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鎌倉 竹庵(ちくあん)  [日本蕎麦]

鎌倉 竹庵   ざる おおもり1015円+税
ちくあん.jpg

これからは、形式にこだわらず気楽に記載させていただくこととしたい。

鎌倉から狭い道をずいぶん遠くまで歩いてたどり着いた竹庵。近くにはお年寄りの入院施設なども多いようで、お客さんの平均年齢はかなーり高めだった。外装は真っ白な、素敵な蔵のような装いで、内部も和風。おそらくまだ新しいのだろう、全体に清潔感が漂っている。これは私のような清潔病の人間にとって歓迎すべきことだ。素晴らしい。感じの良い花板さんに小さなテーブルに案内された。疲れていたのでついつい日本酒をお願いしてしまった。いい味を出している酒器で供されたのだが、小さな猪口の吞み口のあたりの色が変わっている。使ってみるとちょっとした臭みがあり、洗浄か乾燥が不十分であるらしいことがわかった。残念だ。しかし出していただいた煎茶などはかなりのレベルであり、頑張っておられるお店であることは間違いない。見なかったことにする。

気を取り直してお蕎麦を。四角い盆にのせられた“ざる“には、更科系と思われるような真っ白なお蕎麦が。中細でエッジがしっかりと立っており、長さは長めで星は当然皆無だ。ガッツリと冷やされているので、お蕎麦の薫りは控えめで、逆につなぎが鼻につく感じだ。お蕎麦の温度が上がってくるまでちょっとお酒を呑んでまっていよう、、、、しかしこのおちょこには閉口だ。それでも鮮烈な薫りを漂わせるさらし葱と、一仕事加えられたかのような深みのある辛さを感じさせる粉山葵をつまみつつ、おさけのツキダシと思われる上品な山菜も大切に味わいながら、しばらくお酒をすすって待ってみた。といっても数分のことだが。だってお蕎麦は生鮮食品なのだ。供された瞬間から刻一刻と状態が変わっていくのだ。一番おいしい状態で手繰らないのは犯罪だ、、、。まあ、そんなに気合を入れる必要もないけれども。

書き忘れたが、メニューには“ざる”と記載されている。だから当初から恐れていたように、供されたお蕎麦の上にはパラパラと海苔が散らされていた。質の良いものを使っておられるらしく、それ単体としては非常に好ましい海の薫りが漂っている。しかし海の薫りは残念ながらほのかで繊細なお蕎麦の薫りを完全にスポイルしてしまっている。これは許せん!周囲の視線を完全に無視して海苔だけを食べつくし、その後ようやくお蕎麦に集中したことを報告しておきたい。人生短いのだから、人目なんか気にしなくっていいんだぜ。大事なことなんか少ししかないじゃん?オレが生まれた横浜じゃあそんな風に言うんだぜ。

蕎麦つゆは文句のつけようのないもの。まあ、好みもあるが。神田まつやの甘みを減らし、全体に薄くしてその分出汁を利かせたような感じ。海が近いので海産物を豊富に廉価に使えるのかもしれない。お蕎麦とのバランスを考えると、8割がたお蕎麦をくぐらせるくらいが良いだろう、と判断した。それはともかくお蕎麦はまだか?

それで徐々にお蕎麦の温度が上がってお蕎麦の薫りがなんというか“開いて”きて、いい感じになったところで手繰ってみた。確かに薫りはややつよくなっている。バランス良し、喉越しも良く、むちょむちょというよりはややぽきぽきとしたようなお蕎麦だ。古都のお蕎麦らしく、上品でさっぱりとしていてなかなかおいしい。お店がもう少し明るくされていれば細かい観察もできたのだろうがまあそれはそれでいい。

意外だが大盛りは文字通り大盛りになっており、量的にも満足してお蕎麦時間を完了した。蕎麦湯はおそらく実際の茹で湯であり、さっぱりとしたものだった。さらにお茶をいただき、清潔なトイレをお借りして、一息ついてから帰途についた私だった。

やっぱり生まれ故郷は理屈抜きにはいいな、、、。

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