SSブログ

本家尾張屋  せいろ大盛り 1080エン [日本蕎麦]

2017/9  本家尾張屋  せいろ大盛り 1080エン


Owariya.jpg
ある本に、このお店のことが紹介されていた。それで京都に足を運ぶことができた幸運を寿いで、そこまで足を延ばすことにした。ちょっとわかりにくい場所にあるこのお店を、関東者の私が探しあてることができたのはスマホのおかげ、技術の進歩に感謝感謝。お店についてみると、お昼時を外していったにもかかわらず、そこそこの人数が並んでいる。私の前は、アメリカ人の夫婦が手持無沙汰そうに並んでいた。相席は嫌だとか、天ぷらよりもタヌキがいいんだなどと、わけのわからないことを二人でぶつぶつ言っている。背の高い男性のほうは低い天井に頭をぶつけたりしている。このご夫婦を見ていると飽きない。しかしほどなく名前を呼ばれると嬉しそうに店内へ。さて、次は私だ。私はいつも通り一人で食べに来ているため、比較的早く呼んでもらえるはずだ。と思っているうちにすぐに中に通された。よしよし。

小ぶりのテーブルに通されると、すぐに熱いお茶が供された。私は強い日差しなかでじりじりと焼かれながらここまで歩いてきたため、冷たい飲み物が欲しい。それでいつもはほとんど頼むことのない生ビールをお願いした。出てくるまでに時間がかかる様子なので、さらにお水を所望した。出されたお水はすぐに飲み干してしまったのだが、花板さんは目線を合わせてほほ笑んでもお水を継ぎ足してはくれない。オレと目があったら、お水をくれないとダメなんだぜ、オネイサン。お尻撫でちゃうよ、、、。と心でぶつぶつとつぶやきながらお水を待ったりした。でも結局くれないので日本語でお願いした。そんなことをしているうちに生ビールが。なかなかおいしいそいつは1分もしないうちに喉が渇ききった私に飲み干されてしまった。

さて、お蕎麦だ。

四角い木の盆にせいろ。大盛りだからだろうか、二つの小さな山に分けてきれいに盛り付けられている。なかなかいいぞ。小さな徳利に蕎麦つゆ。小皿には九条ネギの輪切りとたっぷりの生山葵。小皿は蕎麦猪口の上に乗せられている。大野とてもおいしい。さてさて。それではお蕎麦を楽しませていただこう。

お蕎麦はほそーくてながーい、機械切り特有のエッジが立ったやや白っぽいものだった。星はほとんど目立たず、かといって更科でもなく。ちょっとバカにしてお鼻をペッタリ、、、とする前に“ぶわっ”と栗のような穀物の甘い薫りに包まれた!おお、やるなこいつ!ほほ笑んだ私は胸の奥までお蕎麦の気高い薫りを吸い込んで、そいつを心ゆくまで満喫した。数本手繰ってみると、細いだけにムチムチ感は足りないが、歯切れと喉越しのいい、細い割に味の濃いいお蕎麦だった。いいぞいいぞ。それでは蕎麦つゆに、、、と。ん、、、これは、、、。関東にはない味わいだ!まず薫ってくる出汁の香りと味わい。おそらくカツヲ節や宗田節などだけではない、なんというか丸くて広いのだがそれでいて強い出汁がでている。それから、多分醤油によるものなのだろう。薄口醤油を混ぜ込んだと思われる、ちょっと複雑な味わいが出汁の強さと相まってこの蕎麦つゆの背骨を作っているようだ。見た目は薄く、味わいもほんのりとしているのだが、それでいて女性的なしなるような強さがある。お蕎麦は半分くらいくぐらせるところから始めてみる。おう、おいしい、、、。うなってしまう。しかしもう少しくぐらせた方が、、、とやっているうちに、見栄えは悪いがほとんどすべてのお蕎麦を蕎麦つゆにくぐらせてから手繰る、という結論に落ち着いた。そうと決まれば話は早い。あとは、、、夢中で蕎麦を手繰り続け、、、餓鬼と化した私に吸いこまれ吸いこまれ、あっという間にせいろの上のお蕎麦はなくなってしまった。

その後に供された蕎麦湯は、別仕立てで丁寧に蕎麦粉を湯に溶かしこんだと思われ、これも上品で大変結構でした。お値段も適切だし、量もそこそこあるし、花板さんの客あしらいがもうすこし上手であれば、文句のつけようのないお店でした。あと、食後にのんびりと蕎麦湯を楽しんでいると、せいろをお盆ごと下げてしまうのは興ざめなのでやめた方がいいと思いました。あと数分あのままにしておいてくれたら、気分よく日本酒を何本か呑んだであろう私だったのに、、、。

ともあれ、素晴らしいお店でした。お勧めです。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。