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2022/05/25     奇跡の生還 [雑文]

2022/05/25     奇跡の生還



早い時間に仕事を終えて、帰途に就くことができた。いつもなら多少なりともアルコールが入った飲料を嗜んでから電車に乗るのだが、私は宣言こそしないものの、マジで禁酒を試みている身の上だ。真剣に、しかし、気軽に禁酒を試している。そうすると一日がかなり長く使えるようになり、とくに朝方などは10分でできることの多さに驚いたりする。なのでしばらくこれを続けたいと考えているのだ、マジで。

出張先から拙宅に向かう道のりは必ずしも近いとは言えず、様々な誘惑が待っている。現在私が最も気に入っている蕎麦屋の近くを歩くのだが、ここにはお気に入りの日本酒がたくさん置いてある。お酒の気高い香りや味わいが脳裏に浮かぶ。お蕎麦だって最高なのだが、コロナだから危ない、と自分を説得し、目をつぶってできるだけ早く店から離れ、とにかく駅のホームへ足を進めた。駅の直前にスーパーがあるのだが、ここではクラフトビールを安く買えるのだ。それも見ないふりをしてとにかく駅舎に入ってホームへ。駅前のコンビニも実は結構危険だ。しかり駅に入ってしまいさえすれば、売店がないので一安心だ。それでなんとか電車にのって、ビールの宣伝などから目をそらしつつ、気合で読書に没頭。酒から逃れるためには、禁酒を始めたばかりのこの段階では、私の考えでは何かにとにかく没頭するしかない。まあ今日は時間があるので、家人が好む、某JRの駅ビルにあるタイ料理屋さんで晩御飯をテイクアウトをすることにした。このビルは結構ハイソな雰囲気で、客層もよく、お店も清潔で、店内にはほとんど女性ばかり。清潔感が漂っているので安心して買い物ができるのだ。なので、割高ではあるが値段には目をつぶってかなりの頻度で購入している。今日は家人の好物が一つだけ残っていたため、さっそくそれをゲットして、そのほかにも数品購入することにした。会計を済ませ、ずいぶん高いな、と思いながら電車に。今までにないことだが、突然思い立ってレシートを確認してみると、購入していない、お店で一番高い料理の代金が請求されている。なぜ。いつものように酒が入っておらず、どこかで我慢していたため、やはり多少イライラしていたのだろう。電車を降りて店まで文句を言いに行った。頭から湯気が出ていたかもしれない。しかし会計をした男性はそこにはおらず、対応は初老の女性が。品物とレシートを見せ、返金を要求したところ、一応謝罪、会計をした男性は店長なのだという。彼は私の前には出てこない。初老の女性を怒鳴りつけるわけにはいかないので、店長によく注意しておくように伝え、二度とこういったことがないように強く要求した。それで店を後にした。

私が立腹しているのには訳がある。この店で買い物をするときは、わざわざ遠回りをしてお店まで立ち寄り、お料理の大きな荷物を持って帰ることになるわけなので、多少高くてもお金のことを確認することが今まで全くなかったのだ。つまり、同じことが今まで何度も繰り返されていた可能性がある。というかかなりその可能性が高い。金持ちと思われている?まさかそんなことはないだろう。このお店の料理は家人の好物なのでまた買わせていただこうとは思うが、同じことが繰り返されていると分かったら、次はそれなりの対応をさせてもらおうと思う。何をどうするか、もう腹の中で決めた。これからは、もう安心して買い物をすることができないな、このビルでは。いい店がいくつも入っているのにリラックスして買い物を楽しむことは二度とできないだろう。残念だ。


ともあれ、今日もアルコールを体に入れずに帰宅できた。奇跡の生還だ。

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