SSブログ

日本のクルマをおりるかも -3- ディーラーの力 BMW 3 Series [クルマ]

日本のクルマをおりるかも -3- ディーラーの力 BMW 3 Series

BMWの3は、昔バブル華やかなりしころ、”六本木のカローラ”と呼ばれていたことを知っているだろうか。とんでもない話だ。つつましいたたずまいとちょうどいい大きさ、サイズの割に広く取られたグリーンハウスなど、個人的に好印象を持っていた。歳がばれるような話だ。ソリッドの濃紺(何とかブルーとかいう名前があるのだと思うが、BMWらしい色)に彩られたこの車を自分のものにしたい、と考えたことが何度かあった。それで、無理をして時間を作ってディーラーに足を運んでみた。

クルマを駐車場に入れると、、、モデルのようなおねいさんが誘導してくれ、にっこりと”いらしゃいませ”とご挨拶。なかなかできる。やるな。横目で整備場をチェックすると、設備はかなり年季が入っている。清潔感はいまいちかな?しかし歴史がある、年月の試験にパスしている、と評価することも可能かと思う。残念ながらメカニックの方たちは見当たらなかった。ディーラーによっては彼らがさわやかな挨拶を返してくれたりするので(例: 一部のToyota、Yanase)、ディーラーのメカの方たちとお話をすることは、少なくとも私にとっては重要なプロセスだ。

デルモのオネイサンに促されておもむろに中に入ってゆくと、なんとハーフの、こちらもデルモのような男女がちらりほらりと静かに歩いている。彼ら彼女らがディーラーの営業さんらしい、これには驚いた。まるで某国に住んでいた数年前に戻ったみたいだ。危うく訛りのきつい英語であいさつしそうになってしまった、恥ずかしい。それで、例によっておねいさんがたに供されたお茶をいただきながら、試乗をお願いした。客の数は少なく、そのほとんどが白髪の男性であった。なんという平均年齢の高さ。しかし裕福そうな人たちばかりで、ラフな装いの方がほとんどであったが、加齢臭は漂っていない的な雰囲気。みな静かに、自分が購入を考えているクルマのカタログなどを、まったりとした時間の中で、一人ひげなどなでつつ眺めている。客もスタッフも、ゆっくり歩き、ゆっくり話をしている。やはり利益率が高い外車のディーラーなので、一人に客にかける時間が長めに設定されているのだろう。私ものんびりと待たせていただき、試乗までのんびりと過ごさせていただいた。あー、落ち着くなあ、ここ。

それで、案内された3に乗り込んだ。大きな、牛のようにどっしりとした車だ。これは本当に3なのか?5とかじゃないのか?さまざまなエレキ仕掛けで彩られたちょっとプラスティッキーなコクピットに乗り込み、エンジンに火を入れた、、、静かだ。振動もあまり感じない。たくさんあるスイッチ類はほとんどが電気的な接点に過ぎず、機械的なスイッチは排除されているようだ。それでも、ごちゃごちゃとして視界が遮られるようなことはない。人間工学的に考え抜かれた配置なのだろう、たぶん。エレキの中身の多くは日本製が採用されているらしい。信頼性もだから高めなのだろう、と予測。ポジションを合わせて、、、、これは素晴らしい、、、巨体の私にも楽々対応してくれる、、、走り始める。同乗してくれたスタッフのおにーちゃんもやはり手足の長いデルモ体型のハーフの方だった。ゆっくりと道路に出ようと、、、、一時停止をすると、、、、アイドリングストップ!数秒後に目覚めたエンジンは、ものすごく大きな振動とともに目覚めた。なんだこれは、、、。しかしめげずに道路に繰り出す、、、、。”ぬもーーーー”と加速。なめらかではあるがやや力感に欠けるきらいがある。エンジンはその存在を主張しない(オートマ故高回転は試せず)。左右に素早くゆすってみると、、、”ぬもーぬもー”と身もだえする。フレームのスタビリティはさすがドイツ系、しかしハンドルからの情報は少なめである。体感速度よりもスピードメーターは高めを指している。ギャップは”だんだんとんとん”と、軽快ではないが無難にこなす。ランフラットタイヤの影響かも。そして高速に乗って、、、、コーナーでは楽々走っているようなつもりでも結構な速度が出ており、シャシーの基本性能が高いことをうかがわせる。高速性能は文句のないものだが、ダイレクト感に乏しいので疲れないかわりに膜ひとつかかったようなフィーリングだ。間違いなくいい車だ、しかしこれは高級車ではない、と感じた。高級車を買うつもりないし、お金もないのでそれでいいのだけれど。長距離を疲れずに移動するのにはよいクルマかな、と考えたが、その分野はベンツのほうが得意だ。走りながらスタッフの若者とお話をしたところによれば、購入する人の年齢が高いので、贅沢方向に振って販売しており、走りの良さは表に出していない、とのことであった。ナルホド。”駆け抜ける喜び”なんて言っていると、販売会社がつぶれてしまうのだろう、、、。そのあたりで試乗を終えた。現代の3は、私の記憶の中の3とはずいぶん違うクルマになってしまったようで、びっくりしてしまった。良し悪しではないけれど。また、伺うところによれば、エンジンはどこ製かわからないが、本体の製造場所は南アフリカであるとのことで、それを伺って、大変申し訳ないが、購入する意欲が一気にそがれてしまった。ドイツ製の普通のBMWはもう手に入らないということなのだろう。マニュアル仕様は購入可能だが、選択の幅はかなり狭い、とも説明していただいた。疑いなく良い車だが、いろいろな付帯状況を鑑みると、私には合わない、、、。this is not my cup of tea. というやつだ。残念だ。

ディーラーの底力はかなりのものなのではないか。だってこれだけたくさんのかっこいい若者を集めるのはものすごく大変だろうと思うのだ。彼らの教育にもおそらく結構な時間とお金をかけているのだろうし。メカニックの方たちとお話しできなかったことは大変残念だったが、おそらく信頼に足る整備をしてもらえるのだろう、と信じることはできた。BMWのオーナーになることは楽しそうではあったのだが、名車BMW3seriesは私が探していた車ではないようだ。残念だがもう少し他をあたってみよう。ディーラーのスタッフの皆様、ご対応ありがとうございました。とても参考になりました。ついお礼を言いたくなってしまった。
タグ:BMW 3
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:自動車

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0