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2022/11/30   Fender Made in Japan Ritchie Kotzen Strat Str-RK [音楽]

2022/11/30   Fender Made in Japan Ritchie Kotzen Strat Str-RK



だめだGAS再発だ。笑ってくれ。いつものように楽器屋を沢山飛び回るようなことはせずにじっくりと卓上で情報を集めていろいろ考察している。今回のお話は内容が結構濃くてマニアックなので、国産の楽器に興味がない人はスルーしていただくことをお勧めしたい。

Str-RKの実物をとりあえず弾いてみようと思い、久しぶりに行きつけにしているI楽器店で弾かせてもらい、まず気になっていた重さをチェック。とりあえずStratは3.7-8㎏の感じで、やや重いがなんとかいけそうだった。一方で、実際に手にしたやはりRKモデルのTeleは、いくら何でも重すぎるというくらい重い。Fender系のギターは、せいぜい3.5㌔くらいまでにしてほしいものだが、こいつはめちゃめちゃ重くって、体感上5キロ近いのではないか。店員さんもよく分かっており、レスポのつもりで試してみてくれと言うのでさすがに笑ってしまった。重すぎるので売れ残った個体なのか?現品販売ということで、税込み140000エンほどで売りに出ていたのだが、その際は腹が決まっておらず見送り。しばらくそのまま売れ残っていたが、後に連絡を取ってみたところ両方とも売れていた。140000エン、つまり正味128000エンはかなりいい値段なので、売りに出して何日も売れないということは、やはり設定が特殊なのであえてRKモデルを選ぶ人は少ないということなのだろう。テレでもストラトでも同じことだ。私の大好物のBaseball Bat仕様のFenderネックは、ほとんどの同胞たちには太すぎるのだ。だって店頭だけではなくネット上でも売りに出していたのに売れないんだよ?誰も買いたい人がいないということだ。店員さんによれば長期在庫品のため処分価格ということだったが、現在税抜き200000エンが定価のこの楽器、何年前に作られたのかわからないが、かつての定価はいくらだったのだろうか?しらべてみたらいろいろ面白いことがわかってきた。

消費税は1989年に導入して当初は3%。それが1997年に5%、2014年に8%、2019年10月に10%まで上がっているので、そのことにもに注意して税抜き価格の推移を調べてみた。また、発売は1996なのだが、Fender Japanは97年までFujigen、それ以後はダイナが製造している筈だ。当時の楽器を富士弦が開発したのか、当初はFenderJapanの第2工場的な立ち位置だった筈のダイナが担当したのかは微妙なところ。私の印象では、実質的にはFujigenが開発したのではないかと思われる。まあ親会社子会社的な関係だった筈なので、おそらく人的な交流もあったのではないかと想像する。初期物の緑色(ライムグリン)の奴がダイナの玄関口?あたりに誇らしげに展示されている写真を見たことがあるので、ダイナが初期から製造に深くかかわっていたのは間違いのないところ。販売開始後のほとんどの個体はダイナ製であり、現在も同社が製造しているのは間違いない。Fender Japanの他のモデルと同じ製造工程で作られているのであれば、ボディやネックなどのパーツは社外で制作、組込みはダイナという時代が長かったと聞くが、2007年からは一貫してダイナが制作している筈だ。こういったFender Japanの成り立ちと現在につながる流れなどを調べるといろいろなことがわかって大変興味深い。

FenderCustomShopの立ち上げに日本(Fujiten=当時のFender Japan)の技術がたくさん入っていることなんか調べてみると面白いよね。その辺が分かってくると、USA Fenderは、Fender Japanに足を向けて眠れないはずだよ、などと思ったりする、ほんとほんと。それなのにFenderは日本のUserに高価なFCSを売ってがっぽりもうけている、FCSを複数持っている私が文句を言える立場ではないが。やっぱり我々日本人はアメリカ製品、というかアメリカ文化が好きなんだよね。例えばコーラ、マック、フェンダーにマーチンだよね。ね。すくなくとも私の世代の男性たちはそういう人が多かったと思う。うん。

