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"もの"としての"楽器" ⑧ Fujigen NTL21RAH-WB ダンカンのPU [音楽]

"もの"としての"楽器" ⑧ Fujigen NTL21RAH-WB ダンカンのPU

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次はピックアップだ。フロントもリヤも定番中の定番、ダンカンのモデルなのでPUの品質に不安はない。サーキットについて少しだけ語りたい。楽器を購入した際にはなぜかどこにも説明書の類が付属しなかったので設定の確認にはすこしだけ戸惑ったのだが、わかってしまえばあとは簡単だ。この楽器の配線はちょっとだけ特殊な設定になっており、3ウェイではなく5ウェイでもなく、なんと4ウェイに設定されている。フロント側から順番に、ハム、ハムのフロント側だけ半分、フロントと半分とリヤのミックス、リヤのみという設定だ。いわゆるよくあるテレの“フロントPU力不足問題”はすでに解決されている。だから私の興味はフロント半分のダンカンの音そのものということになる。話だけ聞けば普通のテレのフロントPUの音が出てきそうだが、ハムとシングルは構造が違うのでそうはならない。一番大きな構造上の違いは磁石の置かれる場所ということになるだろうか。ハムの場合、ポールピースは磁着されておらず、ボビンの裏に板状の磁石が挟み込んである。一方、テレのようにFender系のシングルピックアップの場合、ポールピース自体が着磁されて磁石になっている。どちらがいいとか悪いとかではなく、設計が異なっていることを認識しておくべきだろう。だから当然出てくる音も違ったものになる。P90なんかは一見Fenderとおなじシングルだが、ギブソン系のポールピース未着磁の構造ということになっている。現在手元にP90がないので確認はできないがそうなっているはずだ。話を戻す。

このハムを半分にした音というのが、fujigenによれば“なんちゃってシングル”とのことで、シングルらしさをこれみよがしに強調したような音像だという。その音を味わってみることを楽しみにしていたのだが、これがなんというか不思議な音で、すぐには弾きこなせそうにない。私には軽めのおもしろい音としか表現できない。しかしミックスとリヤ単体の音には何ら問題はなく、いつものテレの感じで弾いていくことができるので何の問題もなく安心だ。私がこの楽器に求めているのはフロントの普通のギブソン系のハムの音と、22フレットあるネックなので、狙い通り、買った甲斐があったと考えている。

使われているネックのメイプルの品質は十分、指板のローズは伝統的なインディアンローズとは違うようで、導管の入り方が部位によってばらついていたりするが、チョコレート色で見栄えもいいし、何の文句もない。ボディのアッシュは最近手に入れるのが難しくなっている素材で、2ピースで作られている。木部の加工精度は完璧だし、値段を考えると文句の言いようもない。話が拡散してしまったが、テレのボディはやっぱりアッシュが基本であり、そうでないとテレの音にならない。木部がきちんと作られたテレのフロントを、fenderではなくギブソンのハムに取り替えると、何ともいえないすてきな音がでるんですぜ、といいたかった。

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