神保町 松翁 ざる 950円 [日本蕎麦]
神保町 松翁 ざる 950円
旧友と再会した。酒は飲まない約束になっていたのだが、相棒がどうしても一合だけでも呑ませてくれという。私には呑むなという。それはないぜ!と結局一合ずつ呑むこととした。つれづれに、最近のこまごまとした出来事を語り合いながら旧友と日本酒をすする、、、この世にこれ以上の幸せがあるだろうか?
結構シアワセになってしまってから、お蕎麦をお願いした。調子に乗ってざるを二枚ずつお願いした。このお店にはかつて大酒を呑んでいたころに何度もうかがっており、お蕎麦の味なんて覚えていやしないのだが(こんな銘店でなんと失礼な、、、)、大変おいしかった、というより、めちゃめちゃうまかった!というあいまいな記憶だけが残されていた。
その後うんちくだけは増えてゆき、池波正太郎が通い詰めただとかなんとかかんとか、知識だけはため込んだのだが、松翁実体験は増えないままだったので、ちょっとかすみがかった頭ではあったがお蕎麦を真剣にいただいた。
蕎麦つゆは2種類、我々二人とも当然のように濃口をお願いしたのだが、カツオに加えて多少昆布(本当か?)を感じさせる味わい深いものだった。いわゆる江戸風よりすこし”きつくない”仕上がり。白髪ねぎと少量だが生わさびが添えられて、文字通り本物のざるに乗せてお蕎麦が供された。お盆は無し、、、これはなかなか漢らしい。中細で角がきっちりと立った、わずかに緑がかった(酔いのせいかも)男前のお蕎麦で、結構な量のもりで登場。まずいつものようにお鼻をピッタリとつけてクンクン、栗のような、私が大好きな穀物の純粋な薫りを胸いっぱいに吸い込む。これは最近ではベストの蕎麦体験、蕎麦の薫りだ。そしてそのまま数本手繰ってみる。ムチムチとぽくぽくがいい感じに抱き合わせてある仕上がりのお蕎麦で、歯ざわり、舌触り、のど越し、薫りのすべてが高い次元でバランスしている。これはいい、最高だ。そして蕎麦つゆに三分の一ほどくぐらせて、、、、、すごい、お蕎麦と蕎麦つゆが上手な掛け算になっている。夢中でどんどんと手繰り続け、あっという間に2枚のざるをおなかに収めてしまった。鉄瓶?にいれたポタージュ的な蕎麦湯も、いつもながら大変結構でした。脱帽です。蕎麦湯で焼酎を割って呑みたかったが、相棒に制止されてあきらめた。
今度はお酒なしでうかがうことにしよう。多分そのほうがよりお蕎麦を楽しめるのではないか?
良い;神保町というよりは自分的には御茶ノ水にある銘店の一つ。昔からやっているお蕎麦屋さんだと認識しているが、現在のご亭主は脱サラしてからお蕎麦を始めた伝説の蕎麦職人と聞いている。神保町方面の頭のよさそうな人と頑固そうな蕎麦好きの老人たちが集っている印象がある。なにも変えないでほしい。特にお蕎麦のもりが良いのがグルマンである私にはありがたい。現状でパーソナルベストお蕎麦屋さん。
もっと良くなる;ずっとこのままであってほしい
また行く?;何度でもYes
総評;神保町にある、泣く子も黙る銘店。知らないと見つけるのが難しい。
トイレ;なかなか清潔
駐車場:多分ないと思う。車で行ったらお酒が飲めないではないですか。
2017/11 ざる 950エン
運よく自分だけの時間を作ることができ、久しぶりに松翁に足を運ぶことができた。お昼のお休みを取らないとのことであり、運が良かった。ざるをお願いした。いつものようにメガネが特徴的なご亭主。息子さんと思われる方も一緒に厨房に入っておられた。供されたお蕎麦のプレゼンは、いつもながらスバラシイ。
丸いざるにこんもりと盛られた比較的細く着られた手打ちそば。やや透明感があり、星はわずかしか散っておらず、エッジはかなり鋭くたっている。打ち立て、切り立て、ゆでたてというやつだろう。つなぎは目立たず、いーい薫りだ。蕎麦つゆはやはり辛い方を選んだ。これもいつも通りブレのない完成された蕎麦つゆ。例によって発酵の印象が強く、一口すすると頭が喜びでしびれてしまう。蕎麦猪口の上に乗せられた小皿には、生山葵、丁寧に輪切りしたさらし葱、それから少量の白ごま。嬉しいことに蕎麦つゆは、小さな徳利に入っている。丹精込めていることはわかっているが、もうすこしたくさん入っているとなおうれしい。さて。
今日はやや寒いので、蕎麦つゆを半分くらいくぐらせることにして、蕎麦時間に没入した。見た目、薫り、味わい、歯切れ、喉越し、全てハイレベルな素晴らしいお蕎麦だった。ご亭主のちょっと自閉症っぽい冷たい視線もいい味付けになっていると思う。もう一枚お願いするかどうかすごく悩んだのだが、使い込んだ鉄の急須(南部っぽい奴)で供された、ポタージュに近い蕎麦湯を全て堪能し終えると、その段階ですでに“完ぺきに近い”蕎麦時間だったような気がして、お代わりをあきらめることにした。運が良ければ次があるさ。
お店がもう少しお掃除してあれば、私にとって完ぺきなお蕎麦屋さんかもしれない、と思った。
旧友と再会した。酒は飲まない約束になっていたのだが、相棒がどうしても一合だけでも呑ませてくれという。私には呑むなという。それはないぜ!と結局一合ずつ呑むこととした。つれづれに、最近のこまごまとした出来事を語り合いながら旧友と日本酒をすする、、、この世にこれ以上の幸せがあるだろうか?
