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久米川 蕎心庵 せいろ おおもり 900円 [日本蕎麦]

久米川 蕎心庵 せいろ おおもり 900円

お目当てのお蕎麦屋さんに席が見つからず、ぶらぶらと歩いていたらこのお店を見つけた。ビルの一階にある小体なお蕎麦屋さんで、“びびび”と来たので扉を開けてみた。年季の入った店内はそれでも清潔感が保たれており、小さなテーブルに一時の憩いを求めることにした。良心的な値段の日本酒をすすりながらおおもりをお願いしてお蕎麦をまった。

ご亭主はややお年を召した方のようで、几帳面にお蕎麦を調理しておられる。板場からは中年の女性の声も。あとは奥様と思しき小柄な花板さんだ。テーブルから拝見していると、きっちりとお蕎麦の重さを測っておられる。おそらくゆであがりまでの時間などもモニタしておられるのだろう。予測したよりも柔らかめに見える生蕎麦の重さを測って、、、おお、茹で湯に投入したようだ、、、。気合が入っている。これは期待できそうだ。

供されたお蕎麦は角盆に。よくある使い込まれた朱塗りのせいろには中細で太さと長さが整わない、しかもなよなよとした印象の、穀物の粒子がちょっとだけ見えるような、エッジがやや丸い平打ち気味のお蕎麦。西荻窪の本村庵のお蕎麦をすこし太くしたような感じ?石臼挽きと書いてあったが、玄蕎麦の挽き方と関係があるのだろう。星はあまり目立たない。蕎麦猪口の中ではなく、徳利に多めの蕎麦つゆ、これは助かる。さらに小皿にさらし葱と生山葵、といった供し方。さっそくお蕎麦を数本手繰ってみる。もむもむ、、、と。ややごわごわ感のある噛みしめたくなるようなお蕎麦で、全体に短めなので喉をつんつんと刺激しながら胃の腑に落ちていく。なるほど。なかなかいい。それではお蕎麦の薫りは、、、と。あまり派手な穀物の薫りは漂わないようだ。それでも遠くの方でではあるが、栗っぽいような甘ったるいような印象を楽しめる。おそらく十割蕎麦と思われるのだが、私のお鼻と舌は、僅かなつなぎを感じる、、、。まあ、おいしければいいのだ。よし、それでは蕎麦つゆに、、、。これは神田方面の老舗と比較するとかなりさらさらとした蕎麦つゆだ。しかしわずかに発酵系のうまみが加えられており、すすってみるとなかなかおいしい。蕎麦とのバランスなのだが、7割がた蕎麦つゆをくぐらせるといいようだ、、、。いかんせんお蕎麦が短めなので、お蕎麦と蕎麦つゆのバランスはとりにくいのだが、細かいことを気にするのはよそう。ここは心のオアシス、お蕎麦屋さんなのだ。あとは無心でどんどんとお蕎麦を手繰り、あっという間に充実の蕎麦時間を終えたのであった。さらし葱は切り口がシャープかつきれいで、きっちりとお水を切ってあって秀逸。また、生山葵はおそらくサメの皮か何かで細かく丁寧におろしてあり、これまた秀逸。鼻水を垂らしながら、最後まで堪能させていただいた。その後小さな湯桶に入った、ややカツヲを感じさせる蕎麦湯を全て堪能し、お店を後にしたのであった。残された蕎麦つゆを蕎麦湯で割ってみたのだが、素性の良さを感じさせる蕎麦つゆであった。(私は蕎麦つゆはそのまま楽しむのが好み)

飛び込みでうかがったにしては、”アタリ”のお蕎麦屋さんでありました。ごちそうさまでした。



2018/3 再訪 せいろ おおもり 900エン

このあたりでお気に入りのお蕎麦屋さんが臨時休業であったため、久しぶりに暖簾をくぐらせていただいた。以前に楽しませてもらったお蕎麦の印象はもう薄れてしまっていたが、供された良心的な蕎麦の盛りには好感をもった。味わってみると、、、前回記載した内容とお蕎麦に関する印象はほぼ同じだ。お蕎麦の薫りがもうすこし強めに感じられれば、なかなか良いお店だと思う。ただ、客足あしらいが少し雑かもしれない。

ともあれ救われました。ご馳走様でした。もうすこしでお蕎麦の禁断症状が出るところだった、、、。


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