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"もの"としての"楽器" ⑨ Fujigen NTL21RAH-WB ゴトーのブリッジ [音楽]

"もの"としての"楽器" ⑨ Fujigen NTL21RAH-WB ゴトーのブリッジ


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テレのブリッジにはずいぶん苦労してきた。音も外見も最高なのだが(下の写真を見て)オクターブが合わないオリジナルの3wayのブリッジの構造に納得がいかず、最初に試してみたのはゴトーのがっしりとした機能一点張りの6wayのものだった。たしか鉄製のものと真鍮制のものがあって、私は後者を選んだように記憶している。こいつをウォールナットのボディのテレに乗せて、いろいろパーツを代えてずいぶん楽しんだものだ。もう20年も前のことになるだろうか。しかし質量の高いブリッジをつかうとどうも重心の低い音になってしまい、いろいろ工夫してみても自分がイメージしている乾いた感じのテレの音にはならなかった。それで当時Warmothで売っていた韓国製のブリッジを試してみたり、ジョーバーデンのものを試してみたりしたのだが、どうもいまひとつ気に入らない。それで最終的にたどり着いたのが信頼と安心の日本製、ゴトーのものだった。幸いにして、そいつが私のfujigenにもしっかりと装着されている。ブリッジの駒は、斜めになってはいないが、溝の切り方を工夫することでオクターブが合うように工夫されている。上の写真をよーくみれば、溝の切りかたのイメージがつかめるかも。売り出した当初はチタン製のものが話題になって人気があったので買ってみたのだが、結局それは気に入らず、同じ形をしたブラス製の駒が後に手にはいるようになったので、そいつを使うようになった。そっちの方が値段も安いし、音も伝統的なテレのものに近づくので気に入ったのだ。3wayブリッジの駒は短い円柱を横にしたような形をしているのだが、構造上、ゴトー製のものはこの円柱の半径がオリジナルよりやや太く大きくなっており、結果的に弦高をあまり低くできない。しかし私的に気になる点はそれだけで、あとはほとんど理想通りの構造だ。音的にはオリジナルと比較するとすこし現代的な方向によっていきがちであるものの、全体としてまずまず私の好みにあうので、仕事を引退してまた楽器をアセンブルする機会がもしあれば、間違いなくこのブリッジを選ぶだろう。

見かけはオリジナルの渋い“いなたい”感じとは一線を画すような、なんだかすこしハイテックな外見になってしまっており、In-tuneとかなんとかプレートに彫り込んであるが、まあこれくらいなら許容範囲内か。ゴトーの製品は、製作家ではなく一般の愛好家がパーツとして購入すると結構高額になるし、手元に届くまでに時間がかかるため、購入時からこのブリッジが採用されていることは、私的にはポイントが高い。ブリッジプレートはオリジナルと同様、一枚の鉄板をプレスしたような作りになっているが、こうでないとあのテレの音はでないのは周知の事実だ。ブリッジプレートの形にはバリエーションがあり、サイドを切り取って右手のフィンガープレイがやりやすくなっている製品などもあるのだが、私の楽器に採用されているのは、そういった工夫がされていない、通常のモデルだ。しかしいまの私にはそれで十分、満足だ。このブリッジはテレが好きな皆様に自信をもってお勧めできる素晴らしい製品だと思う。

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