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本八幡 ながせ せいろ 大盛り 750+300エン [日本蕎麦]

本八幡 ながせ せいろ 大盛り 750+300エン
        景虎        650エン

本八幡の長年の宿題となっていたこのお店、ようやく訪れることができた。店内は清潔で、床は板張り、壁は漆喰、音楽は古いJazzだ。いい雰囲気を醸し出しており、よくあるパターンではあるがやはりそこはかとなく居心地がいい。なんでいままでここに来なかったんだろう。駅から遠いからかな。歩くと結構いい運動になる。

小ぶりのテーブルに陣取って、いつものようにお酒をすすりながら、というかぐびぐびやりながらせいろの大盛りを待つ。お酒には小ぶりな漬物の一皿が付き、何ともありがたく、いい気分だ。それでお蕎麦が到着した。四角いせいろ、蕎麦猪口と蕎麦ツユの徳利。小皿には少量の葱と生山葵だ。私の好きなパターン。角盆も木でできており、よく拭き込まれて清潔感がある。割りばしもすすけたような竹で、これも好感が持てる。やや厚めの紙ナプキンも、布ではないが悪くないと思う。

さて、お蕎麦だ。細切りでエッジの立ったやや透明感のあるお蕎麦は、星が目立たず、穀物の粒子をあまり感じさせないタイプ。手打ち機械切りということなのかな?二八なんだろうと考え、お鼻をペッタリクンクン。いつもの儀式だ。うーん、穀物感はちょっと希薄かな?奥歯で噛めば蕎麦感が出てくるヤツだろう、と踏んだ。それでは次は蕎麦ツユだ。すすってみると、全体にしつらえが薄い。まつやの蕎麦ツユを2割薄くした感じ。甘さを1割引き、すこしワイルドさを加えた出汁の感じを2割増し。しかしそれでも全体のまとまりはとってもいいという、不思議だが素晴らしく美味しい蕎麦ツユだ。これはイイ。少量のみしか供されないのが残念。まあ手間暇かかっているので仕方がないのかも。少し考えた末に、格好は悪いがお蕎麦の7-8割を蕎麦ツユにくぐらせることに決めて、一気に、、、と思ったが、実際にはしずしずと、やや上品な蕎麦時間に突入した。しみじみとおいしかった。蕎麦感は最後まで希薄だったけれど。

薄めの輪切りにして供されたお葱は、それ自体で料理のような品質だ。中心は甘くて外側は苦辛い。ほんのわずかな量しかサーブされないのは値がはるお葱だからだろうか?生山葵は薫りはスバラシイが、結構強烈な辛さでお鼻をキックしてくれた。お蕎麦のかそけき薫りをちょっと邪魔するかな?それで小さな湯桶に少しだけ注がれた、とろりとした別仕立ての蕎麦湯を全て楽しんで、お店を後にした。ご馳走様でした。

これは答えを出すのがなかなか難しい問題だと思うのだが、お店に小さな女の子をつれたご夫婦が入ってきて、その子がTVゲームを始め、大きな声を出して騒ぎ続けた。ご夫婦は素知らぬ顔でメニューの選択に熱中しておられたが、デートをしている若いカップルをはじめとした周りの客には、あまり良い印象を持たれていない様子であった。

大変恐縮だが、私も蕎麦時間は静かに過ごしたいクチなので、蕎麦屋のお子さんは正直言って苦手だ。しかし確か西荻窪の鞍馬で隣り合った少年は蕎麦食いとして完璧だった。隣に座った若いお父さんと同じようにせいろを頼んで、ものも言わずに没入して蕎麦を手繰りまくっていた。その一心不乱の食いっぷりに、お蕎麦の未来も捨てたものではないと、嬉しくなったものだ。しかし”鞍馬少年”はやはり例外だ。ドモコは騒ぐものであり、親御さんはそれを何とかしようとする態度を周囲に示してほしい、と個人的には希望する。うまくゆかなくてもかまわないので。お蕎麦屋さんのドモコ問題は、なかなか闇が深い、と思った。

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