと、本来のキットをすでにモディファイしたもので、さらにエフェクタとしての機能も殺してある。
Inside (2).jpg

それで音を出してみると、素のままでやってみると、それなりにハムが乗っており、つかえないというほどではないが結構気になる感じだった。自分が作った奴よりも雑音が多いようで、自分のアンプもなかなかなのかも?などと感じられてちょっとうれしかった。しかし出音それ自体は非常に軽く、なんというか初々しい音で、弾いていて心が洗われるようないい音が出る。このアンプ、付属してきた真空管は、お世辞にもかっこよいとは言えぬ某国製のものであり、接着剤がはみ出ていたり、端子が曲がっていたり、とてもいい音が出そうにないのに、である。コンデンサや抵抗などもどこにでもありそうな汎用品だ。それでも最終的には、いつまでも楽器を弾いていたいような、そんなすがすがしい音が出るアンプとなっているのだ。ノイズも確かにそれなりにあるのだが、さほど気にならない。さすがだ、と思った。教科書通り、交流系と入力系がそれなりにきちんと分かれており、アースは段ごとにまとめてからシャシーに落としてある。また、シャシーが深い(高い)ため、深さを利用して遠ざけたい信号同士を遠ざけることも意図して設計されているようだ。

それでオリジナルの回路に整流用のコンデンサをパラで足してゆくと(こんなやり方も上記のWebで教えていただいた)、、、、おお、ハムがものすごく減った。それから電源回路の抵抗を外してチョークに変更してみると、、、、なんだか音がぷりぷりして、さらに雑音が減ったようだぞ。最後にNFBを可変にして抵抗値を小さくしてみると、これは当然だが雑音がさらにさらに減って、ポットを全開にしてもほぼ完ぺきに静かなアンプとなった。楽器をつないでポットを絞り、アンプ側のボリュームを全開にしてもスピーカーは静かなままだ。ほぼまったくノイズがない。オーディオアンプとしても使えるレベルだ。これは素晴らしい。

私が自分の考えを多少なりとも盛り込んで作ってみた(古典回路のモディファイに過ぎないが)アンプより、基本設計がしっかりとしている、もしくはアナログ的な回路の完成度が高いためだろう。部品のグレードこそ低いものの、出てくる音は、まあ、好みにもよるが、かなり上質であり、さらなるモディファイにも実に素直に反応する。素晴らしい。完敗だ。やはりプロと私との差は大きいようだ。今後も少しずつ精進するしかない。

このアンプ、出来上がった時点でほしい方がいたらいお譲りしようと考えていたのだが、もうしばらくこの小さな筐体に詰め込まれたノウハウを追求すべく掘り進んでみようと思っている。いじり壊さないようにしなければ。ああ、やっぱりいい音してる、このアンプ。Outlook.jpg
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Takeda

Dr.KJ おはようございます。
また、お忙しいところとは思いますが、失礼いたします。

若松のアンプキットですが、今週の月曜日に届きました。
「真空管ギターアンプの工作・原理・設計」
もセットになっていて、やっと入手できました。Webサイトにない情報もあり入手できてよかったです。PDFのダウンロードサービスもあり、早速端末に入れて時間を見つけては勉強中です。
週末は薪割りとか冬前の畑仕事やルービーの仕込など色々ありますが、仕舞い込んだ道具を揃えて、じっくりと作り始めたいと思ってます。
Dr.KJは整流の10kΩをチョークコイルに変えられたようですが、どんなチョークコイルに変えられたのでしょうか?
また、画像からですが、22μFのコンデンサーに33μFを足しておられるようですがどのぐらいの値が良いですか?
当然、出来上がったアンプで違うのだとは思いますが。
遠いのですが、近々に部品屋に買出しに行こうかと思っています。

by Takeda (2016-11-19 10:42) 

kwenji

Takedaさんコメントありがとうございます:

私の場合、いろいろと調べて、10Hのチョークコイルを選びました。東栄のP75だと、280Vの場合75mAまで取り出せるので、
余裕をもって電流を流せるものを選べばとりあえずは
いいのだと思います。

コンデンサ増量は、足す場所にもよるのですが、突入電流等の
問題もあるため、このアンプのあの場所に加える場合は、50μまでなら安全と思われます。100μまでOKという人もおられるのですが、根拠不明のため私は合計50μ前後としました。耐圧が高く容量が大きなコンデンサは高価ですしね。

以上の修飾で、アンプは別物のように静かになりますが、音質が大きく変わります(主観ですがBlues向き→Jazz向きに)。ですので、ひとつづつ変化を味わいながら試してみることをお勧めします。私の技術的理解が不十分なため、わかりにくい部分があったらスミマセン。At your own riskでお願いします。くれぐれも高電圧に注意してくださいね。

Dr.KJ
by kwenji (2016-11-23 19:23) 

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