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翁蕎麦   おおもり 550エン? [日本蕎麦]

翁蕎麦   おおもり 550エン?


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憧れの翁蕎麦にようやく伺うことができた。いつ行っても満席なので、潜り込むことが出来なかったのだ。本日は昼の部の終わり頃を狙って伺ったので、なんとか席を確保することができた。もちろん相席ではあるが。地元の方々が愛用しておられるお店故、できるだけ目立たないようにしよう、と心がけた。ほとんどの人がカレー南蛮をオーダーすることはわかっていたのだが、私は例によっておおもりをお願いした。ひょっとすると同席した方々は、私を脳タリンと思っていたかもしれない。しかしこれだけは変えられない。初めてのお店ではおおもりなのだ。それはさておき。

カレー南蛮をすする方々のカレー汁のしぶき攻撃を避けつつ、おおもりを待つ、松、マツ。
供されたお蕎麦は、使い込まれた四角いせいろに大きく盛られて。小さな蕎麦猪口の中にサラサラ、しかし真黒な蕎麦つゆ。その上に小皿が置かれて、さらし葱と粉山葵が乗せられたスタイル。日本酒が欲しいところだが、ビールしかないと事前に情報を仕入れてある。

じっくりと観察。蒸篭の上にこんもりと盛られたお蕎麦はまるできしめんのように幅が広い。しかも全体にうねうねとしており、本当に手打ちかもしれない、いや、手打ちに違いないと思わせるに十分な仕上がり。お蕎麦の切り方もかなりファンキーな感じで、機械任せにはしていないと主張している。お蕎麦は全体にやや黒みを帯びた白っぽい色をしており、お蕎麦というよりは小麦を感じさせるプレゼン。お箸でツンツンしたかんじも、お鼻ペッタリして薫りを吟味した感じもお蕎麦というよりは小麦だ。しかし遠くの方できちんとお蕎麦を主張していることはきっちりと記しておきたい。数本手繰ってみると、、、見かけ通りにお蕎麦のような、おうどんのような。しかし奥歯できっちりと噛みしめるとふんわりとお蕎麦の薫りがする。喉越しもお蕎麦というよりはおうどんだ。しかし好きか嫌いかと聞かれれば、もう迷うことなく大好きだ、うん。それでは蕎麦つゆに行ってみよう。小ぶりな蕎麦猪口に満たされた蕎麦つゆは、サラサラとしている割には見かけが真黒だ。少量啜ってみると、サラサラはいいのだが、お醤油が強―烈に効いている。つまりしょっぱいのだ。神田方面のやりかたを江戸前と呼ぶのであれば、江戸前の蕎麦つゆよりも全体に薄いが醤油成分が突出して主張しまくっている。味醂、ザラメ、出汁などのその他の成分は、脇役的存在感となっている。しかしお蕎麦が強いので、蕎麦つゆはこうしないとだめなのかもしれないな、などと考えた。

バランスを考えて、蕎麦つゆに半分少し程度くぐらせることにして、あとはお蕎麦時間に没入だ。相席の方からのカレー汁の飛沫を気にしながらではあったが。ここのお蕎麦は手繰るというよりは噛みしめるタイプ。わしわしと馬力を出してお蕎麦と格闘、存分に楽しませていただいた。粉山葵も、ややくったりとした輪切りの葱も味わい深くやっぱりお酒が欲しくなった。これで550エン?しかもとろりとした蕎麦湯も当然のように供されるのだ。蕎麦猪口にタップリと残された辛―い蕎麦つゆを摂取するのは血圧が高い身の上でもあり、かなりためらわれたが、なに、物事を深く考えると不幸になる。トロトロと蕎麦湯を注ぎ込んで味わうことにした、、、と、これはなかなかのものだ。蕎麦つゆの良しあしは、蕎麦湯で割ってみるとわかりやすい。全体のバランスがきっちりととれており、おいしい和風スープの出来上がりだ。たっぷりと楽しんでお店を後にした。“550エンです”(マジか?安くないか?千円札をピロリ)“はい、お釣りの350エンです”(マジか?引き算できないのか?まあいいか十分安いし)。こういった小さなエピソードも楽しみのうちと考えてお店を後にした。若女将の垣根の低いサービスも、女将の年季の入ったサービスも素晴らしかった。心配なのは血圧だけだ。お店を出たあとに、唇が長時間ピリピリしていたのもお塩のせいかな。ちょっと怖いな。

超お勧め。ただし血圧の高い人は月に一度までです。

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