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Billがいなくなった-5 Gotoh SD510 [音楽]

Billがいなくなった-5 シャーラー.jpg
ペグもまた非常に重要なギターの構成要素で、その良し悪しによって楽器の印象ががらりと変わってしまう。しっとりとした手ごたえの、正確な歯車を持ったペグをつければ、安物のギターでも、音さえ出さなければ高級な印象の楽器になる。

私はソリッドの場合、Fender系の楽器、とくにTelecasterにしか興味がないため、使えるペグの選択範囲はあまり広くない。また、様々な理由で、できればストリングガイドの使用を避けたいと考えており、各弦のテンションをそろえるため、特に高音弦のテンションを稼ぐために、ペグの軸の長さが均一でないものを選ぶ必要がある。つまりナットからペグまでの角度を、ペグの軸の長さを変えることでそろえる、ということだ。弦の巻き方を工夫することでも同じ効果が得られるが、これはなかなか難しく、現実的には思ったように弦のテンションをコントロールすることは不可能に近い。実際にやってみればすぐわかることなのだが、普通のTelecasterの高音弦をストリングガイドから外してチューニングしてみると、1-2弦あたりのテンションがべろんべろんにゆるくなって、激しいチョーキングなどをすると、すぐにナットから弦が外れてしまう。だから弦の巻き方とか、ペグの軸(ポスト)の長さを調節するなどしないと、きちんとした楽器にはならないわけだ。このあたり、本当にLeoFenderはよく考えて楽器を作っている。天才的だ。すごいと思う。

ともあれ、私が数年前、楽器を作り始めたころ(アセンブルだけだが)に使い始めたのは一番上のシャーラーのものだ。ストリングロックがついているので何度も弦をポストに巻きつける必要がないので気に入っていた。しかしポストの長さの調節ができず、ギアがスムースでなかったり、ペグのボタンの辺りに入っているトルク調節のためのワッシャーがついていないものがあったり、品質管理が不十分で、何より重くって大げさで、音がかわってしまうような気がして、(実際にクルーソンと取り替えてみればわかるのだが、ヘッドの穴の大きさを変える必要があるので面倒で検証していない)その後使わなくなった。

SD51.jpg昔PSGのMoodブランドのギターを購入した際に、クロコダイルロックチューナーというのがついていて、これはルックスは普通のクルーソンとほとんど変わらないが、コインで弦をしっかりとロックする機構がついているという優れもので、チューニングするフィーリングもなかなかよかったのだが、その後パテント問題とかでディスコンになってしまったことを知った。いまはもう手に入れることは出来ない。それで同じようなものを探して、Gotohのロックチューナーを使っていた(クロコダイルもGotohが製造していたのかも。未確認)。これはとてもいいもので、今でも機能的には何ら不満はない。しかしポストの調節機構がついていないので、適切なテンションを得るためには、上記のように弦の巻き方を工夫するか、そうでなければやはりストリングガイドを使う必要があるわけだ。

それでその後探し当てたのが、やはりGotoh製のSD510だ。この会社は製品ラインの最高モデルにGotoh(510)とつける、などというオヤジギャグをかましてちょっと下品なのだが、個人的にはその品質は世界一だと考えている。ペグというのは機械なので、正確、機能的、軽量、品質が安定、という、日本が得意とする分野のど真ん中の製品であり、当然瞬く間に世界を席巻して、世界中で使われている。日本車と同じだ。Gotoh以外のペグを、今の私は使おうとは思わない。単品で購入すると、ちょっと高いけれどね。Gotoh510.jpg
これはポストの高さを自由に設定できるため、1弦のポストを思い切り短くすれば、何とかストリングガイドを使わなくっても大丈夫だ。ただしナットをべたべたに低くすると、残念ながらテンションを確保できないけれど。

Gotohのクルーソン系モデルを使うときは、付属のねじくぎを使うと途中で折れてしまうので絶対に使うな、という都市伝説?がある。私自身、一度これでひどい目にあったことがある。しかしネックの材質に合わせて、適切な下穴をあける手間さえ惜しまなければ、全く問題ない。メッキの色や耐久性、金属の質など、私自身はむしろ付属のネジの品質が高いので、他のものを使うメリットは感じない。売ってくれるものをそのまま使うべきだ。だってGotohは世界一の会社なんだぜ?おかしなねじなんて供給するわけがない。一本折って、よそで売っているものと比べればわかる。もう少し粘りのある、折れる前にすこし曲がるような金属を使ってもよいのかもしれないけれど。ともあれ、SD510を見つけてから、ペグの選択に迷うことは無くなった。ポスト長調節機構がない、ロックだけのものでも十分に素敵だと思っているが。

次は、時間があるときにボディについて書いてみようと思う。
タグ:ギター
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