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高崎 もりや おおもり 550円! [日本蕎麦]

高崎 もりや おおもり 550円!


所用があって高崎に。高崎には若かりし頃何度も訪れたが、いずれも電車の旅行だった。釜飯とお茶を買って電車の中で楽しんだことを昨日の事の様に覚えている。高崎と言えば釜飯、しかしお蕎麦もいいらしい。Takasaki Station.jpg

クルマを止めて、さっそく駅前をほっつき歩いてみる。私にとってそれが一つの旅行の醍醐味だ。しかしここは、、、Week‐Dayの夕方であることを織り込んでも、駅前はなんというか今一つ活気が無い、ちょっと寂しい感じだ。遥かに臨む山々の景観はさすがに素晴らしいが、駅の周りももう少し高崎らしい、いい味出していたらもっといいな、と思った。残念感が漂う。地元の方ごめんなさい、勝手なこと言って。FD2 in Takasaki.jpg


自分的にここを訪れた際のMust-itemである“峠の釜飯”を買うのにずいぶんと手間取ってしまった。最後はあろうことか駅近にあるデパ地下にまで足を運んだ。しかしそこは小さな東京駅のようなもので、いわゆる“名店”、見たことのあるお店が目白押しで、高崎にいるのか東京にいるのかわからないほどだった。地元の名店らしいテナントは、残念ながらあまり入っていないようだった。しかしデパガのオネイサン達はちゃんと可愛かったことはきっちりと記しておきたい。それで結局デパートでは釜飯は手に入らず、JRの駅まで足を運び、釜飯が届くまで30分ほど待つことになった。それでようやく釜飯を手に入れて、重い包みを満足して抱えながらクルマにもどった。苦労して手に入れただけあって、それはそれはおいしい釜飯だった。


しかしお蕎麦をもとめる高崎蕎麦プロジェクトはさらに困難を極めた。これまで何度かへまをしたので、駅周辺の評価が高いお蕎麦屋さんを5つほどチェックしておき、上から順番に行ってみた。信じられないことに5か所すべてに振られ、最後にたどり着いた駅前で呆然としてしまった。そじ坊 を見つけたが、ここまでやって まさかそこでお蕎麦を手繰るわけにはいかないだろう。しかし小旅行と釜飯も楽しめたからもういいか、と、気を取り直した。その際にたまたま目に入ったのが もりや というお蕎麦屋さんだった。このお店はお寺からほど近い道路の交差点に面しており、拝見したところいわゆる自社ビルでお蕎麦屋さんをやっておられる。まだ新しいお蕎麦屋さんのビルは、背筋の伸びた、りりしい面構えをしている。情報は全くないが、このお店に入ってみることにした。おそらく良心的なお蕎麦を供しておられるだろう、と予想。古くからやっている門前蕎麦、しかも建て替え直後、というのが私の読みだ。値段もおそらく良心的だろう、と。もりや.jpg


お店の入り口は引き戸になっているのだが、自動ドアの電源を切ってあるため手動で重いドアを開けなければならなかった。びんぼなのか?そうなのか?やっぱり流行っていないのか?、、、中に入ってみると、まだ若いご亭主が。店内には誰もおらず、つい“やってますか?”と尋ねてしまう。“はい”と困惑した様なお答え。やばい展開だ。それでテーブルに腰を据えた。店内のテーブルには、お子さんのものと思われるランドセルが置いてある。これはいただけない。お客用の空間に生活を持ち込むお店で、おいしいお店にあたったことが無い。この時点で私は全てをあきらめ、運命に翻弄されるままにすることにした。これはだめかも。なにがおきるだろう?

