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日本のクルマを買ったよ -14-  スポーツカーのすゝめ [クルマ]

日本のクルマを買ったよ -14-  スポーツカーのすゝめ

最近仕事でも趣味でも高速道路を走ることが多い。高速コーナーなどでFD2の本領を発揮させて胸のすくようなコーナリングを楽しんでいる。ひらひらとコーナーを駆け抜ける感覚はサイコウだ。しかし私は決して非常識な速度で走ったりはしない。だって人生長く楽しみたいからね。私のクルマはサーキットを走ることが出来るポテンシャルを持っているので、走る・曲がる・止まる、というクルマの基本的な機能については、かなりレベルが高く、私の腕では限界が見えることがほとんど無い。ほぼ全てのリソースを走りに集中させているため、その分内装や防音など、はじめからあきらめてしまっている部分も多く、特に乗り心地はものすごくワイルドで、乗っているだけで強烈な腰のマッサージになる。とても人様をお乗せ出来るような乗り物ではない。こんな愛車を気に入っている。価格が高いクルマではないが、どんなに高いクルマの隣に止めたとしても、恥ずかしいと思うことは無い。スバラシイ。

防音や制振のための部材を大幅に省き、更にエンジンの吸気音を故意に車内に導くようにしてあるらしく、走っているときに耳にする“音“の世界はものすごいことになる。天井の防音材は抜かれてしまっているようで (本当か?) 雨が降ってきたりすると、雨音が大きく響き、まるで雹か何かが降ってきているかのようだ。はじめて雨の中をドライブした時は、本当にびっくりした。太くて固いタイヤが発するロードホールディングノイズや、ギヤ鳴りの音などもあり得ないくらい大きいため、ドライブ中の車内は雑多な音の洪水のようだ。しかし人間とは恐ろしいもので、何にでも慣れてしまう。最近は、クルマを運転しているときに静かだと物足りず、壊れているのかも?と心配になってしまう。だから家族持ちがFD2を買ったとすると(もう売っていないけど)、ドライバーはともかく、同乗している家族が音を上げるのは時間の問題だろう。しかしそれでもさすがにCIVIC,グリンハウスは広く、天井は高く、トランクは広大なので、ある意味実用的なクルマと言えないことは無い。

それで、一人で気分よく高速道路を飛ばしていた時の話だ(しつこいですが法定速度です)。合流して4車線となり、その後トンネルに入っていくというトリッキーなセクションだったのだが、左から合流してきた白く大きなワゴンが、スピードを出しすぎてバランスを崩し(またワゴンかよ!)、私の斜め左前を走っていた4トントラックにぶつかりそうになった。“ひえー、どうすんだよ”とちら見していると、トラックがフルブレーキをかけ、幸運にも事故を避けることが出来たのだが、その後白ワゴンはコントロールを失って、勢い余ってトラックの前に出てしまい、その後尻を振りながら私のクルマの前に、、、、。“なにやってんだコノヤロー!”白ワゴンを転がしていた中年のメガネ親父は(私もそうだが)、必死の形相でハンドルにしがみついている。緊急事態なのに我ながらよくそんなものまで見えたものだ。親父は尻を振りながら私の走っている車線に、、、。“車線を守れよバカヤロー!”なんて叫んでみても無駄だ。相手は暴走白ワゴンだ。コントロールを失ったワゴンは今まさにそのふやけきった尻をFD2の鼻面にたたきつけようとしている、、、、、許さん!私はガツンとフルブレーキング!まるでドライビングゲームの様だ。外は暗く、高速道路の人工的な灯りに照らされており、都会の未来的な景色の中で現実感が全くない。私は本来沈着冷静な人間ではないのだが、この時恐怖を全く感じなかったのは不思議だ、しかし本当だ。何キロ出ていたのかはわからないが、ペダルを踏んだ瞬間にいままで後ろに流れていた景色が逆回転を始め、液体の様にとろけ始めたと思った刹那に、今度はものすごい速さで前に流れ始める。バックミラーを見る、、、クラクションを鳴らしながら、後ろのクルマのドライバーが目と口を大きく開いてきょろきょろ、、恐怖の形相だ。こんな一瞬の出来事なのに、我ながらよく、、、まあそれはいいか。このまま速度を下げ続けると、後ろの車がFD2のおかまを掘ることは間違いない。それは勘弁してほしい。それで今度はジワリとブレーキを緩めて、前のクルマとの距離を見極めながらアクセルを入れる。エンジンの甲高い咆哮とともに、再びじわじわと景色は後ろに流れはじめ、やがてものすごい速さで後ろに飛んでいく、、、。よし、なんとかやばい状況を切り抜けることが出来たようだ。この間僅かに数秒だが、漫画のようで全く現実感がなかった。ふと我にかえり、白ワゴンに近づいて激しくパッシング、クラクション攻撃を加えたついでにここには書けないような下品な言葉で怒鳴って差し上げた。しかし白ワゴンは完全にシカトだ。サルの様に背中を丸めて正面を見据えて運転している。やはり私はワゴン車は嫌いだ。それでも事故にならなくってよかったよ。

FD2のようなクルマは速く走るためだけに作られているのだと思う。走りの基本的能力が高いので、いきおい危機回避能力も高くなる。受動的な事故回避能力が高い、と言い換えることも出来ると思う。私自身はものすごいスピードを出すようなことは無く、コーナーで“スゲースゲー”と興奮するくらいが関の山なのだが、今回のシビアな状況は、普通の車に乗っていたらとても避けられなかったと思う。このクルマがぶつかった時に乗員の安全を保つ機能はおそらくそこそこで、あまり期待できないのだろうと思うが、ぶつかる前に、危険から逃れることのできる可能性は普通のクルマと比べれば間違いなく高い。ニア事故から事故までのマージンが広いと思うのだ。もちろん最終的にはドライバーの能力が事故るか回避できるかを決めるのだが、それでもクルマの基本的な能力以上のものは出せないので、私のような凡庸なドライバーであったとしても危機回避の可能性が大きく高まるのではないか、と思ふ。

そんなこんなで、より多くの人にスポーツカーに乗ることをおすゝめしたい。

タグ:FD2
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