90年代後半に展示された実器をお店で見たことがあり、実はたいへん気になっていた。I 橋楽器本店の階段を上がったあたりに特別扱いで展示されていたように記憶しているのだが、このときの13万円という定価がなんとなく脳裏に刻み込まれている。派手な楽器だなあ、MIJなのに結構高いなあ、というのが当時の個人的な印象だった。ともかく、1996年に販売開始されており、Str-135RKはトップがフレームメイプル、TLR-135RKはキルトメイプルという仕様になっており、ともに定価135000エンで販売されていた。当時は消費税が導入されて間もない頃であり、まださほど痛痒を感じさせないレベルの3%であった。

その後の価格変動を以下にまとめてみた。<<注;すべて税抜き>>
1996年 消費税3% Str-135R  フレームメイプルトップ     135000エン
1999年 消費税5% Str-135RK フレームメイプルトップ 値段は変わらず135000エン
2002年       Strは一時カタログ落ちしたらしい
2008年以前     Str-145RK 少なくとも1回は値上げしている     145000エン
2008年      Str-RK     165000エン
2012年                               165000エン
2015年      FJがFender本体に吸収  その後のカタログWeb上にみあたらず 
<<カタログがないのでネット情報;信憑性は落ちるか>>
2015年 消費税8%                          177000エン
2019年 消費税10%
2022年以前のいつか     180000エン
2022年 消費税10%                          200000エン

ということで、25年程度でお値段1.5倍になっているわけなのだが、よくこんなに長い時間作られ続けてきたものだ。数は決して多くはないが、根強いNeedsがあるということなのだろう。実際私自身もこの楽器を手元に置きたい一人ではある。まあ途中で生産中止になっていた時期があるようだが。ここ半年ほどのことではあるが、これまで見てきた中では税抜き128000エン が最低。私見だが、これは180000で仕入れた個体の長期在庫放出品で、おそらく仕入れは50%前後、MIJだがFenderなので、20%の利益を乗せてぎりぎり3割引き126000エンということで、10%の税金をのせると約14万円ということではないだろうか?適切な価格で購入したい、というわけでざっとWeb上で調べてきたのだが、だんだん楽しくなってきてしまった。困ったもんだ。手段が目的になるというやつで、マニアックな性格の私などはこうなりがちで、いくら時間があっても足りない、、、。人生残り少ないので、いい加減にしないとね。あ、そうだそうだ、最近の円安による価格上昇を考えに入れないとして、特別な設定をしていないFenderタイプのソリッドは、150000エン以下が適切な価格なのではないかと個人的には考えていることを記しておきたい。このモデルはトップのタイガーストライプのメイプル、金属部分のゴールドメッキ、アバロンのポジションマーク以外は特殊な設定になっていないので、上記した定義通りに150000エン前後が適正かな、というのが私の考えだ。Large Cの太いネックの設定は、コストの上昇にはつながらない筈だ。

調査を始めた2022/09頃、TLRは税抜き140000エンで出ていたが、Strは147000エン。定価は税抜きで各々200000エンなので、Strのほうが売りやすいということなのだろう。しかも白の方が赤よりも人気があるのは間違いない。もし140000エン以下で売り出されるようなことがあれば、まだまだ仕入れ値割れ、とはいわないが、様々なコストを考えると放出価格といってもいいだろう。今後、ある時点で一気に値が崩れていくことを予想するが、そうなるとすぐに流通する現物がなくなってしまうかもしれない。そのあたりで流れを自分の方に引き寄せられるかどうかが問題だ。いつもと違って無理をして買うことはないかな、と思っているので余裕があるなあ、オレ。