供された蕎麦茶は生ぬるく、これからおこるであろうことに対するの不安をいやがうえにもかきたてる。私の蕎麦愛をずたずたにするような、恐ろしい世界が展開されるのかもしれない。ドキドキしたりして。つぎはなにがくるのか?すえた匂いのおしぼりか?走り回るガキなのか?しかしご亭主は乏しい表情でごくまっとうに注文を取ってくださった。私のオーダーはもちろん おおもり だ。しかしこの おおもり、550円だという!これはスバラシイ!とげんきんな私はすぐに機嫌を直してしまった。そしてボーっとして知らない街の風情を楽しみながらお蕎麦の到着を待った。そうすると、調理場から聞こえてくる音から察するにかなり真剣にお蕎麦を茹で、水で冷やし、水を切ってくださっているようで、それなりに、しかしリーズナブルに時間がかかった。これはいいサインだ。不安が小さな期待にかわった。そしてご亭主は角盆をさっそうと棚から取出し、お蕎麦をせいろに乗せて、、、、その後もうすこしなにかごにょごにょして、、、おおもりの到着だ。さてさて、いただいてみよう。

角盆はよく洗われたプラスチック。その上に乗った使い込まれた四角いせいろ、ざるは竹ではなく、今は懐かしい緑色のビニールのようなもので作られている。いま時まだ!と感動した。小皿につまみになりそうな山菜、さすが山国だ。さらにこれはちょっと残念だが、別皿にやや乾いてしまった、しかし野性的な葱の輪切りと、それから山葵漬けのような風味が付けてあるなかなかおいしい山葵。悪くない。クルマなのでお酒を頼めないことだけが残念だ。

それで竹の箸をバキッと割り、さっそく数本手繰ってみる。これはつなぎの薫り、、、しかしその後に控えめにお蕎麦の薫り。馬鹿にしたものではない。かなりの割合でつなぎが混ぜ込まれてはいるが、丁寧に調理してくれているので細めのお蕎麦はシャキッと角が立っており、ピカピカと輝いていかにもおいしそうだ。おそらく自家製麺、しかし手打ちではないようだ。大き目の星がところどころ、、、というか稀に散らされているのもいい。見た目からしていかにも小麦系と思われるつなぎ成分の多そうなお蕎麦なのだが、味も香りもそれを裏切らないところがいい。そして丁寧な調理が好感。お客さんがいなかったからだろうけれど。ともかく、お蕎麦はなかなかおいしいと思った。派手さもなく個性も強くはないが、毎日食べるような、飽きのこないタイプのお蕎麦だ。盛りの大きさは素晴らしい。やはり良心的だ。

蕎麦つゆは、、、やや薄目だが小魚の出汁が目立つような、それでもしっかりとカツヲもきいているこちらも良心的なものだった。まとまりはやや不十分かもしれないけれど。しかしお蕎麦に比べてバランス的に力が弱く、細め固めのお蕎麦を、たっぷりと、というかどっぷりと付け込まないとバランスが悪いと思った。ともかくそれで、どっぷりつるつるとお蕎麦を楽しんでいたのだが、竹のお箸の薫りが強く、それが食事の邪魔をするのが残念だった。薫りのすくない、木の割り箸を使っていただけるとBetterかもしれない。飛び込みで入った もりや さんだが、お値段を考えると良心的かつ十分においしいお蕎麦であった。お蕎麦屋さん探しを頑張ったかいがあったといえよう。食事の終わりに近くなると目ざとく別仕立てのドロリ系の蕎麦湯を持ってきていただいたこともありがたかった。

何の予備知識もなく玄関をくぐったお店としては上々のお蕎麦との出会いを楽しみ、おなかをすこし大きくして、のれんをくぐりって 高崎の空を見上げたのだった。

良い;高崎駅前の素晴らしいロケーションにあるお蕎麦屋さん。長く商売をやっておられるように見受けられ、いかにもお蕎麦屋さん然としている。誠実な調理、良心的な値段とお蕎麦の量。出前もやっておられるのかも。
もっと良くなる;こんないい場所におそらくは自社ビルを構えておられるのだから、もうすこしやる気を出してお店の特色を出していけばものすごく流行るのではないでしょうか?そういうのはもう時代的にはやらないのかな?人が少ないのかな?まったり末永く、という商売をしておられるのかもしれない。しかしお店にランドセルはおやめになったほうがいい。また、食器をもう少し良いものにすると、お店の格がぐっと上がるように思う。頑張れ、地方のお蕎麦やさん!偉そうにスミマセン。
また行く?;Possibly
総評;高崎駅前の、旧くからやっていると思われる門前お蕎麦屋さん。建物を新築して間もないため清潔感がある。地元の方たちの生活に溶け込んだ良心的なお店のようだ。
トイレ;未使用
駐車場;駅の駐車場があるかな?

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