結構シアワセになってしまってから、お蕎麦をお願いした。調子に乗ってざるを二枚ずつお願いした。このお店にはかつて大酒を呑んでいたころに何度もうかがっており、お蕎麦の味なんて覚えていやしないのだが(こんな銘店でなんと失礼な、、、)、大変おいしかった、というより、めちゃめちゃうまかった!というあいまいな記憶だけが残されていた。
その後うんちくだけは増えてゆき、池波正太郎が通い詰めただとかなんとかかんとか、知識だけはため込んだのだが、松翁実体験は増えないままだったので、ちょっとかすみがかった頭ではあったがお蕎麦を真剣にいただいた。
蕎麦つゆは2種類、我々二人とも当然のように濃口をお願いしたのだが、カツオに加えて多少昆布(本当か?)を感じさせる味わい深いものだった。いわゆる江戸風よりすこし”きつくない”仕上がり。白髪ねぎと少量だが生わさびが添えられて、文字通り本物のざるに乗せてお蕎麦が供された。お盆は無し、、、これはなかなか漢らしい。中細で角がきっちりと立った、わずかに緑がかった(酔いのせいかも)男前のお蕎麦で、結構な量のもりで登場。まずいつものようにお鼻をピッタリとつけてクンクン、栗のような、私が大好きな穀物の純粋な薫りを胸いっぱいに吸い込む。これは最近ではベストの蕎麦体験、蕎麦の薫りだ。そしてそのまま数本手繰ってみる。ムチムチとぽくぽくがいい感じに抱き合わせてある仕上がりのお蕎麦で、歯ざわり、舌触り、のど越し、薫りのすべてが高い次元でバランスしている。これはいい、最高だ。そして蕎麦つゆに三分の一ほどくぐらせて、、、、、すごい、お蕎麦と蕎麦つゆが上手な掛け算になっている。夢中でどんどんと手繰り続け、あっという間に2枚のざるをおなかに収めてしまった。鉄瓶?にいれたポタージュ的な蕎麦湯も、いつもながら大変結構でした。脱帽です。蕎麦湯で焼酎を割って呑みたかったが、相棒に制止されてあきらめた。
今度はお酒なしでうかがうことにしよう。多分そのほうがよりお蕎麦を楽しめるのではないか?
良い;神保町というよりは自分的には御茶ノ水にある銘店の一つ。昔からやっているお蕎麦屋さんだと認識しているが、現在のご亭主は脱サラしてからお蕎麦を始めた伝説の蕎麦職人と聞いている。神保町方面の頭のよさそうな人と頑固そうな蕎麦好きの老人たちが集っている印象がある。なにも変えないでほしい。特にお蕎麦のもりが良いのがグルマンである私にはありがたい。現状でパーソナルベストお蕎麦屋さん。
もっと良くなる;ずっとこのままであってほしい
また行く?;何度でもYes
総評;神保町にある、泣く子も黙る銘店。知らないと見つけるのが難しい。
トイレ;なかなか清潔
駐車場:多分ないと思う。車で行ったらお酒が飲めないではないですか。
2017/11 ざる 950エン
運よく自分だけの時間を作ることができ、久しぶりに松翁に足を運ぶことができた。お昼のお休みを取らないとのことであり、運が良かった。ざるをお願いした。いつものようにメガネが特徴的なご亭主。息子さんと思われる方も一緒に厨房に入っておられた。供されたお蕎麦のプレゼンは、いつもながらスバラシイ。
丸いざるにこんもりと盛られた比較的細く着られた手打ちそば。やや透明感があり、星はわずかしか散っておらず、エッジはかなり鋭くたっている。打ち立て、切り立て、ゆでたてというやつだろう。つなぎは目立たず、いーい薫りだ。蕎麦つゆはやはり辛い方を選んだ。これもいつも通りブレのない完成された蕎麦つゆ。例によって発酵の印象が強く、一口すすると頭が喜びでしびれてしまう。蕎麦猪口の上に乗せられた小皿には、生山葵、丁寧に輪切りしたさらし葱、それから少量の白ごま。嬉しいことに蕎麦つゆは、小さな徳利に入っている。丹精込めていることはわかっているが、もうすこしたくさん入っているとなおうれしい。さて。
今日はやや寒いので、蕎麦つゆを半分くらいくぐらせることにして、蕎麦時間に没入した。見た目、薫り、味わい、歯切れ、喉越し、全てハイレベルな素晴らしいお蕎麦だった。ご亭主のちょっと自閉症っぽい冷たい視線もいい味付けになっていると思う。もう一枚お願いするかどうかすごく悩んだのだが、使い込んだ鉄の急須(南部っぽい奴)で供された、ポタージュに近い蕎麦湯を全て堪能し終えると、その段階ですでに“完ぺきに近い”蕎麦時間だったような気がして、お代わりをあきらめることにした。運が良ければ次があるさ。
お店がもう少しお掃除してあれば、私にとって完ぺきなお蕎麦屋さんかもしれない、と思った。
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