日本と違って米国では、一般の人はものすごくお金に細かい。なので、たとえば車などは仕入れ値とかオプションとか、すべてネット上で調べることができるので取引がしやすい。ディーラーのトップの人と現地で話をしたことがあり、実際に彼からクルマを買ったことがあるのだが、最後の1セントまで正確な情報がネット上に流れているということであった。しかし一方、我が愛する日本の楽器業界はこのあたり、全体としてあまり透明ではないようで、それが楽器の、ひいては音楽の普及にとっていいことなのか悪いことなのか私にはわからない。原価があり、仕入れ値があり、利益率があり、販売価格が設定される。当然企画、製造、販売等々各々のレベルで利益を上げる必要があるわけなので、楽器を購入する人は、全体の流れをある程度分かったうえで賢くお金を使うべきだろう。業界も購入者もWinWinの関係を築けるようなお金の使い方をしてほしい。そうでなければ業界が成り立たないからだ。個人的には、ブランドをもっていて有利な取引ができる大きな会社ではなく、実際に物を作っている人に多めに利益が還流すればいいな、と考えているので、そういった考えに基づいた行動をとることにしている。さて、今後どうなるか。Str-RKは私の手に入るだろうか?もう楽器を買うのはいい加減にしろという意見はキコエマセンヌ。

2022/11現在、マーケットに流れている楽器は、定価が200000エンなので、普通に考えて140000が一応の底値。仕入れ値が50-60%として、利益率が20-30%が普通の商売で、Fenderは利益率が低く20%前後と低めに設定されていることが多いという前提だ。売り手ではなく造り手に多めにお金が入るということなのだろう。これは本国でも言われていたことで、販売店にとってはあまりありがたいことではないようだ。親しくなったLocal のDealerのJimは、Fenderの製品は扱いたくないとこぼしていたっけ。ともあれ、この売値でも20%前後の利益が出ている筈。お店で楽器を保管、展示、販売するのにはお金がかかるので、売値がこれ以下になったときは不良在庫をかなり本気で処分、もしくは個体に何らかの問題があるということになるのだろう。ということで、税抜きで140000エン、税込みで154000エンを切ったとき、つまり投げ売り状態になったときに、ボタンを押してみようかと考えている。チョイ傷と表示しておいて安売りを外向きには正当化して、事実上問題のない個体を集客のために少数のみ投げ売りに出すものをゲットするのが賢いのかな。定価180000エンで仕入れたと思われる長期在庫個体を買うのも賢いやりかただろう。

そうそう、この楽器のPUは、RK専用のCustomと謡っているが、なんのことはない、DimazioのPopularなモデル、HS2のボビンを一つだけ使っているということらしい。初期のE.Johnsonも同じようなことをしていたはずだ。なので、PUのカバーを外すと残念な感じになるようだが見なければいいことだ。私の場合は、この極太メイプルネックがついているストラトということが大切なので、何ら問題ない。というわけで、Str-RKの値動きを、もうすこし楽しんでみたい。

しかしこうやって遊んでいる経過中(もう2か月目だ)に、手元にある太いネックがついた楽器が幸いにして完全復活した。なので、Str-RKは基本的には必要ないことになってしまった。なので、条件が飛びぬけて良くなければ手元に置くことはないであろう。

11/27 ついにでた、ほとんど叩き売り。税抜き130000円だが赤だ。重さも3.5キロ前後だし、アッシュのバック材は2Pだという。白でなく赤なのはちょっと問題なのだがまあいいだろう。去年製作されたモデルなので、まだ値上げ前で、定価は180000エンだったのかもしれない。恐らくそうだろう。以前にI 楽器店で出会った個体とほぼ同じ条件だ。内容は最新の個体と100%一緒なはずなので、条件は満たしていると言っていいだろう。30% Offなので、売り手も利益率は確保できている。あとは楽器の状態なのだが、遠方なので見に行くわけにはいかなそうだ。店頭品なので多少の傷などもあるだろう。評判の悪くない店ではあるが、楽器の通販はFujigen以外はしない主義で、これまで何度か悲しい思いをしてきた。ここは愛する日本であり、米国ではないからね。さてどうするか。
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ボタンを押したぞ!

