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浦安 長盛庵 めん秀 おおもり 650円 [日本蕎麦]

2016年10月 浦安 長盛庵 めん秀 おおもり 650円

ドライブ中に何度か目にして、気になっていたお店についに入ってみることができたので報告したい。隠れた良店かもしれない。わくわく。お店の裏に車が停められるようになっており、そこから厨房をのぞくことができる。必ずしも和風のお蕎麦屋さんの雰囲気が漂っているわけではなく、ステンレスの調理台などが雑然というか整然と並んだ、漢らしい仕事場のように見受けられた。さて。足を踏み入れる。

“ラッシャイ”“ザース”。威勢の良い掛け声。何を言っているか全くわからないが気分はいい。さてさて。しかしお店の中にお客さんは誰もいない。大丈夫なのか?店内はなんというか、喫茶店風味であり、小ざっぱりとした印象を与える。木が多用されている内装は、コンサバで居心地はよいようだ。早速テーブルを選び、メニューに目を通した。もりそば600円?大盛りは申し訳ないが50円増しになりました?ちょっと前まではただだったって?それは良心的だな、、、。手打ちのお蕎麦やさんなのに。感銘を受けつつ、例によって大盛りをお願いした。“ザース”“アラヨ!”なんて言っているのか全くわからないが、気合が入っている。

厨房には初老の男性、若年男性、それから少年が2名ほどおり、全て男性だ。威勢がよく活気があってなかなかヨロシイ。冷たいお茶を飲み、ニコニコしながらお蕎麦を待つ、、、待つ、、、待つ。ずいぶん時間がかかるね。それでようやくお蕎麦が供された。誠実に調理をしておられる印象。期待はいやがうえにも高まる。

角盆にせいろ、蕎麦猪口が徳利に乗せられているスタイル。蕎麦つゆを飲み干したくない私には好ましいやりかただ。小皿にはやや大振りなさらし葱。わずかにごまが散らされていて芸が細かい。山葵はさすがに粉のようだ。全体にいい雰囲気を醸し出している。お蕎麦はぬらぬらと怪しい光を放ち、穀物を思わせる表面の粒々が確認できる。わずかに不揃いかつ大粒な星が散っている。標準的な太さのお蕎麦のエッジはやや丸まっている。全体にわずかに縮れている印象。手打ち機械切りかな?と思ったのだが、きれっぱしのようなものも混入している。だから本物の手打ち二八なのかもしれない。いつものようにお鼻をペッタリ、クンクンしてみると、、、、。かなーり強烈に氷で〆てあるようだ。お蕎麦はちょっと冷やしすぎかな?それで薫りが抑えられてしまっている。しかし小麦の鮮烈な薫りの彼方で、小さく“お蕎麦!” “お蕎麦!”と、蕎麦粉のかすかな穀物の薫り。私的には“栗のような”薫りが主張している。これはどうも本物みたいだ。これで650円だぜ!スバラシイ。数本手繰ってみると、なかなか力強い、喉を刺激しながらお腹に入っていくような、力強いお蕎麦だ。おいしいではないか。

次は蕎麦つゆにとりかかろう。徳利から蕎麦猪口に少量の蕎麦つゆを注ぎ、やや黒っぽい色合いを確かめながらすすってみる。出汁、醤油、甘さの三角でいうと、バランス的に醤油がすこし勝っているようだ。カツヲの主張がやや弱い、というか、宗田節的なワイルドさが目立つというか。出汁の下支えはやや薄いかもしれない。しかし全体にまとまった、さっぱりとおいしい蕎麦つゆではある。お蕎麦を7割くらいくぐらせるとちょうどいいのかな?

やってみると、、、、おいしい。お蕎麦に蕎麦つゆが負けてしまっているようではあるが、お蕎麦を蕎麦つゆに全てくぐらせれば(ちょっとカッコ悪いけれど)バランスの良い味になる。喉越しではなく、よく噛んで、お口で食べるようなタイプのようだ。“もむもむ”とやりながら、無念無想のお蕎麦時間に没入。しかしお蕎麦というのは一瞬でなくなってしまう、はかない食べ物なのね。まるで日本の美意識そのものだ。桜の花みたいだ。オジサンなので詩的な感興にふけるのはそれ位にして、お葱と山葵は例によっておつまみのように食べてしまった。山葵はやはり粉だが、良質なものだ。茹で汁そのものと思われる蕎麦湯をいつものように三杯楽しんで、満足してお店を後にした。ごちそうさまでした。いいお店でした。

良い; 廉価だが本格的なお蕎麦、さっぱりとした雰囲気、接客、店づくり
もっと良くなる;このままで十分かな?
また行く?;Yes
総括;大きな道沿いにある、質実剛健なお蕎麦やさん。コスパはすごく高い。廉価に本格的なお蕎麦を供する良店。アクセスが悪いのが玉に瑕

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