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2023/06/19   あきらめないこと [音楽]

2023/06/19   あきらめないこと



何かを手に入れようとするときには、やっぱりこれでもいいや、ではなく、これがいいんだ、というものを選ぶべきだし、自分の生き方そのものに関しても同じで、これでもいいか、ではなくこうやりたいんだ、という風にして生きてゆきたい。それが可能かどうか、本当はだれにもわからないが、あきらめなければいつかそのうち理想に近いもの、理想に近い生き方が手に入るのではないだろうか。ずっとそう信じて生きてきた。卑近な話にはなるが、楽器のことに関しても幸いにしてその通りになった。私にとって音楽は非常に大切なものなので、人生が遅ればせながら一歩前に進んだような気がしてちょっとだけ嬉しかった。

私は体格に恵まれ体力があるので重くても抱えにくくても意に介さずにいろいろな楽器を使ってきたのだが、警官が私のクルマに追突したため首と腰をいためた事故を契機とし、最高に気に入っていた、しかしドライブすると体にかなりの負担を強いるクルマをやむなく買い替えることとなったのだが、前後して、重い楽器、私の体格に合わない楽器を演奏するのが苦痛になってきた。やっとの思いでお気に入りの職人さんにお願いして作ってもらったクラギを長時間弾くことが不可能となり、長い付き合いの小ぶりだがけっこう重いフルアコを抱えることもつらくなってきてしまったのだ。まったくもってひどい話だ。当該の警官二人は、責任は取らない、責任は保険会社がとればいいとはっきりといった。そして私はこうやっていまだに後遺症に苦しんでいるというわけだ。楽器を続けるためのいろいろな工夫を、ほんとうにいろいろやってみたのだが、今のところ全ての問題を解決する方法は見つかっていない。あきらめはしないがやり方を変える必要がありそうなのだ。無理をおして長時間楽器を弾いていると、右足がしびれるようになってきたからね。やばいよこれは。

なので、当初は手元にある16インチのフルアコを17インチの楽器に入れかえればストラップでぶら下げずとも腰を丸めずに何とか長時間弾けるのではないか?と考えて17インチ物を探したのだが気に入るものが見つからず、これでもいいかなと16インチのシンラインを試してみたがご縁がなくお別れすることに。このときは音楽の神様が本当にいるのではないかと思った。やっぱり妥協してもうまくいかないのだ。信頼性の高いFujigenに相談したが、フルアコは16インチであり、私の希望は満たすことができないことが分かった。それで、かなりへこんでしまい、かなり真剣に、もう楽器をあきらめようさえと思っていたところ、張っていたアンテナに引っかかったのがKing Snakeの楽器だった。以前にどこかで目にして気になっていた。ヘッドの形とNash Guitarsに似ているロゴの入れ方がいいなあと思っていたのだが、探してみるとこのレーベルは私が探していた楽器そのものといった楽器を作っているではないか。本当に驚いた。私と同じようなことを考えている楽器制作に携わる人がこの日本にいるなんて。あきらめないでよかったと言えるのかもしれない。

ここにたどり着く前に、実はGodinの楽器にも興味を持ち、軽くて腰にやさしそうな実物を見にクルマを飛ばそうかと時間を作ったりしていたのだが、その過程で、私がやっていることは楽器を買うことを楽しむだけであり、欲しいものを手に入れることではないと気付いてしまったのだ。手段が目的にすりかわっているという。それで楽器購入を断念して、いいかげん嫌になったので音楽そのものもやめてしまおうかと考えていたところ、偶然に見つけたのがKingSnakeというわけだ。ざっと調べてみると、作っているのは日本が誇る箱もの工場である寺田楽器であり、使われているパーツは多くが信頼性が高いGotoh製であった。以前にも書いたが、この楽器には私が欲しいものすべてが盛り込まれているので、あとはブリッジをTOMとどちらがいいか比べてみて、それからVやTのノブをFenderのアンプに使われている黒いものに代えれば本当にそれで完璧だ。重量が軽いというのも今の私にとっては重要なファクターだ。当該の楽器のネックを握ったことすらないが、間違いなく私の体にぴったりと合うはずだ、と、確信している。だって”ご縁"があったんだもの。物を手に入れるとき、ものと自分との間にこういった強いつながりを感じることは稀にしかないので、これは自分にとって本物の出会いなんだと確信している。まだ手許に来てすらいないが、間違いなく長い付き合いになる筈だ。もうクルマも私にとって最高の一台を持っているし、これ以上モノは何もいらないかな。本当にそんなふうに感じている今日この頃なのだった。また報告したい。 


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