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馬鹿だなオレ。


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この楽器は、Gotoh製の色気は全くないが正確で壊れようがない定番のペグ(SG381)、人工骨のナット、PUはHS2の上半分で塗装はポリ、等々、手がかからず、簡単には壊れないようにごく実践向きにできているし、なによりほぼ同じ仕様で長年作り続けられていることが、それなりの品質の高さを証明している。すでに時の審判を受けているということだ。RKがツアー用にマジでこれを使っているというハナシはだからけっこう信憑性が高い。売りにでている楽器ものそのものではなく、プロの手が入っているのは当然だとおもうけれど。彼の最近のメインはTlrなのだが、構造が単純なのでStrよりさらに壊れにくいはずだ。Tlrもたいへん結構なのだが、腰に悪いので今回はStrを選んだ。腰にくる楽器は今の私にはもう長時間ブル下げて愛でることができないからだ。とにかくこの楽器を選ぶ理由は、平らな指板と大きなフレットで、押弦が多少ずれても簡単に音が出るように設定されていることであり、木部も塗装も丈夫だし、気を遣わずにいつでもどこでも弾ける楽器として、恐らくこれが私にとって最後の一本となるだろう。今度こそ本当に最後だ、という確信がある。購入方法はテキトーだが、楽器の選定には十分な手間暇をかけたので、ダイナの製造技術を前提とすれば問題は起きないだろう。あとは楽器店の品質管理の問題のみだ。調べてみると悪くないようだということで購入に踏み切ったわけだ。多少の問題があっても返品はしないと思う。

白を探して直前で赤に変えてしまうあたり、なんともテキトーで自分らしい選択だ。そういえばF30だって当然ガンメタを買うつもりであったのだが、直前でサファイアブラックを選択してしまったし、FD2もチャンピオンシップホワイトのつもりがガンメタになってしまった。それでもおそらく、今度もうまくいくだろう。またここで報告したい。


2022/12/20 120000エンでロックイン川崎で新品特価がでた!ロックイン川崎は何度か顔を出したことがあるが、なかなか素晴らしいお店だ。FenderGuitarの取扱数が国内有数であり、FenderのLicensedTechnicianが常駐はしていないがちょくちょく顔を出していると聞いている。販売店が仕入れた個体は検品されるが、この際に問題が発見されると仕入れ元に返品するのだが、このお店は国内で返品が最も多いという噂だ(内部情報で確認はとれず)?さすが元Fender国内正規代理店総元締め(という言い方でいいのかどうか)の山野楽器直営店といったところ。新宿のお店は撤退したようだが川崎では引き続き頑張っておられるのは私のようなマニアにとっては大変ありがたいことだ。実は以前、高額な楽器を購入する際にお世話になったことがあるのだが、”うちではおかしなものは一本たりとも売りません”というプライドに満ち満ちており、スバラシイ応対をしていただいた。その節はお世話になりありがとうございました。感謝しております。それはともかく、この個体は新品ではなく新品同様扱いで出している。短期間で返品された楽器なのかもしれない。訳アリ?店頭品の入れ換え?バックは3ピースに見えるし指板の木目もあまり美しくはないが、音には関係ないだろう。とにかくこいつを売りに出しているのは信頼と安心のロックインだ。これは考えようによってはチャンスだ。木目とか細かいことが気にならない人は買った方がいい。なにか問題があったとしても素晴らしいアフターケアをしてくれることは間違いない。なので個人的にはお勧めだ、うん。しかし逆算すると、Fender MIJの仕入れ値は定価の60%ということなのかな?

あ、新品特価ではなくってB級特価に直してある。クレームでもついたのかしら?売れたかどうかチェックして楽しんでいる私も暇人だな、そんな暇ないのにね。


2023/01/05   あれ、まだ売れてないねこの個体。個人的には悪くないような気がしているんだけれど、、、。



2023/01/20 おお、Ikebeで税抜き140000エン、しかもポイント10%つきのTlrがでた。Outlet扱いで、実物を見たわけではないがおそらく悪くないのでは?Teleは構造が単純な楽器なので、木目とかピース数とか以外、楽器としての機能に問題が出る可能性があまりないので大丈夫なのでは?ものすごく重いのかもしれないなあ。見に行くと買いそうなのでやめておこう。手元にある真っ赤なStr-RKなのだが、気を遣わずに弾き倒せるので手にする機会が増えている。最高の楽器かどうかは別として、音楽をする道具としてはやはりなかなかのものだと思う。お勧め。
タグ:Str-RK
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