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日本のクルマを買ったよ -遠乗りは座禅みたいだ- [クルマ]

日本のクルマを買ったよ -遠乗りは座禅みたいだ-

FD2を駆って出張だ。もう齢なので無理はきかないのだが、ドライブとなれば話は別であり、何時間でも延々とクルマをころがすことができてしまう。今回は約700㌔のドライブを楽しむ予定だ。人生最長のドライブは、一日1500㌔だったので、700㌔はわたしには“ちょうどいい距離”だ。長距離ドライブを延々としていると、やってみればすぐにわかるのだが、なんだか心身がいわゆるトランス状態になる。具体的にどういうことかというと、私の場合は、ドライブ開始当初はいろいろなことが心に浮かんでは消え、という状態が続くのだが、タンクが空になるころ、つまりうちのFD2の場合、400㌔をすぎて給油が必要となるころには、心が空っぽで真っ白な状態となり、ただ前を見て、クルマを前に進める事だけを考えている、というか、意識がおかしな状態になって、クルマと自分が一つの塊のようになって、クルマの操作をほとんど意識しなくなる。座禅を組むっていうのはこんな感じなのではなかろうか。残念ながらオヤジとしては心身にガタがきているので、たまにギヤを入れ間違えたりしてものすごくびっくりする。しかしこんなドライブを楽しめるのも、走行性能が優れており、敏感に操作に応えてくれるFD2あってのことだ。まるで私の手足がそのままつながったようになって走ってくれる。

暫く遠乗りをしていなかったので、ドライブ開始当初は足回りもエンジンもなんというかちょっと渋い感じなのだが、距離を伸ばすにつれてだんだんと抵抗が減ってゆくのが面白い。ロードホールディングノイズそれ自体は減りようがないのだが、体全体で感じる走行も徐々に変化してゆき、一定の距離を走った後はなぜかタイヤやサス周りからの音が低くなってエンジンの音、それもヒュイーンという吸気音が目立つようになる。自分の耳と脳が走ることに適応して感じ方が変わっていくのかもしれないけれど、これも興味深い体験だ。

パクられるのを気にするとドライブに集中できないので、信頼できる筋から教えてもらった“どこを走っても大丈夫な速度”に右足を設定して走り続ける。FD2にはクルコンのようなものは当然装備されておらず、足と耳とお尻のセンサーを総動員して速度をKeepするのだが、これも距離を重ねるうちに体が勝手にするようになる。これも長距離を何度も走ってみないとわからない面白い現象だ。

たまに給油やトイレ、水分補給のためにPAにクルマを停めると、頭が車の速度に慣れきっているために、歩く速度での移動がひどく苦痛だ。陸にあがられてしまった魚の気持ちが良く分る。のろのろと歩き、すごすごとFD2に戻る。しかしエンジンに火を入れてしまえばこちらのもので、また再び元気よく車の心地よい振動に身を任せ、すぐに懐かしいトランス状態に突入する。ああ、これはけっこう気持ちが良い。私のクルマはありがたいことに結構燃費が良く、ぞくぞくするような加速を楽しまず、そこそこの燃費運転を心がければ、高速を走った場合リッター15㌔近くまで燃費が伸びる。だからタンクひとつで間違いなく400㌔以上は走れることになる。スポーツカーとして、この燃費は素晴らしいとおもう。

ドライブはやっぱり景色を楽しめる昼間がいい。しかし仕事となれば我儘を言っていられない。夜の日本をトランス状態となって何時間もひた走り、深夜になってようやく職場に到着したのだった。安全な駐車場の確保に少々手間取ったが、ガードマンさんに手伝ってもらって何とかすることが出来た。数日間この場所で仕事に集中するのは結構大変だが、
仕事を終わらせた後のドライブが楽しみだ。どれだけ運転が好きなんだろう、と自分でも呆れてしまう。

日本は小さな国なので、二日もあれば端から端まで走りきることが出来てしまいそうだ。しかし大都市~田舎を問わず、隅々まで整備された鏡のような道路と、山も川も海もあるという変化に富んだ景色はいつ走っても最高だ。時間と体力に余裕があるときに、ジジイになってハンドルが握れなくなるまで、何度でも遠乗りを楽しみたいと思っている。

タグ:HONDA FD2
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